NYダウ106ドル安と反落、コロナ感染拡大を警戒

 
9日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前週末比106ドル66セント(0.3%)安の3万5101ドル85セントで終えた。中国など世界的な新型コロナウイルスの感染拡大を受け、景気の不透明感を嫌気した売りが優勢だった。ダウ平均は前週末に過去最高値を付けた後とあって短期的な利益確定の売りも出やすかった。
 
新型コロナウイルスの変異株で感染力が強いデルタ株が世界的に流行し、中国では感染拡大を阻止するための制限措置が導入される中、景気の先行きをめぐり悲観的な見方が強まった。
また、7月の中国貿易統計で輸出入の伸びが市場予想を下回り、エネルギー需要見通しが悪化。原油相場が値を下げる中、エネルギー株が売られた。前週末に発表された堅調な米雇用統計を受けてダウは史上最高値を更新していたため、利益確定の売りにも押されやすかった。
 
ゴールドマン・サックスは8日付リポートでデルタ型のまん延による行動規制に伴い、2021年7~9月期の中国の実質国内総生産(GDP)の伸び率を大幅に下方修正した。年間の成長率予想も引き下げた。
 
市場では景気敏感株が売られ、化学のダウと工業製品・事務用品のスリーエムが下落した。米原油先物相場が下落し、石油のシェブロンも売られた。一方、米長期金利の上昇に伴う利ざや改善期待から金融のゴールドマン・サックスが買われた。ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスなど小売株も堅調だった。
 
ただ、米経済の回復を期待した買いが入り、相場の下値は堅かった。米労働省が発表した6月の雇用動態調査(JOLTS)の非農業部門の求人件数は4カ月連続で過去最高を更新した。採用数も増加し「今後半年間にわたって大きく雇用改善が進む」との声があった。
 
ナスダック総合株価指数は反発し、前週末比24.415ポイント高の1万4860.177で終えた。アナリストが投資判断を引き上げた電気自動車のテスラが2%超上昇した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
35,101.85-106.66
S&P500種
4,432.35-4.17
ナスダック
14,860.177+24.415
NY金(ドル/トロイオンス)
1,726.50-36.60
NY原油(ドル/バレル)
66.85-1.43
円・ドル
110.32 – 110.34+0.61
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

9日のシカゴ日経平均先物は小幅に続伸した。
9月物は前週末比15円高の2万7890円で引け、6日の大取終値を50円上回った。円安に加え、9日の米株式市場でNYダウは、景気回復が損なわれるとの懸念に、寄り付き後、下落した。ナスダック総合株価指数が反発し、買われた。6日発表の米雇用統計に続き、9日発表の6月の米求人件数が雇用の強さを示した。一方で新型コロナウイルスの感染拡大による世界景気の先行き警戒感も強く、上値は重かった。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
27890 ( +50 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27910 ( +70 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7132.30(+9.35)
9日のFTSE100種総合株価指数は小幅続伸した。前週末の終値に比べ9.35ポイント高の7132.30だった。材料に乏しく、閑散商いの中、買いが先行した。指数構成銘柄では、上昇と下落がほぼ半数となった。
引けにかけて上昇に転じた。午後に時価総額の大きい医薬品株と鉱業株が買われ相場を押し上げた。
個別銘柄では、銀行株や食品・日用品のユニリーバも上げた。電力のSSEが高かった。
金融サービスのハーグリーブス・ランズダウンが11%超安と大幅に下落した。早朝に発表された決算内容が市場予想に届かず、失望売りが広がった。アナリストが目標株価を引き下げたことも響いた。原油安で石油株も売られた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15745.41(-16.04)
9日のドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに小幅反落した。終値は前週末と比べて16.04ポイント安の1万5745.41だった。上昇が続いた反動で売りが優勢となった。
 
前週末に上昇した自動車株は利益確定の売りで下落した。
個別では、料理宅配大手のデリバリーヒーローの下げが目立った。一方、医薬・化学大手のメルクは買われた。アナリストによる目標株価の引き上げが材料になった。電力のRWEなどエネルギー株も上げた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6813.18(-3.78)
 

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