18日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比153ドル07セント(0.5%)安の3万2862ドル30セントで終えた。
この日は米長期金利が上昇し、割高感のあるハイテク銘柄に再び売りが強まった。ダウは取引中盤までは金融株など景気敏感株が買われて堅調に推移。だが、アップルなどハイテク株への売りに歯止めがかからない中、ダウ平均は終盤にマイナス圏に沈んだ。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比409.035ポイント(3.0%)安の1万3116.168で終えた。下落率は2月25日(3.5%安)に次いで今年2番目の大きさだった。
米連邦準備制度理事会(FRB)は17日、連邦公開市場委員会(FOMC)後に経済見通しを発表し、事実上のゼロ金利政策が少なくとも2023年末まで続くとの予想を据え置いた。バイデン米政権の追加経済対策や新型コロナウイルスワクチン接種拡大で景気回復の期待が高まる中、ダウは取引時間中の史上最高値を更新する場面もあった。
米政府の追加経済対策とゼロ金利政策の両輪でインフレが強まるとの見方から、18日の米債券市場では長期金利が一時1.75%と昨年1月以来の水準に上昇した。
長期金利の上昇が続けば相対的な割高感が高まるとの見方から、PERが高いハイテク株を中心に売りが広がった。スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトは3%安で終えた。ダウ平均の構成銘柄以外では電気自動車のテスラが7%安、半導体のエヌビディアは5%安となった。半導体株は軒並み大幅に下げた。
欧州など新型コロナウイルスの感染が広がっている地域で景気回復が遅れるとの懸念から、米原油先物相場が下落した。これを受けて石油のシェブロンが4%近く下げ、ダウ平均の重荷となった。
半面、景気敏感株には買い入り、ダウ平均を下支えした。長期金利上昇による利ざや拡大の見方からJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株が上昇。機械のハネウェル・インターナショナルや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)など資本財株の一角も上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
32,862.30-153.07
S&P500種
3,915.46-58.66
ナスダック
13,116.168-409.035
NY金(ドル/トロイオンス)
1,732.50+5.40
NY原油(ドル/バレル)
59.60-0.40
円・ドル
108.96 – 108.98-0.24
【シカゴ日本株先物概況】
18日のシカゴ日経平均先物は反落した。6月物は前日比80円安の2万9735円で引け、18日の大取終値を325円下回った。この日の6月物安値は2万9725円、高値は3万0320円。
NYダウ平均は経済活動の再開期待に上昇に転じ、連日で史上最高値を更新したものの、原油価格の下落や予想外に増加した週次新規失業保険申請件数で労働市場への懸念がくすぶり引けにかけて再び下落した。米長期金利が上昇し、投資家心理を冷やした。米連邦準備理事会(FRB)のゼロ金利政策の長期化がインフレ加速を招くとの警戒感が広がった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
29735 ( -325 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
29760 ( -300 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6779.68(+17.01)
18日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ17.01ポイント(0.3%)高の6779.68で引けた。構成銘柄の約6割が上昇した。
米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和を少なくとも2023年末まで維持する姿勢を示したのに続き、英イングランド銀行も18日にはハト派姿勢を明確にした。これらを背景に、株価指数は底堅く推移した。金融政策の現状維持が明らかになった後は買いがやや強まった。鉱業株の上昇が株価指数を押し上げる一方で、石油株の下落が上値を抑えた。
個別銘柄では、鉱業のアントファガスタは大幅高だった。金融関連株も欧米の長期金利の上昇で利ざやの改善が期待され買われた。銀行のHSBCホールディングスの上げが目立った。資産運用のスタンダード・ライフ・アバディーンはアナリストが投資評価を引き上げたため上昇した。
半面、原油安を受けて石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルA株(0.9%安)、B株(1.2%安)がさえなかった。オンライン食品販売オカド・グループは5%安で連日の急落となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14775.52(+178.91)
18日のドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日と比べて178.91ポイント(1.2%)高の1万4775.52と、連日の過去最高値(終値ベース)更新となった。
米金融当局によるゼロ金利政策の継続で景気の回復が期待され、欧州各国の株式相場も上昇した。
個別では、ドイツ銀行は5%近く上げた。同社の経営幹部が18日、2021年1~3月期の投資銀行部門の増収率が前年同期比で20%程度に達していると示し、好感された。自動車のダイムラーも大幅高だった。前日に急伸したフォルクスワーゲン(VW)は18日も上がって始まったが、午後には利益確定の売りに押された。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6062.79(+7.97)
その他の欧州の主要株式相場も上げた。フランスの株価指数は、終値ベースで約1年1カ月ぶりの高値で引けた。
