NYダウ15ドル安、利益確定売り優勢

1月31日のNYダウ工業株30種平均は前日比15ドル19セント安の2万4999ドル67セントと3日ぶりに反落で終えた。前日に大幅高となった反動で利益確定売りが優勢だった。
 
ダウは利益確定の売りが出たほか、ダウ・デュポンなど一部の銘柄が相場を下押しし、取引中の大半をマイナス圏で推移した。ダウ・デュポンはこの日、2019年1~3月期業績が減収になるとの見通しを発表し、売りが殺到。マイクロソフトも前日引け後に発表した18年10~12月期決算で、法人向けクラウドサービスの売り上げが鈍化したことが嫌気され、下げが目立った。前日の決算発表後に大幅に上昇した航空機のボーイングは、利益確定売りに押され下げた。
 
米長期金利の低下を受け、利ざやが縮小するとの見方からゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった金融株が軒並み下げた。ダウ平均は朝方に172ドル安まで下げた。
 
ダウ平均は小幅に上げに転じる場面もあった。米連邦準備理事会(FRB)が前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げの棚上げに加えて資産縮小の見直しにも柔軟な姿勢を示した。金融引き締めに対する懸念後退が相場を支えた。
 
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は31日、中国の交渉団が米中首脳会談の2月開催を提案したと報じた。31日まで開催の米中の閣僚級の貿易協議でも、両首脳が交わす合意に向けて交渉が進んでいるとの期待が買いを誘った。
 
セクター別では、メディアや電気通信サービスが上昇する一方で素材や銀行が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は前日比98.658ポイント高の7281.737で終えた。昨年12月3日以来ほぼ2カ月ぶりの高値となった。30日夕に発表した10~12月期決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったフェイスブックが10%強上昇した。31日夕に決算発表を控えていたアマゾン・ドット・コムが買われ、アルファベット(グーグル)やアップルも上昇した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,999.67-15.19
S&P500種
2,704.10+23.05
ナスダック
7,281.737+98.658
NY金(ドル/トロイオンス)
1,325.20+9.70   
NY原油(ドル/バレル)
54.02-0.21
円・ドル
108.83 – 108.84  +0.11
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅続伸した。
3月物は前日比35円高の2万0825円で引け、31日の大取終値を75円上回った。朝方にダウ工業株30種平均が反落して始まり、日経平均先物にも売りが先行した。
その後はダウ平均が下げ幅を縮めるにつれ、じりじりと上げた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数の続伸も相場を支えた。30日までの米中貿易協議の結果を見極めたいと、取引に慎重な向きもあった。
この日の3月物高値は2万0875円、安値は2万0615円。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
20825 ( +75 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
20835 ( +85 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6968.85(+27.22)
FTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日30日の終値に比べ27.22ポイント高の6968.85で引けた。
米連邦準備制度理事会(FRB)が前日の声明で利上げの停止を打ち出したことで、米国やアジアで株高が進んだ。ただ、英国株は伸び悩み、節目の7000台に届かなかった。欧州経済の減速懸念や英国の欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」のリスクが上値を抑えた。
構成銘柄の7割近くが下落したものの、指数への寄与度が大きい資源株が高くなり、指数を押し上げた。
 
 
個別銘柄では、2018年決算で大幅な増益を発表したロイヤル・ダッチ・シェルの上げが目立った。 鉱業のアントファガスタが4.5%高とフレスニージョも3.3%高と大幅高となった。金価格が一時9カ月ぶりの高値水準を付け、大幅に上昇したことを受けた。
時価総額の大きい酒類のディアジオが4%超高となり、指数の上げを主導した。中国とインドでの需要増で半期の売上高が市場予想を上回ったことに加え、自社株買いを発表したことが買い手がかりになった。
 
半面、銀行株をはじめ金融株が軒並み下落した。欧州の長期金利の低下を背景に利ざやの縮小を意識した売りが出たようだ。資産運用のスタンダード・ライフ・アバディーンは、2.9%安と下げが目立った。アナリストが投資判断と目標株価を同時に引き下げたことを嫌気した。不動産株と通信株が売りに押された。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11173.10(-8.56)
ドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日30日と比べて8.56ポイント安の11173.10だった。
 
個別では、アナリストが目標株価を引き下げた重電のシーメンスと、コメルツ銀行との合併観測が再び取りざたされたドイツ銀行が安かった。前日に急落したオンライン決済サービスのワイヤーカードも小幅続落した。
一方でIT(情報技術)のSAPや電力株が上昇した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4992.72(+17.96)

 

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