16日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸した。前週末比100ドル51セント(0.4%)高の2万8235ドル89セントで終え、11月下旬以来となる過去最高値を更新した。
米中両政府は13日、貿易協議の「第1段階」で正式合意したと発表した。米国は15日に予定していた新たな制裁関税の発動を見送るとともに、発動済み追加関税の一部を引き下げる。市場では、二大経済大国による貿易摩擦の緩和が世界経済にプラスになるとの見方が広がり、エネルギーやハイテク、金融など幅広い銘柄に買いが入った。
中国国家統計局が16日発表の中国の11月の工業生産高や小売売上高が市場予想以上に改善したのも買い安心感につながった。中国の生産・販売比率が高いアップルやスポーツ用品のナイキが上場来高値を更新した。中国売上高が大きい化学のダウや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)も上昇した。
米債券市場では相対的に安全資産とされる米長期債が売られ、長期金利が上昇した。貸出利ざやの改善期待からゴールドマン・サックスなど金融株が買われた。
一方、航空機のボーイングは4%強下げ、ダウ平均の重荷となった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが2度の墜落事故を起こした小型機「737MAX」の生産停止や減産の可能性を報じた。
セクター別では、セクター別では、資本財を除いて全面高となり、特にテクノロジー・ハード・機器やエネルギーの上昇が目立った。
ナスダック総合株価指数は79.348ポイント高の8814.227、多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は22.65ポイント高の3191.45で終えた。ともに3営業日連続で過去最高値を更新した。
ナスダック市場ではフェイスブックやアルファベットなど大型ハイテク株が総じて上昇。メモリー市況の回復期待から、半導体のウエスタンデジタルとマイクロン・テクノロジーが大幅高となり、半導体株全般に買いが波及した。
NYダウ工業株30種(ドル)
28,235.89+100.51
S&P500種
3,191.45+22.65
ナスダック
8,814.227+79.348
NY金(ドル/トロイオンス)
1,481.20+8.90
NY原油(ドル/バレル)
60.22+0.15
円・ドル
109.54 – 109.55+0.14
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸した。
3月物終値は、前週末比170円高の2万4070円で引けた。大阪取引所の終値は130円上回った。
前週に米中両国が第一段階の合意に達したことを受けて、先行き不透明感が後退し買いが先行。投資家心理の改善により、終日堅調推移となった。
米国が15日に発動を予定していた中国への追加関税を見送ったことも好感され、米株が上昇。日本株先物も買われた。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
24070 ( +130 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
24105 ( +165 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7519.05(+165.61)
FTSE100種総合株価指数は大幅に4日続伸した。前週末の終値に比べ165.61ポイント(2.25%)高の7519.05と8月上旬以来、約4カ月ぶりの高値(終値ベース)で引けた。下落したのは3銘柄だった。
前週の英総選挙で保守党が圧勝し、英国の来年1月末の欧州連合(EU)離脱が決定的になったことを受け、引き続き投資家の買い安心感が広がった。米中貿易協議の第1段階合意も追い風となり、米国株の史上最高値更新を眺めて一段高となった。
個別銘柄では、銀行株や資源株、医薬品株を中心に幅広い銘柄に買いが広がるなか、ファイナンシャル・サービスのハーグリーブス・ランズダウン6.1%高で上昇率トップ。銀行のバークレイズ5.5%高と上げが目立った。ロイズ・バンキング・グループ4.5%高、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)3.7%高など銀行株が軒並み堅調だった。
半面、下落したのはアナリストが目標株価を引き下げた教育事業のピアソンと、投資関連のM&G、不動産開発のランド・セキュリティーズだけとなった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13407.66(+124.94)
ドイツ株式指数(DAX)は4日続伸した。終値は前週末と比べて124.94ポイント(0.94%)高の13407.66と、2018年1月下旬以来、約1年11カ月ぶりの高値(終値ベース)だった。
前週末に引き続き、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる先行き不透明感の後退や、米中貿易協議の進展を期待した買いが続いた。16日の米株式相場が大幅上昇して始まったことも追い風になった。
個別では、ドイツ銀行やオンライン決済サービスのワイヤーカードを筆頭にほぼ全銘柄が上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5991.66(+72.64)
欧州各国の株式相場も大幅上昇し、軒並み年初来高値を更新した。フランスの株価指数CAC40の終値は07年7月下旬以来12年ぶりの高値(終値ベース)となった。
