4日のNYダウ工業株30種平均4営業日ぶりに反発した。は前日比146ドル97セント高の2万7649ドル78セントで終えた。
米ブルームバーグ通信は4日、米中両政府が発動済みの関税の撤回範囲をめぐり合意に近づいているとする複数の関係者の見方を伝えた。米国は15日に対中制裁関税の対象を中国からの輸入品ほぼ全てに広げる予定で、それまでの合意を米側が期待しているという。
米中合意の先送りへの警戒感などからダウ平均は前日までの3営業日で661ドル下げており、自律反発狙いや値ごろ感からの買いが入りやすかった。
市場では「トランプ米大統領は来年の米大統領選をにらみ中国と貿易協議で合意したいはず」との見方も根強い。中国での生産・販売が多いスポーツ用品のナイキや、中国売上高の比率が高い工業製品・事務用品大手のスリーエム(3M)が買われた。
また、米長期金利が上昇し利ざや拡大への期待から、金融のJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスが上昇。2銘柄でダウ平均を87ドルあまり押し上げた。産油国が協調減産を強化するとの思惑から米原油先物相場が大きく上げ、エクソンモービルなど石油株の買いを誘った。
一方、4日朝発表された経済指標はいずれも弱い内容だった。民間発表の11月の全米雇用報告では、非農業部門の就業者数が前月比6万7000人増と、市場予想の14万人増を大きく下回った。また、サプライ管理協会(ISM)発表の11月の米非製造業景況指数も53.9となり、前月や市場予想を下回った。
ただ「サービス部門の雇用は平常通り。非製造業景況指数も、低下したとはいえ底堅い印象」との声も聞かれ、相場には響かなかった。
セクター別では、エネルギーや半導体・半導体製造装置が上昇する一方でソフトウェア・サービスや素材が下落した。
ナスダック総合株価指数は同46.029ポイント高の8566.672で終えた。アップルやアルファベットなどが上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
27,649.78+146.97
S&P500種
3,112.76+19.56
ナスダック
8,566.672+46.029
NY金(ドル/トロイオンス)
1,480.20-4.20
NY原油(ドル/バレル)
58.35+2.25
円・ドル
108.85 – 108.86+0.38
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は4営業日ぶりに反発した。
12月物は前日比205円高の2万3340円で引け、4日の大取終値を240円上回った。
米中貿易交渉の進展期待が広がり日経平均先物は、米株とともに買われた。
米ブルームバーグ通信が「米中は貿易協議の第1段階で撤回する関税額について合意に近づいている」と報じた。原油相場や米長期金利の上昇も好感され前日までに下げ進んだ反動による買いも入った。
この日の12月物高値は2万3375円、安値は2万2970円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23340 ( +240 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23345 ( +245 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7188.50(+29.74)
FTSE100種総合株価指数は5営業日ぶりに反発した。前日の終値に比べ29.74ポイント高の7188.50で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
米中貿易協議の進展期待が再び強まり、投資家の買い安心感につながった。株価は朝安で始まったが、米ブルームバーグ通信が「合意に近付いている」と報じたことをきっかけに切り返し、米国株の寄り付きの堅調を眺めて一段高となった。
その後は高値圏で推移した。金融と資源株の上昇が株価指数を押し上げた。
個別銘柄では、ロシアの鉄鋼大手エブラズは大幅高。航空機部品大手メギットが3.5%高で上昇率トップ。産銅大手アントファガスタ2.5%高、鉱業大手アングロ・アメリカン1.6%高など資源株も総じて締まった。過去2日間で大幅安となったネット専業スーパーのオカド・グループはこの日買い戻された。住宅建設株も上昇し、アナリストが株価目標を引き上げたバラット・ディベロップメンツの上げが目立った。
半面、金価格が下落したことから、関連のフレスニージョは6%超下がった。投資関連のM&Gも下落した。英国の欧州連合(EU)離脱の先行き不透明感により解約請求が相次いだことから、一部ファンドの取引を停止したことが嫌気された。経営幹部の人事異動を発表したWMモリソン・スーパーマーケッツも売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13140.57(+151.28)
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて151.28ポイント高の13140.57だった。米中は貿易協議の第1段階において制裁関税の一部撤回で合意に近づいていると伝わり、主要な欧州各国株式相場はそろって上昇した。
個別では医薬・農薬大手のバイエルとドイツ銀行の上昇が目立った。下落したのは不動産のボノビアを含む4銘柄だけだった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5799.68(+72.46)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて1%以上上げた。
