26日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比140ドル90セント高の2万5657ドル73セントで終えた。
前週末に株安を引き起こした世界経済の先行き懸念が一服し、この日は続伸して寄り付いた。前週末の大幅安を受けた値頃感や日欧の株高を背景に、NYダウは一時280ドル近くまで上昇する場面もあった。この日は先週半ば以来軟調だった金融株を含め、全セクターが上昇した。
中でも原油相場の反発に支援され、エネルギー株に買いが集まった。
主要産油国による協調減産が続くとの見方に加え、ベネズエラで25日に今月2回目の大停電が発生し26日に原油の輸出港が操業を停止していると伝わり、原油先物相場が上昇。収益改善期待からエクソンモービルやシェブロンなど石油株が買われた。
米長期金利の低下が26日はひとまず一服した。利ざや悪化への警戒感から売りが続いていたゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が買われたのも指数押し上げにつながった。
工業製品・事務用品のスリーエム(3M)など中国への収益依存度が高い銘柄が買われた。ダウ平均の上げ幅は一時280ドル近くまで拡大した。
一方、半導体大手のクアルコムがアップル製スマートフォンの米国への輸入と販売の差し止めを米国際貿易委員会(ITC)などに申し立てていた問題で、ITCが26日に特許侵害を認め一部の「iPhone」の輸入禁止を勧めたと伝わった。アップルが売られダウ平均の上値を抑えた。
セクター別では、電気通信サービスや銀行が上昇する一方でテクノロジー・ハード・機器やヘルスケア機器・サービスが下落した。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、53.981ポイント高の7691.522で終えた。クアルコムが買われ、証券会社が「買い」で投資判断を始めた画像処理半導体(GPU)のエヌビディアなどが上げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,657.73+140.90
S&P500種
2,818.46+20.10
ナスダック
7,691.522+53.981
NY金(ドル/トロイオンス)
1,315.00-7.60
NY原油(ドル/バレル)
60.04+1.22
円・ドル
110.62 – 110.63+0.43
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。
6月物は前日比335円高の2万1270円で引け、26日の大取終値を120円上回った。
米長期金利の下げ一服や今週後半に再開する閣僚級の米中貿易協議への期待から米株とともに買われた。円安も支援材料になり、6月物は一時2万1345円まで上げた。
この日の6月物安値は2万0940円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21270 ( +120 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21290 ( +140 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7196.29(+18.71)
FTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日の終値に比べ18.71ポイント高の7196.29で引けた。投資家のリスク回避姿勢が後退し、世界的に株高が進んだことを追い風に買いが先行した。ただ、日経平均株価が大きく上昇する一方で、上げ幅は小幅にとどまった。構成銘柄の約7割が上昇した。
個別銘柄では、ネット専業スーパーのオカド・グループは4%超上がった。豪スーパー大手コールズとの提携で合意したことが好感された。アナリストが投資判断と株価目標を引き上げた鉱業のフレスニージョの値上がりも目立った。外食デリバリーサービスのジャスト・イートは3.8%高と買われた。
半面、銀行株は売られた。クルーズ運航のカーニバルは8%超の下落。燃料価格の上昇などを理由に通期の利益見通しを引き下げたことが嫌気された。建設資材のファーガソンも7%超下がった。同社は通期利益が市場予想の下限にとどまるとの見通しを示した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11419.48(+72.83)
ドイツ株式指数(DAX)は5営業日ぶりに反発した。終値は前日と比べて72.83ポイント高の11419.48だった。
個別では、オンライン決済サービスのワイヤーカードは26%上昇した。一時は31%高をつけた。外部の再調査で、会計不正疑惑の証拠は見つからなかったと発表したことが好感された。医療機器のフレゼニウスの値上がりも大きかった。
一方で、ハイデルベルクセメントと電力のRWEは下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5307.38(+46.74)
