14日のNYダウ工業株30種平均は横ばいとなり、前週末比1ドル05セント高の3万2945ドル24セントで終えた。15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて米長期金利が2019年7月以来の水準に上昇し、相対的な割高感からハイテク株に売りが出た。半面、原油先物相場が大幅に下落し、ガソリン高が消費減退につながるとの警戒感が薄れたのは株式相場を下支えした。
米連邦準備制度理事会(FRB)は15~16日に予定されているFOMCで、事実上のゼロ金利を解除し、利上げに踏み切る見通し。さらにFOMC後には、参加者の政策金利見通しなどを公表する。インフレ圧力の高まりを受け、2022年の複数回利上げ想定が示されるとみられている。
債券市場では長期金利が上昇。10年物国債利回りは一時2.14%となり、2019年7月以来2年8カ月ぶりの高水準を付けた。株式市場では、PER(株価収益率)が高いハイテク株への売りが強まり上値を抑えた。スマートフォンのアップルや顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムの下げが目立った。
一方、原油相場の下落は株式相場の支えだった。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物の期近4月物は一時、2週間ぶりに1バレル100ドルを下回った。消費関連株が買われ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスと同業のビザが上昇。小売りのウォルマートも買われた。
原油安を好感しダウ平均は午前中は451ドル高まで上昇する場面があった。買い一巡後は長期金利上昇が嫌気され、午後には一時126ドル安まで下げるなど不安定な相場展開だった。
ナスダック総合株価指数は大幅に3日続落し、前週末比262.588ポイント(2.0%)安の1万2581.220で終えた。電気自動車のテスラやネット通販のアマゾン・ドット・コム、半導体のエヌビディアの下げが目立った。
NYダウ工業株30種(ドル)
32,945.24+1.05
S&P500種
4,173.11-31.20
ナスダック
12,581.220-262.588
FTウィルシャー5000
42,559.60-407.02
NY金(ドル/トロイオンス)
1,960.80-24.20
NY原油(ドル/バレル)
102.50-0.51
円・ドル
118.25 – 118.27+0.53
【シカゴ日本株先物概況】
14日のシカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前週末比135円高の2万5040円で引け、14日の大取終値を10円下回った。
朝方の市場で原油安を手掛かりに買いが先行した。その後は、米株式市場で連邦準備制度理事会(FRB)による連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを警戒し長期金利の上昇を嫌気しハイテク株が売られ、日経平均先物も上げ幅を縮めた。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
25040 ( -10 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
25095 ( +45 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7193.47(+37.83)
14日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前週末に比べ37.83ポイント(0.53%)高の7193.47で引けた。ウクライナとロシアとの停戦交渉に向けた進展への期待が強いなか、英景気への過度な懸念が和らいだ。銀行株や資本財への買いが目立った。
FTSEは指数構成銘柄の8割近くが買われた。英金融大手バークレイズ(5.5%高)、同ロイズ・バンキング・グループ(5.0%高)など銀行株が堅調だった。一方、資源大手グレンコア(5.8%安)や同アングロ・アメリカン(5.2%安)がさえなかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13929.11(+301.00)
14日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前週末比301.00ポイント(2.21%)高の1万3929.11で終えた。ウクライナとロシアとの停戦交渉が継続する見通しとなり、協議進展への期待が買い安心感につながった。ドイツ銀行が8%の大幅高だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6369.94(+109.69)
フランスCAC40種指数は1.75%高となった。
ロシアとウクライナの停戦交渉再開への期待感が広がった。ウクライナ情勢をめぐって前週に売られた分の買い戻しも入った。金融株の堅調ぶりが目立った。フランス金融大手BNPパリバが4.0%高と締まった。
