7日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前週末比148ドル47セント安の3万0069ドル79セントで終えた。米国での新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、経済活動が想定以上に制限されるとの見方が投資家心理を冷やした。
西部カリフォルニア州では感染増を受けて、6日以降、人口の8割以上が自宅待機令の対象に入った。東部ニューヨーク州のクオモ知事も7日、入院患者数が5日以内に安定しなければ、中心部ニューヨーク市での店内飲食を禁止する方針を明らかにした。
全米でも死者数や入院患者数が高水準で推移し、経済活動の縮小につながるとの懸念が強まった。
また、市場が期待を寄せる追加経済対策が、週内にまとまらない可能性が出てきた。議会は11日に失効する連邦予算に代わる新たな予算案に、追加対策を組み込む方向で協議している。だが、追加対策や新予算案をめぐる与野党の隔たりは大きく、さらなる協議時間を稼ぐために、1週間分のつなぎ予算のみ成立させる見通しだと報じられた。
ダウ平均を含む主要株価指数が前週末にそろって過去最高値を更新しており、利益確定や持ち高調整の売りも出やすかった。化学のダウや石油のシェブロンなど足元で上げが目立っていた景気敏感株が売られた。アップルが自社開発したパソコン用CPU(中央演算処理装置)に製品の性能が劣ると報じられた半導体インテルの下げも目立った。アップルは上昇して終えた。
ダウ平均は引けにかけてやや下げ渋った。米国では米食品医薬品局(FDA)が週内に米製薬のファイザーやバイオ製薬のモデルナのワクチンの緊急使用を許可する見通しで、英国では一足早く8日にファイザー製ワクチンの接種が始まる。ワクチンの普及で経済正常化が進むとの見方が相場を下支えした。
セクター別ではエネルギー、保険が下落した一方で、テクノロジー・ハード・機器が上昇した。
ナスダック総合株価指数は3日続伸。前週末比55.714ポイント高の1万2519.946で終え、連日で過去最高値を更新した。コロナ感染の拡大で「巣ごもり消費」が長期化するとの見方があり、恩恵を受ける動画配信のネットフリックスなどが上昇した。
21日にS&P500種株価指数に採用される電気自動車(EV)のテスラも買われた。
NYダウ工業株30種(ドル)
30,069.79-148.47
S&P500種3
,691.96-7.16
ナスダック
12,519.946+55.714
NY金(ドル/トロイオンス)
1,840.00-1.10
NY原油(ドル/バレル)
45.64-0.62
円・ドル
104.04 – 104.05-0.08
【シカゴ日本株先物概況】
7日のシカゴ日経平均先物は反落した。
12月物は前週末比425円安の2万6435円で引け、7日の大取終値を135円下回った。
7日のNYダウ工業株30種平均が5営業日ぶりに反落した。新型ウイルス感染者数や入院者数の急増を受けた外出規制強化や追加経済対策への不透明感を背景に寄り付きから下落した。景気循環株に売りが広がり終日軟調に推移。ハイテク株は買われた。新型コロナウイルスの感染拡大による米景気悪化への警戒感が広がり、売られた。
この日の12月物安値は2万6320円、高値は2万6950円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
26435 ( -135 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
26435 ( -135 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6555.39(+5.16)
7日のFTSE100種総合株価指数は5日続伸した。前週末の終値に比べ5.16ポイント高の6555.39で引けた。
英国と欧州連合(EU)の将来関係を巡る交渉の決裂リスクが警戒され、ポンド相場が下落した。午前は英通貨ポンド相場の大幅安が支援材料となって買われ、正午に3月上旬以来9カ月ぶりの6600台を回復した。午後に入ると利益確定売りが出たほか、英国と欧州連合(EU)の貿易交渉をめぐる悲観論を背景にジリ安となり、値を消した。
輸出関連の比重が大きい株価指数は上昇したが、米中関係の悪化が懸念され構成銘柄の6割近くは下落した。
個別銘柄では、たばこ株と医薬品株が買われた。ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は4%超上げた。金銀生産大手のポリメタル・インターナショナルは、金価格の上昇に伴い買いに転じた。包装のDSスミスは、アナリストが株価目標を引き上げたことが好感され買われた。
一方、銀行株は売られ、なかでもロイズ・バンキング・グループの下げが目立った。住宅建設のバークリー・グループは7%超下げた。外食・ホテル大手ウィットブレッドは4.1%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13271.00(-27.96)
7日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前週末と比べて27.96ポイント安の1万3271.00だった。
米政府が一部の中国当局者に新たに制裁を課す準備を進めていると伝わり、両国関係の悪化懸念から欧州各国とも売りが広がった。
個別では、タイヤのコンチネンタルとドイツ銀行が売られた。素材メーカーのコベストロは上昇した。アナリストが株価目標と投資判断を引き上げたことなどが好感された。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5573.38(-35.77)
