13日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比100ドル69セント安の2万5286ドル49セントで終えた。
前日に急落したアップルが一時持ち直し、相場を下支えした。
また、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は12日、ムニューシン米財務長官と中国の劉鶴副首相が9日、貿易問題について電話で会談したと報道。13日朝にはクドロー米国家経済会議(NEC)委員長がCNBCテレビのインタビューで、会談の事実を認めるとともに、米中両政府が「あらゆるレベル」で協議していると述べた。両国の歩み寄りへの期待感から貿易関連株を中心に買いが入り、ダウは午前中に一時187ドル高まで上昇した。
一方、世界的な供給過剰懸念が広がる中、米ニューヨーク原油先物相場が12日続落し、期近物は約1年ぶりの安値を付けた。業績への影響を懸念してエクソンモービルやシェブロンなどの石油株に売りが膨らみ、ダウはマイナス圏に転落。午後にかけて下げ幅を拡大した。
さらに、航空機のボーイングが2%下げ、1銘柄でダウ平均を50ドルあまり押し下げた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が12日夜、最新の飛行制御システムの潜在的な危険性を航空会社などに周知していなかったと報じ、嫌気された。前日のダウ平均の急落の引き金となったアップルやゴールドマン・サックスへの売りも続き、相場全体を下押しした。
セクター別では、半導体・半導体製造装置や運輸が上昇する一方でエネルギーや電気通信サービスが下落した。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに小反発し、前日比0.006ポイント高の7200.875で終えた。アップルにつれて前日に下げた反動で、大型のハイテク株が総じて堅調だった。アナリストが投資判断を引き上げたと伝わったエヌビディアが大幅に上げた。
個別では、原油相場の下落で、石油のマラソン・オイル(MRO)や深海油田開発のトランスオーシャン(RIG)などエネルギー銘柄が軟調推移。食肉メーカーのタイソンフーズ(TSN)は、決算内容が予想を下振れ下落した。
一方で、自動車部品小売のアドバンス・オート・パーツ(AAP)は、通期見通しを引き上げ大幅上昇。複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)は、傘下のベーカーヒューズ(BHI)の持株の一部売却を発表し堅調推移となった。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,286.49-100.69
S&P500種
2,722.18-4.04
ナスダック
7,200.875+0.006
NY金(ドル/トロイオンス)
1,203.50-5.10
NY原油(ドル/バレル)
55.26-4.67
円・ドル
113.81 – 113.82-0.25
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅ながら4日続落した。
12月物は前日比5円安の2万1770円で終え、大阪取引所の終値を10円上回った。原油安が止まらず一時約1年ぶりの安値を付けたため、投資家心理が悪化した。前日に急落したNYダウ工業株30種平均は米中貿易協議の進展期待などを材料に反発して始まったものの、その後下げた。
12月物の安値は2万1475円、高値は2万1965円だった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21770 ( +10 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21785 ( +25 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7053.76(+0.68)
FTSE100種総合株価指数は、ほぼ横ばいで取引を終えた。
前日12日の終値に比べ0.68ポイント高の7053.76で引けた。構成銘柄の約6割が上昇した。
個別銘柄では、決算銘柄の上げが目立った。携帯電話サービスのボーダフォン・グループは、7.8%高と急上昇。通期の増益(税引き前)見通しを示したほか、新しい経営戦略の効果を期待した買いが入った。投資会社のメルローズ・インダストリーズも決算内容が好感され、7.4%高と大幅に上げたほか、信用調査のエクスペリアンも高かった。銀行株をはじめ金融株も堅調だった。
一方、前日に引き続き時価総額の大きいたばこ株が下落。英たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコは4.3%安だった。エネルギー関連サービスのウッド・グループや公益株も売られた。
アナリストが目標株価を引き下げ、株価の先安観が意識された。小売りのマークス・アンド・スペンサー(M&S)や衣料小売りと食品事業のアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズなど消費関連株も売りが先行した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11472.22(+146.78)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅に反発した。終値は前日12日と比べて146.78ポイント(1.3%)高の11472.22だった。
前日売られたハイテク株が買い戻された。
個別銘柄では、半導体のインフィニオンテクノロジーズは大きく上げた。
一方で医薬・農薬大手のバイエルと工業用ガスのリンデの下げが目立った。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5101.85(+42.76)
