18日のNYダウ工業株30種平均は小幅に反落し、前日比10ドル55セント安の3万3976ドル63セントで終えた。決算発表を受け、金融のゴールドマン・サックスと医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソンが下落し、指数を押し下げた。個別で値動きが出る銘柄はあったものの、相場全体の方向感は乏しかった。
ダウ平均は下げて始まった。
米金融大手ゴールドマン・サックスがこの日発表した1~3月期決算では、市場環境の悪化を背景に、主力の投資銀行業務の不振が続き、減収減益。ソロモン最高経営責任者(CEO)は「景気の先行きへの警戒を続ける」と悲観的な見方を示した。
一方、医薬品・健康関連用品大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も1~3月期決算を発表した。ロイター通信によると、インフレによるコスト増が今後も重荷になるとの見方を示した。
米企業の決算発表が本格化する中、「今年後半には景気後退が見込まれ、企業業績はさらに悪化する」との警戒感が強く、投資家はリスク回避姿勢を強めている。
ハイテク株は上昇して始まったものの、その後は売りが強まり、マイナス圏での取引が続いた。
主力小型機の増産計画に変更がないと伝わった航空機のボーイングは上昇した。ただ、ダウ平均の構成する30銘柄のうち、上昇と下落がいずれも15となった。「主力企業の決算が出そろうのを待ちたいとの投資家が多く、相場は方向感が定まらなかった」との声が聞かれた。
アトランタ連銀のボスティック総裁は18日、米CNBCの番組で米連邦準備理事会(FRB)の利上げはあと1回想定していると述べた。ただ、発言に新味がないうえ、市場の関心が決算に向かっているため、材料視されにくかった。
ナスダック総合株価指数は小幅に反落した。前日比4.312ポイント安の1万2153.412で終えた。アナリストが投資判断を引き上げた半導体のエヌビディアが上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
18日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比65円高の2万8655円で終えた。NYダウは、米金融大手ゴールドマン・サックスの業績低迷などが重荷となる中、ほぼ横ばいだった。同日の日本株が上昇し、日経平均先物にも買いが波及した。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28655 ( +5 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28690 ( +40 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7909.44(+29.93)
18日のFTSE100種総合株価指数は8日続伸した。前日に比べ29.93ポイント(0.38%)高の7909.44と、3月8日以来約1カ月ぶりの高値で終えた。指数の8日続伸は、2020年12月以来。アルミニウムやニッケル、スズなど非鉄金属相場が大幅に上昇しており、資源関連銘柄が買われた。金融引き締め継続によるグローバルな景気不透明感が強いなか、医薬品や食品小売りなどディフェンシブ銘柄にも買いが入った。
個別では、賭け屋大手エンテインが7.2%高と急伸。鉱業大手アングロ・アメリカンが3.3%高、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが3.2%高で続いた。一方、学生向け住宅の開発・運営を手掛けるユナイト・グループは2.2%安、製薬大手GSKは1.8%安、通信大手エアテル・アフリカも1.3%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15882.67(+93.14)
18日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前日に比べ93.14ポイント(0.59%)高の1万5882.67と、2022年1月以来1年3カ月ぶりの高値で終えた。中国の1~3月の実質国内総生産(GDP)成長率が市場予想を上回り、新型コロナウイルス禍からの回復が順調に進んでいるとの見方が投資家心理を明るくした。資本財や化学、自動車や小売りなど幅広いセクターに買いが広がった。
個別では、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズが3.5%高、コメルツ銀行が3.4%高、化学品商社ブレンタークが2.9%高。半面、エネルギー大手シーメンス・エナジーは1.1%安、医薬大手メルクは1.0%安、分子診断大手キアゲンは0.9%安と売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7533.63(+35.45)
フランスCAC40種指数は0.47%高だった。
