NYダウ145ドル高、持ち高調整の買いが優勢

1日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前日比145ドル99セント(0.5%)高の3万1656ドル42セントで終えた。

パウエルFRB議長が先月26日の講演で、米インフレ抑制のため、金融引き締め政策を「しばらくの間」継続する必要があるとの考えを表明。FRB高官からも積極的な利上げを支持する発言が相次いだ。市場では、金融引き締め政策が長期化するとの見方が台頭。景気後退への懸念が強まり、投資家はリスク回避姿勢を強めている。

朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数が市場予想に反して3週続けて減った。新たに失業する人が減っていることを意味し、労働需給の逼迫がFRBの利上げを促すとみた売りが強まった。ダウ平均は一時290ドル安まで下げ幅を広げた。

ただ、ダウ平均は午後に入って徐々に下げ幅を縮め、上昇に転じて終えた。8月の雇用統計では雇用者数の増加が前月から減速する半面、失業率は歴史的な低水準が続くとみられている。株式相場の反応が読みにくい中、前週末から急ピッチで下げていたため、持ち高調整の買いが入った。

前週末以降に景気敏感株と同様に売り込まれてきたディフェンシブ株に押し目買いが入り、相場を支えた。ダウ平均の構成銘柄では医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、バイオ製薬のアムジェンの上げが目立った。米長期金利が約2カ月ぶりの水準に上昇し、利ざや改善期待からJPモルガン・チェースなど金融株も買いが優勢だった。

半面、航空機のボーイングや化学のダウなど景気敏感株は安い。顧客情報管理のセールスフォースなど、長期金利の上昇局面で相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株の一角も売られた。

ナスダック総合株価指数は5日続落し、前日比31.077ポイント(0.3%)安の1万1785.126で終えた。米政府が中国とロシアへの先端半導体の販売を制限したのを嫌気し、エヌビディアなど半導体株が総じて売られた。一方、動画配信のネットフリックスとネット通販のアマゾン・ドット・コムは上げた。


【シカゴ日本株先物概況】

1日のシカゴ日経平均先物は続落した。9月物は前日比70円安の2万7785円で引けた。堅調な米経済指標を受け、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの警戒から売りが出た。
ただ、景気後退の回避が可能との楽観的な見方が強まったほか、雇用統計の発表を控えた買戻しが強まり、引けにかけてダウは上昇に転じた。

 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
27785 ( +155 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27785 ( +155 )
 
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7148.50(-135.65)

1日のFTSE100種総合株価指数は大幅に4日続落した。前日に比べ135.65ポイント(1.86%)安の7148.50で引けた。中国本土の各地で新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う行動制限が強化されている。中国経済の減速懸念から資源株に売りが出た。

FTSEでは、賭け屋大手エンテインが7.7%安と下落率トップ。資産運用会社インターメディエイト・キャピタル・グループ(7.5%安)や航空機エンジン製造大手ロールス・ロイス(7.4%安)、資源大手グレンコア(6.6%安)も売り込まれた。

 

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12630.23(-204.73)
1日のドイツ株価指数(DAX)は続落した。前日に比べ204.73ポイント(1.60%)安の1万2630.23で終えた。高インフレと欧米中央銀行の大幅な金融引き締めが景気悪化につながるとの懸念から、幅広い銘柄に売りが出た。

DAXでは、通販大手ザランドが4.6%安と売られた。

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 6034.31(-90.79)
フランスCAC40種指数は1.48%安だった。
米欧の積極的な利上げ観測が重しとなり、売りが優勢となった。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次