21日のNYダウ工業株30種平均は小幅ながら3日続落し、前日比95セント安の2万4464ドル69セントで終えた。
前日までの2日間で900ドル超下げたダウ平均はこの日の序盤、値頃感の出た銘柄への買い戻しが優勢となった。業績不安から売り込まれていたハイテク株をはじめ、幅広い銘柄が買われた。前日に1年1カ月ぶりの安値を付けた原油先物価格が持ち直したことも、相場を支援した。
また、朝方発表された耐久財受注やミシガン大の消費者景況感指数といった主要な米経済指標の多くがさえない内容だったことで、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペースが鈍化するとの観測が浮上。金利上昇による業績悪化への懸念が後退し、買い安心感につながった。
前日にかけて売り込まれた主要ハイテク株の一角や石油株、金融株などが買われた。ダウ平均は200ドルあまり上げる場面があった。
引けにかけて急速に伸び悩み、下げに転じた。感謝祭の祝日を控えて市場参加者が買い持ち高を手じまった。不安定な相場が続いて市場心理が冷えこんでいるうえ、世界景気の減速懸念や米中貿易交渉を巡る不透明感も相場の重荷だった。
朝方にアップルは2%高、ボーイングは3%高を付ける場面があったが、戻り売りに押され結局は小幅安で引けた。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が3%安で終えるなどディフェンシブ銘柄への売りも目立った。
セクター別では、耐久消費財・アパレルやエネルギーが上昇する一方で、公益事業や食品・飲料・タバコが下落。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、同63.428ポイント高の6972.251で終えた。フェイスブックやアルファベット(グーグル)、アマゾン・ドット・コムなどが買い直された。
個別では、SNSのフェイスブック(FB)はザッカーバーグCEOが、メディアのインタビューで会長職を辞任する意向はなく、サンドバーグCOOへの信頼も表明し上昇した。スニーカー小売のフットロッカー(FL)や、CADソフトウェアのオートデスク(ADSK)は好決算を発表して上昇。農業機械のディア(DE)も増収増益となる決算を発表して堅調推移となった。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,464.69-0.95
S&P500種
2,649.93+8.04
ナスダック
6,972.251+63.428
NY金(ドル/トロイオンス)
1,221.20-4.10
NY原油(ドル/バレル)
54.64+1.21
円・ドル
113.03 – 113.04+0.17
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は4営業日ぶりに反発した。
12月物は前日比430円高の2万1650円で引け、21日の大取終値を130円上回った。前日まで大幅続落した米株が反発して始まり、日経平均先物も買いが先行した。
引けにかけてダウ工業株30種平均が値を消したものの、日経平均先物はこの日の高値寄りで引けた。
12月物高値は2万1750円、安値は2万1170円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21650 ( +130 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21655 ( +135 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7050.23(+102.31)
FTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに大幅に反発した。前日の終値に比べ102.31ポイント高の7050.23で引けた。構成銘柄の約9割が上昇した。
株価は朝からプラス圏で推移し、引けにかけてじり高となった。石油株と銀行株の値上がりが株価指数の上昇に大きく寄与した。個別では、決算発表や業績見通しが明暗を分けた。
個別銘柄では、上期決算を発表した鉱業・化学のジョンソン・マッセイは13%高。通期の業績見通しを引き上げたことが好感された。原油相場の上昇を背景に、石油株も高くなった。総合ヘルスケアのNMCヘルスも8%近く上がった。JPモルガンが今後の力強い成長期待を理由に投資判断を引き上げたことが買い材料となった。
梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループは5.4%高と大幅高だった。通期決算を発表したソフトウエア開発のセージ・グループは大幅安で始まったものの、その後徐々に買い戻され、上昇に転じて引けた。
半面、医薬品株は売られた。小売りのキングフィッシャーは3%安。第3四半期の売上高が市場予想を下回ったほか、アナリストが株価目標を引き下げたことなどが響いた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11244.17(+177.76)
ドイツ株式指数(DAX)は6営業日ぶりに反発した。終値は前日と比べて177.76ポイント高の11244.17だった。最近の下げの反動で、欧州各国の株式相場がそろって上昇した。
個別では、前日に急落した素材メーカーのコベストロはこの日買い戻され、5%超上がった。半導体のインフィニオンテクノロジーズは、米国の同業が買われるなか大幅高となった。自動車のフォルクスワーゲンの上げも大きくなった。
一方で、下落したのは医療機器のフレゼニウスとドイツポスト、電力のエーオンの3銘柄だけだった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4975.50(+50.61)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて約1%上昇した。
