18日のNYダウ工業株30種平均は前日比1338ドル46セント安の1万9898ドル92セントと大幅に反落で終えた。節目の2万ドルを下回るのは2017年2月以来約3年1カ月ぶり。
新型コロナウイルスの感染拡大による米景気と企業業績の不透明感が根強く売りが膨らんだ。
ダウは前日、米当局による景気支援策への期待で、1048ドルと急伸していた。ただ、世界の感染者が累計20万人を突破し、感染拡大のピークが見えない中、この日のダウは、再びリスク回避姿勢が再燃した。ダウは取引開始から急反落し、中盤には相場安定化のために取引を一時中断する「サーキットブレーカー」が発動された。発動は今月に入り4回目となった。
ダウ平均の下げ幅は一時、2300ドルを超え、2月12日に付けた過去最高値(2万9551ドル)からの下げ幅が1万ドルを超えた場面があった。急激な株安で「ヘッジファンドや個人投資家が損失覚悟の手じまい売りを出し、売りが売りを呼ぶパニックに陥った」(との声があった。
18日正午ごろ、トランプ米政権は1兆ドル規模の経済対策の詳細として、家計への総額5000億ドルの現金給付や航空業界や中小企業などへの支援策を発表した。もっとも、新型コロナの感染拡大による経済活動の停滞が長期化するとの見方が根強く、発表後も売りが強まった。
ボーイングが2割超下げた。米政府と金融機関に対し600億ドル相当の資金支援を要請したことが17日夕に明らかになり、信用不安が高まった。
米原油先物相場が18年ぶりの安値に沈んだ。需要急減や主要産油国サウジアラビアとロシアの対立を背景に、代表的な指標である米国産標準油種WTIの清算値(終値に相当)は24.4%安の1バレル=20.37ドルとなった。この日は安全資産とされる米国債にも売りが広がった。投資家が最も安全性の高い資産である現金や、償還期限の短い債券に資金を移しているためとみられる。
18年ぶりの安値をつけ、収益不安からシェブロンやエクソンモービルなど石油株が急落した
航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど幅広い銘柄に売りが膨らんだ。
一方、日用品の買い占め需要が強まったのを受け、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスや小売りのウォルマートは上昇した。
ナスダック総合株価指数は前日比344.938ポイント安の6989.844と2019年1月以来の安値で終えた。スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなど主力ハイテク株が総じて下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
19,898.92-1,338.46
S&P500種
2,398.10-131.09
ナスダック
6,989.844-344.938
NY金(ドル/トロイオンス)
1,477.90-47.90
NY原油(ドル/バレル)
22.39-4.56
円・ドル
107.97 – 107.98+0.56
【シカゴ日本株先物概況】
18日のシカゴ日経平均先物は下げた。
6月物は前日比575円安の1万6530円で引け、18日の大取終値を20円上回った。新型コロナウイルスの感染拡大による世界景気の先行き不安が根強く、シカゴ日経平均先物は米株とともに売られた。
トランプ米政権は18日、5000億ドルの家計への現金給付を含める1兆ドルの経済政策案を明らかにしたが、反応は限られた。
この日の6月物安値は1万5995円、安値は1万7320円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
16530 ( +20 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
16735 ( +225 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
18日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ214.32ポイント(4.1%)安の5080.58で引けた。
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、世界景気や企業業績が大きく悪化するとの警戒感から売りが広がった。指数採用の100銘柄のうち79銘柄が値下がりした。
個別銘柄では、旅行・航空株が下げを主導。航空エンジンのロールス・ロイスや航空・防衛システムのメギット、格安航空会社(LCC)のイージージェットなどの下げが目立った。各国の入国規制で旅行需要が減退しており、航空業界の業績懸念が強まった。原油先物相場が急落するなか、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルやBPなど石油株も売られた。
一方、英小売大手セインズベリーは12.7%高、同業モリソンズは10.5%高、英資産運用大手シュローダーは9.1%高、英オンライン食品販売オカド・グループは8.7%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
18日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて497.39ポイント(5.6%)安の8441.71だった。新型コロナウイルス感染の終息が見えず、企業業績の下振れを警戒した売りが広がった。
個別では、半導体のインフィニオンテクノロジーズや重電のシーメンスなど、業績が世界景気の動向に左右されやすい銘柄の下げが目立った。ドイツ銀や保険のアリアンツなど金融株も値下がりした。
