NYダウ147ドル高、米中摩擦の緩和期待で

13日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比147ドル07セント高の2万6145ドル99セントで終えた。
8月下旬以来、約2週ぶりに2万6000ドル台を回復した。
朝方発表された米労働省が13日に発表した8月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る弱い結果となり、米利上げ加速への懸念も後退したことも株価に追い風になった。
 
また、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は12日にトランプ政権が中国との貿易摩擦緩和に向けた閣僚協議の再開を打診したと報道。13日の株式市場も協議を通じた中国に対する巨額制裁回避への期待感が続き、相場上昇を支えた。
交渉の先行きについては不透明感も強いが「ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表ら対中強硬派ではなく、国際協調派のムニューシン財務長官が交渉をリードすると報じられたことが好感された」という。
 
前日に新型「iPhone」を発表したアップルはアナリストらの高評価が相次ぎ、株価は上昇した。1銘柄でダウ平均を36ドルあまり押し上げた。
 
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比59.481ポイント高の8013.710で終えた。アップルが上昇したほか、前日に売りが目立った半導体関連株も反発。アルファベット(グーグル)やマイクロソフトにも買いが優勢だった。
 
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や半導体・半導体製造装置が上昇する一方で食品・生活必需品小売や銀行が下落した。
 
個別では、ソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)も買われた。半導体のクアルコム(QCOM)は、先日発表した300億ドル規模の自社株買い計画のうち、大手行からの借り入れにより最大160億ドル相当を前倒しで実施する方針を示し堅調推移した。
著名ヘッジファンドマネジャーのデビッド・テッパー氏が強気の味方を示した半導体メモリのマイクロン・テクノロジー(MU)も堅調推移となった。
 
一方で、食品小売のクローガー(KR)は、既存店売上高が予想を下振れ大幅下落となった。
 
マーケット終了後にグラフィックソフトのアドビ・システムズ(ADBE)が発表した6-8月期決算は、売上高、1株利益ともに予想を上振れた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,145.99+147.07
S&P500種
2,904.18+15.26
ナスダック
8,013.710+59.481
 
米10年債利回り(%)
2.9718 +0.009
米2年債利回り(%)
2.7606 +0.013
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,208.20-2.70
NY原油(ドル/バレル)
68.78+0.19
円・ドル
111.93 – 111.94+0.46

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
シカゴ日経平均先物は反発した。
9月物は前日比320円高の2万2965円で引け、同日の大取終値を145円上回った。米中貿易協議への期待や米物価指標の落ち着きを手がかりに米株が上昇し、日本株も買われた。円安も支援材料になった。

この日の9月物高値は2万3000円、安値は2万2630円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22800 ( +170 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22845 ( +215 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7281.57(-31.79)
FTSE100種総合株価指数はポンド高を受けて反落。前日12日の終値に比べ31.79ポイント安の7281.57で引けた。小売・流通株の下げが目立った。
指数構成銘柄全体の約7割が下落。株価指数は方向感に乏しい動きだったが、午後に入ってポンド高が進むと安値圏に沈んだ。
時価総額の大きいたばこ株と医薬品株がそれぞれ全面安で引けた。ポンド高による為替差損の影響が懸念された。たばこ株は前日に上昇した反動で利益確定の売りも出た。
 
主な個別銘柄では、総合ヘルスケアのNMCヘルスの下げも目立った。
原油相場の急落を受けて石油株は値下げ幅を広げた。アナリストが目標株価を引き下げた電力のSSEも大幅安で引けた。英大手百貨店のジョン・ルイスの減益決算を嫌気し、小売りのマークス・アンド・スペンサー(M&S)は、2.0%安や英流通大手のモリソンズは、2.0%安、テスコは1.4%安、セインズベリー1.0%安など流通・小売株の下落が目立った。
 
半面、銀行株がほぼ全面高で引けた。なかでも特別配当の期待からロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が高かった。米中の貿易協議を再開するとの期待感から銅相場が大幅上昇し、主力の鉱業株が買われた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12055.55(+23.25)
ドイツ株式指数(DAX)は続伸。
終値は前日12日と比べて23.25ポイント高の12055.55だった。
 
個別では、半導体のインフィニオンテクノロジーズと、アナリストが投資判断を引き上げたコメルツ銀行が大幅に上昇した。ドイツ銀行も上げた。自動車株も堅調だった。
一方で医薬・化学大手のメルクなど化学関連株が売られた。鉄鋼のティッセン・クルップの下げも目立った。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5328.12(-4.01)
フランスの株価指数CAC40は小動きとなり下落した。

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