30日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比137ドル65セント安の2万5986ドル92セントで終えた。
前日まで4営業日続伸したダウはこの日、いったん利益を確定する動きが優勢となり、序盤から幅広い銘柄に売りが出た。
また、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で米国とメキシコが大筋合意したことを受け、カナダを含めた3カ国が月内の最終合意に向け、詰めの調整に入っていることも様子見ムードを強めた。
トランプ米大統領が来週にも2000億ドル相当の中国製品に対する追加関税を発動する考えを示したと30日午後に伝わった。中国事業の比率が高い銘柄を中心に幅広い銘柄が売られた。建機のキャタピラーや航空機のボーイングが下げて、ダウ平均を押し下げた。
新興国経済を巡る不透明感も相場の重荷だった。アルゼンチンペソやトルコリラなど新興国通貨がドルに対して下落し、投資家が運用リスクを取りにくくなった。
一方、構成銘柄のアップルが9月にスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の新モデルを発表すると伝わり、アップル株が上昇。他のハイテク株にも買いが広がり、ダウは中盤にかけてやや下げ幅を縮小した。
ナスダック総合株価指数も5営業日ぶりに反落し、前日比21.324ポイント安の8088.363で終えた。アルファベット(グーグル)や半導体関連株などが売られた。アマゾン・ドット・コムやアップルが連日で上場来高値を更新し、下値は堅かった。
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や食品・生活必需品小売が上昇する一方で自動車・自動車部品や耐久消費財・アパレルが下落した。
個別では、ディスカウントストアのダラー・ツリー(DLTR)は、一部アナリストによる目標株価引き下げを受け急落した。ビデオゲームのエレクトロニック・アーツ(EA)は最新ゲームの発売延期を発表したほか、通期見通しを下方修正して大幅下落。クラウドベースの顧客管理ソフトなどのセールス・フォース(CRM)は、決算内容が嫌気され軟調推移。
一方で、携帯端末のアップル(AAPL)は、著名投資家バフェット氏が同社株を最近僅かに買い増したことインタビューで発言したほか、製品発表イベントが9月12日に開催することが明らかとなり、新型iPhoneへの期待から買われた。
ネット小売のアマゾン(AMZN)は株価が節目となる2000ドルを突破し、アップルに続く時価総額1兆ドル目前に迫っている。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,986.92-137.65
S&P500種
2,901.13-12.91
ナスダック
8,088.363-21.324
米10年債利回り(%)
2.8586 -0.023
米2年債利回り(%)
2.6533 -0.024
NY金(ドル/トロイオンス)
1,205.00-6.50
NY原油(ドル/バレル)
70.07-0.18
円・ドル
111.02 – 111.03-0.59
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反落した。
9月物は前日比240円安の2万2735円で引け、同日の大取終値を135円下回った。米中貿易摩擦の激化や新興国経済への警戒感が広がり、米株とともに売られた。
この日、トランプ米大統領は来週にも中国に対して追加関税を発動する考えだと米メディアが伝えた。
この日の9月物安値は2万2660円、安値は2万3135円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22735 ( -135 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22740 ( -130 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7516.03(-47.18)
FTSE100種総合株価指数は英通貨ポンド高を背景に続落した。
前日29日の終値に比べ47.18ポイント安の7516.03で引けた。
資源株や金融株、通信株が下げを主導した。株価は朝方から終日安値圏でのもみ合いだった。構成銘柄の約7割が下落した。
個別銘柄では、英通信大手ボーダフォンが3.1%安で下落率トップ。同業のBTも2.0%安と、通信株が軟調だった。バークレイズは1.7%安、HSBCホールディングスも1.4%安となるなど銀行株が軒並み下がった。
銅と金の価格安を背景に鉱業関連株も売られた。
フレスニージョの下げが目立った。英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる交渉で楽観的見方が広がりポンドが買われたことから、通貨高が業績に悪影響を与える多国籍企業銘柄が下落した。たばこ株と医薬品株、日用品のレキットベンキーザーや酒類のディアジオも安くなった。
半面、原油相場の上昇で石油株は上がった。ユナイテッド・ユーティリティーズ・グループなど公益企業株も買われた。ネット専業スーパーのオカド・グループとギャンブル事業のGVCホールディングスの上げも目立った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12494.24(-67.44)
ドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日29日と比べて67.44ポイント安の12494.24だった。中国の株安を受けて欧州各国の株式相場は下落した。
個別では、透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアと医療機器のフレゼニウス、素材メーカーのコベストロの値下がりが目立った。
一方で、タイヤのコンチネンタルと自動車のBMWは上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5478.06(-23.27)
