6日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比144ドル26セント(0.4%)高の3万5208ドル51セントで終え、ほぼ2週間ぶりに過去最高値を更新した。
朝方発表された7月の米雇用統計によると、失業率は5.4%と、前月から0.5ポイント改善。景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数は前月比94万3000人増と、市場予想の87万人増を上回った。順調な雇用回復が示されたのを受け、景気敏感株を中心に買いが膨らみ、ダウは終日堅調な展開を維持した。
市場では「労働市場はコロナ前の水準への完全な回復に向けて前進を続けている」と受け止められた。
金融や素材、資本財など景気敏感株が買われ、相場上昇を主導した。金融のゴールドマン・サックスは4%高、JPモルガン・チェースは3%高となり、2銘柄でダウ平均を120ドル近く押し上げた。米長期金利が一時、前日比0.08%高い1.30%に上昇したのも金融株の追い風だった。化学のダウ、航空機のボーイング、建機のキャタピラーも高い。労働市場の改善で消費も堅調に伸びるとの見方から、ビザやアメリカン・エキスプレスも上げた。
一方、長期金利上昇で相対的な割高感が意識されたハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄は売られやすかった。スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトが小安い。ヘルスケアや日用品などディフェンシブ株も下げ銘柄が多かった。
ナスダック総合株価指数は小幅に5営業日ぶりに反落し、前日比59.355ポイント安い1万4835.762で終えた。主力株は総じて売りが優勢で、ネット通販のアマゾン・ドット・コムと電気自動車のテスラが安い。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディアも下げた。
S&P500種株価指数は続伸。前日比7.42ポイント(0.2%)高の4436.52で終え、連日で過去最高値を更新した。
NYダウ工業株30種(ドル)
35,208.51+144.26
S&P500種
4,436.52+7.42
ナスダック
14,835.762-59.355
NY金(ドル/トロイオンス)
1,763.10-45.80
NY原油(ドル/バレル)
67.83-1.26
円・ドル
110.20 – 110.22+0.64
【シカゴ日本株先物概況】
6日のシカゴ日経平均先物は続伸した。9月物は前日比65円高の2万7875円で引け、6日の大取終値を35円上回った。
6日朝発表の7月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想以上に増え、景気回復見通しが広がった。6日のNYダウ工業株30種平均は7月雇用統計が予想を上回り労働市場の順調な回復が証明されたため、寄り付きから上昇。強い景気回復に向けて投資家の楽観的な見方が強まり、ダウは終日堅調に推移し、史上最高値を更新して引けた。
ただ、ナスダック総合株価指数は反落し、日経平均先物が売られる場面もあった。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
6日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反発した。前日の終値に比べ2.52ポイント高の7122.95で引けた。上昇・下落銘柄数はほぼ拮抗した。日中を通して狭い範囲で推移し、方向感は出にくかった。
米雇用統計の堅調な内容を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期金融引き締め観測が強まり、ポンドやユーロが対ドルで下落したことなどが追い風となった。ただ、英国株は前日に続いてほとんど動きがなかった。
個別銘柄では、ロンドン証券取引所(LSE)グループが高かった。6日発表の上期決算が増益となったことを好感した。銀行株など金融株も買われた。欧米の長期金利が上昇し、利ざや改善を期待した買いが入った。銅相場の上昇を追い風に鉱業株や石油株も上げた。
半面、ヒクマ・ファーマシューティカルズが大幅安で引けた。他の医薬品銘柄にも売りが波及した。信用リスク管理サービス会社エクスペリアンが4.0%安と売り込まれた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
6日のドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日と比べて16.78ポイント(0.1%)高の1万5761.45だった。
6日午後に発表された米雇用統計の改善を好感した買いが欧州市場にも広がった。保険のアリアンツや医薬・農薬大手のバイエル、シーメンス・エナジーが高かった。自動車株も上げた。前日上昇した医薬・化学大手のメルクは、利益確定の売りで下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)6,816.96 +35.77
