NYダウ157ドル高、米中関係改善期待

12日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比157ドル03セント高の2万4527ドル27セントで終えた。
 
中国による米国産大豆など農産物の輸入拡大やハイテク産業政策の見直し検討が伝わり、米中協議の進展が意識され買いが先行した。中国通信機器メーカーである華為技術(ファーウェイ)幹部の釈放も好感され堅調推移となったものの、引けにかけてやや上げ幅を縮小した。
 
トランプ大統領は11日のロイター通信とのインタビューで、中国が「膨大な量」の米大豆を購入していると述べるなど、「対立緩和を期待できる前向きなニュースが相次ぎ、投資家の買い戻しが入った」という。ボーイングやキャタピラーなど中国市場への依存度の高い銘柄が相場の上昇を主導し、ダウの上げ幅は一時450ドルを超えた
米長期金利の上昇を受け、利ざやが改善するとの観測からJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスといった金融株も買われた。米原油先物相場が高く始まり、シェブロンなどエネルギー関連株の一部にも買いが入った。
 
来週18、19両日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に注目している。今年4回目の利上げは確実視されているが、市場では「来年の利上げ想定回数が9月時点の3回から2回に減れば、株価の下支え材料になる」(先の準大手証券)との期待が高まっている。
 
ただ、取引終盤にかけてダウ平均は上げ幅を縮めた。上げが目立っていた中国関連株やハイテク株が戻り待ちの売りに押されて伸び悩んだ。
 
セクター別では、自動車・自動車部品や半導体・半導体製造装置が上昇する一方で不動産や電気通信サービスが下落した。
 
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比66.481ポイント高の7098.312で終えた。アマゾン・ドット・コムやフェイスブック、アルファベット(グーグル)など主力株が総じて上昇した。
 
個別では、米中関係の改善期待から、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)、エヌビディア(NVDA)、マイクロン・テクノロジー(MU)など半導体関連株が上昇。関税引き下げによる恩恵を受ける自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)やフォード(F)も堅調推移。ホームセンターのロウズ(LOW)は、通期の業績目標を据え置いたほか、新たに100億ドルの自社株買い計画を発表し上昇。
一方で、スポーツ用品メーカーのアンダーアーマー(UA)は、長期的な成長見通しが投資家の失望売りを誘い大幅下落となった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,527.27+157.03
S&P500種
2,651.07+14.29
ナスダック
7,098.312+66.481
NY金(ドル/トロイオンス)
1,247.20-2.20   
NY原油(ドル/バレル)
51.20-0.45
円・ドル
113.26 – 113.27-0.14
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続伸した。
12月物は前日比300円高の2万1645円で引け、11日の大取終値を15円下回った。米報道を手がかりに米中貿易交渉の進展期待が広がり、買われた。
米メディアは12日、中国政府がIT(情報技術)関連産業の高度化を目指す計画「中国製造(メイド・イン・チャイナ)2025」を見直す、と伝えた。中国の大豆買い付け報道も流れ、投資家心理が改善した。
 
この日の12月物高値は2万1825円、安値は2万1270円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21645 ( -15 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21645 ( -15 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6880.19(+73.25)
FTSE100種総合株価指数は大幅に続伸した。前日の終値に比べ73.25ポイント高の6880.19で引けた。構成銘柄の約8割が上昇した。
 
華為技術(ファーウェイ)幹部の保釈決定で、米中通商摩擦の緩和に期待感が高まった。メイ英首相の与党・保守党党首としての不信任投票が決まったが、信任を得る見通しが強まったことも相場の追い風となった。
銀行株の値上がりが株価指数の上昇に寄与した。
朝方に下落していた住宅建設株はその後買い戻され、軒並み大幅高となった。
 
個別では、バークリー・グループは5%超の上昇と目立った。前日に新たなビジネスプランを発表し大幅上昇した広告のWPPグループは、この日も4%超上がった。航空機エンジンのロールス・ロイスも大幅高となった。通期利益が予想範囲の上限に達するとの見通しを示したことが好感された。
 
半面、エネルギー関連サービスのウッド・グループは10%安。最近の不安定な原油相場が与える影響について警戒感を示したことが嫌気された。衣料小売りのネクストも売られた。同業の英スーパードライが温暖な天候を理由に、通期利益が半減する可能性を示したことが材料視された。スーパーマーケットのセインズベリーは7%超の下落した。同社と同業アズダは英競争当局に、両社の統合に向けた審査のための準備時間について延長を申請した。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10929.43(+148.92)
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて148.92ポイント高の10929.43だった。米中貿易摩擦の懸念が後退し、欧州各国の株式相場が上昇した。3銘柄を除くすべての銘柄が上がった。
 
個別銘柄では、医療機器のフレゼニウスは7%近くの上昇と目立った。ドイツ銀行も6%近く上がった。同行とコメルツ銀行との合併を容易にするため、ドイツ政府が支援を強めているとの一部報道が材料視された。電力のRWEの値上がりも目立った。下落したのは、ドイツ取引所と工業用ガスのリンデ、ドイツポストの3銘柄だけだった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4909.45(+103.25)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて2%以上上昇した。

 

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