NYダウ119ドル高、9日ぶり反発。原油相場の上昇を好感

22日のNYダウ工業株30種平均は9営業日ぶりに反発した。前日比119ドル19セント高の2万4580ドル89セントで終えた。
石油輸出国機構(OPEC)で協調減産が緩和されたものの、想定内の増産に留まったことで原油相場が上昇し、S&P500とダウが上昇。ダウ平均は前日までの8日続落で約860ドル下げていたため、押し目買いが入りやすかった面もある。
原油価格が急反発。原油高による収益改善への期待から、エクソンモービルやシェブロンなどのエネルギー株に買いが集まった。
 
米中貿易摩擦への警戒感から売られてきたボーイングやキャタピラーなど、中国売上比率が高い銘柄への売りも一服した。市場では「米中は摩擦回避に向けて交渉を続ける見込みと伝わり、内容を見極めたい」との声が聞かれた。過度な懸念がひとまず後退した。ダウ平均の上げ幅は一時200ドルを超えた。
しかし、米国と中国及び欧州連合(EU)との貿易摩擦への懸念が強まっており、上値は限られた
 
 
ナスダック総合株価指数は続落し、前日比20.134ポイント安の7692.818で終了した。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトなどの主力株に加え、エヌビディアなど半導体株が下げ指数を押し下げた。
 
セクター別では、エネルギーやメディアが上昇する一方で銀行や小売が下落した。
 
個別銘柄では、ソフトウェアのレッドハット(RHT)は、慎重な業績見通しが嫌気され、大幅下落。クラウド関連の不振が意識され、IT銘柄の売りにつながった。電気自動車のテスラ・モーターズ(TSLA)は、一部アナリストがサービス費用の増加による利益率の圧迫を指摘し、軟調推移となった。
オートバイのハーレーダビッドソンが大幅安。欧州連合(EU)が22日に発動した報復関税の対象となり売られた。
 
一方で、原油相場の上昇で、エネルギー会社のチェサピーク・エナジー(CHK)や深海油田開発のトランスオーシャン(RIG)などエネルギー銘柄が堅調推移。自動車販売のカーマックス(KMX)は決算内容が予想を上振れ、大幅上昇だった。
 
 
VIX指数は13.77と下落(前営業日14.64)。米国と欧州連合(EU)や中国との貿易摩擦への警戒感は払しょくできないものの、ダウ平均は、石油輸出国機構(OPEC)総会での増産が予想を下回りNY原油先物が上昇したことで堅調に推移した。
VIX指数は一時13.11まで下落した。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,580.89+119.19
S&P500種
2,754.88+5.12
ナスダック
7,692.818-20.134
 
米10年債利回り(%)
2.8949 -0.002
米2年債利回り(%)
2.5454 +0.004
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,270.70              +0.20
NY原油(ドル/バレル)   
69.28+3.74
円・ドル
109.96 – 109.97   -0.57

 


【シカゴ日本株先物概況】

日経平均先物は反発した。9月物は前日比110円高の2万2500円で引け、同日の大取終値を40円上回った。原油高を背景にダウ工業株30種平均が9営業日ぶりに反発し、相場を支えた。ただ、世界的な貿易摩擦による景気先行きへの警戒感は根強い。
この日の7月物高値は2万2590円、安値は2万2355円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22500 ( +40 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22540 ( +80 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は投資意欲の戻りを背景に資源株の主導で急反発。前日21日の終値に比べ125.83ポイント高の7682.27となり、1週間ぶりの高値水準で引けた。構成銘柄の9割が上昇した。
午後にかけて上げ幅を広げた。石油株が大幅上昇し、指数の上げをけん引した。
原油相場の大幅高を追い風に石油の石油輸出国機構(OPEC)は22日の総会で協調減産を一部緩和するとこで合意したが、増産幅が市場の予想より小幅だったために原油相場は上がった。
 
個別銘柄では、スイス資源大手グレンコアが4.2%高。ロイヤル・ダッチ・シェルとBPはそろって3%超高となり、大幅上昇して引けた。英長期金利の上昇を受けて利ざや改善を見込んだ買いで銀行株は高くなった。ファッションのバーバリー・グループは投資家の目標株価引き上げを手がかりに買われた。午前は売りに押されていた医薬品のグラクソ・スミスクラインは上げに転じた。
 
半面、飲料のコカ・コーラ・ヘレニック・ボトリングが安くなった。医薬品のシャイアーとアストラゼネカは下落した。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は反発。終値は前日21日と比べて67.81ポイント高の12579.72だった。
トランプ米大統領が欧州の自動車に追加関税を課す方針との報道を受けて一時下落する場面があったものの、原油高を背景に他の欧州株や米株が上昇し、ドイツ株も上げた。
 
個別では、医薬・農薬大手のバイエルと工業用ガスのリンデが高くなった。一方でBMWをはじめ自動車株は下落した。半導体のインフィニオンテクノロジーズの下げも目立った。

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,387.38+71.37        

 

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