NYダウ117ドル高、米中交渉の進展期待

13日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比117ドル51セント高の2万5543ドル27セントと昨年12月3日以来ほぼ2カ月ぶりの高値で終えた。
米中の貿易交渉の進展と米政府機関の再閉鎖回避への期待が続き、幅広い銘柄に買いが入った。
 
米中両政府は14、15両日、北京で閣僚級による貿易協議を開催する。11日から次官級協議が始まっており、現地入りしたムニューシン財務長官は記者団に「これまでのところ非常に順調だ」と説明。中国の習近平国家主席がムニューシン氏やライトハイザー通商代表部(USTR)代表らと15日に会談するとの報道も協議進展への期待を高め、ダウは一時200ドル高まで上昇した。
 
現行のつなぎ予算の期限が15日に切れる前に、トランプ米大統領が米与野党指導部が基本合意した新予算案に署名する可能性も引き続き意識されている。米政府閉鎖が回避できるとの観測も相場を支えた。
このほか、米労働省が朝方発表した1月の消費者物価指数(CPI)が前月比横ばいと低調だったことから、連邦準備制度理事会(FRB)が当面は政策金利を据え置くとの観測が強まったことも投資家の安心感につながった。
 
工業製品・事務用品のスリーエム(3M)や半導体のインテル、建機のキャタピラーなど中国の売上比率が高い銘柄の上げが目立った。ホームセンターのホーム・デポやIBMなども上昇した。
 
市場では「米中協議の最中は合意への期待感から買われやすい。合意が織り込み済みであれば、結果が出た時点で株価がどう動くかは分からない」(日系証券)と警戒する声も聞かれた。
 
セクター別では、エネルギーや消費者・サービスが上昇する一方でテクノロジー・ハード・機器や公益事業が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、前日比5.759ポイント高の7420.378と昨年12月3日以来、約2カ月ぶりの高値で終了した。アマゾン・ドット・コムが上昇したほか、エヌビディアやマイクロン・テクノロジーなど半導体株も買われた。一方、ネットフリックスやフェイスブックといった主力株の一角が売られ上値は重かった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,543.27+117.51
S&P500種
2,753.03+8.30
ナスダック
7,420.378+5.759
NY金(ドル/トロイオンス)
1,315.10+1.10
NY原油(ドル/バレル)
53.95+0.85
円・ドル
110.98 – 110.99+0.30

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は3日続伸した。
3月物は前日比175円高の2万1095円で終え、期近物の終値としては2018年12月18日以来、約2カ月ぶりに2万1000円を回復した。
大阪取引所の終値は65円下回った。米中貿易協議の進展期待や、米政府機関の閉鎖回避見通しを背景にした買いが続いた。
米メディアが13日にムニューシン米財務長官をはじめ、政府関係者による米中貿易交渉の順調な進展ぶりを示唆する発言を相次ぎ伝えた。

この日の3月物高値は2万1190円、安値は2万0900円。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
21095 ( -65 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
21105 ( -55 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7190.84(+57.70)
FTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日の終値に比べ57.70ポイント高の7190.84と、終値ベースで2018年10月上旬以来、約4カ月ぶりの高値で引けた。
米中貿易協議の進展期待が高まり、投資家に買い安心感が広がった。アジアや他の欧州、米国の株高も追い風となった。
指数構成銘柄全体の約8割が上昇。中国経済の影響を受けやすい資源株が相場をけん引した。
商品相場の上昇を背景に、資源株が買われた。
 
個別銘柄では、堅調な通期決算を発表した梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループは7%近く上昇。同業のDSスミスも4.5%高と大幅高となった。航空機エンジンのロールス・ロイスは3.1%高と買われた。アナリストによる投資評価の引き上げを受けて上がった。米中貿易に対する懸念の後退でアジア株が上昇し、アジアとの関連が深い銀行のHSBCホールディングスとファッションのバーバリー・グループも買われた。住宅建設株も高くなった。英同業のガリフォード・トライが発表した上期の増益が好感された。金融株も堅調だった。
 
半面、旅行のTUIは6%超下落した。アナリストが投資評価を引き下げたことが響いた。ネット専業スーパーのオカド・グループとスーパーマーケット株の値下がりも目立った。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11167.22(+41.14)
ドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日と比べて41.14ポイント(0.37%)高の11167.22だった。米中の貿易交渉が進展するとの期待が広がり、スペインを除く欧州各国の株式相場が上昇した。
 
個別では、タイヤのコンチネンタルとハイデルベルクセメント、自動車のダイムラーの値上がりが目立った。
一方で、複数のアナリストが株価目標を引き下げた鉄鋼のティッセン・クルップは大幅安となった。オンライン決済サービスのワイヤーカードの値下がりも大きくなった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5074.27(+17.92)
フランスの株価指数CAC40は上昇した。
 
 
 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次