4日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比103ドル61セント（0.3%）高の3万4921ドル88セントで終えた。米連邦準備理事会（FRB）の積極的な金融引き締めへの警戒はくすぶっているが、成長性が高く、相対的に景気の影響を受けにくいハイテク株に値ごろ感からの買いが入った。新たな四半期に入り、期初に新規の投資資金が流入するとの期待も相場を支えた。
ウクライナの首都キーウ（キエフ）近郊でロシア軍に殺害されたとみられる民間人の遺体が多く見つかり、ロシアに追加制裁が導入されるとの見方が強まった。世界経済に及ぼす影響への警戒感が広がる中、ダウ平均は午前には200ドルあまり下げる場面があった。
ロシア軍による民間人虐殺の疑いが強まり、欧州連合（EU）がロシアへの経済制裁の強化を検討していると伝わった。エネルギーの禁輸がガソリン高につながるリスクが意識された。
だが、この日はアップル、マイクロソフトなどのハイテク株に買いが集まる中、ダウは徐々に強含む展開。金融政策の手掛かりを探る上で今週発表の米連邦公開市場委員会（FOMC）議事要旨を見極めたいとのムードも広がったものの、ダウ平均は取引終盤堅調な値動きとなった。
1～3月期は長期金利が急上昇し、相対的な割高感からハイテクなど高PER（株価収益率）銘柄の下げが目立った。新たな四半期に入り、ハイテク株に見直し買いが広がった。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが3%高、スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトは2%高で終えた。
ダウ平均の構成銘柄以外では短文投稿サイトのツイッターが27%高で終えた。電気自動車のテスラのイーロン・マスク最高経営責任者（CEO）が株式を大量取得し、経営に関与する可能性をはやした買いが入った。ツイッター株の急騰もハイテク株買いを後押しした面がある。
このところ下げが目立った消費関連株も買い直され、ホームセンターのホーム・デポや映画・娯楽のウォルト・ディズニーが上昇した。
一方、前週まで買われていたディフェンシブ株は利益確定売りに押される銘柄が多かった。FRBが利上げに動く中でも米企業業績への強気の見方は崩れておらず、投資家が業種間で資金を移す動きが中心だった。
ナスダック総合株価指数は大幅続伸し、前週末比271.054ポイント高の1万4532.554で終えた。電気自動車のテスラが6%上昇した。動画配信のネットフリックスは5%高、交流サイトのメタプラットフォームズも4%高で終えた。
NYダウ工業株30種（ドル）
34,921.88＋103.61
S&P500種
4,582.64＋36.78
ナスダック
14,532.554＋271.054
FTウィルシャー5000
46,821.09＋380.28
NY金（ドル/トロイオンス）
1,934.00＋10.30
NY原油（ドル/バレル）
104.45＋1.17
円・ドル
122.75 – 122.78＋0.10
【シカゴ日本株先物概況】
4日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前週末比205円高の2万8000円で引け、4日の大取終値を210円上回った。
4日の米株式市場で長短金利差の逆転が続き、将来の景気後退懸念が続いたほか、ウクライナ情勢の混迷も続いたものの、第1四半期に大きく下落したハイテク株を中心に買われ、日経平均先物を支えた。ウクライナ情勢を巡り、ロシアへの経済制裁の強化を警戒する売りが出る場面もあった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28000 ( +210 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28040 ( +250 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7558．92（＋21．02）
4日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前週末に比べ21.02ポイント（0.28%）高の7558.92で引けた。前週末に売られていた消費者サービスや資本財が値ごろ感から買い直された。
FTSEでは、指数構成銘柄の約7割が上昇した。産業用ソフトウエアのアベバグループ（4．0％高）や賭け屋大手フラッター・エンターテインメント（3．9％高）が買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14518．16（＋71．68）
4日のドイツ株価指数（DAX）は続伸し、前週末比71.68ポイント（0.5%）高の1万4518.16で終えた。4日の米株式市場でナスダック総合株価指数が上昇し、投資家心理が明るくなった。ハイテク株や自動車株が買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6731．37（＋47．06）
フランスCAC40種指数は0．70％高だった。薄商いの中で買いが優勢となった。
