NYダウ 22ドル高、4営業日ぶりに反発 ハイテク株には売り

5日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比22ドル51セント高の2万5974ドル99セントで終えた。
 
この日のNYダウは安寄りスタート。トランプ米政権は、今週にも2000億ドル相当の中国産品に追加関税を発動させる意向と報じられており、米中の対立激化懸念が相場の重しとなった。
その後、カナダのフリーランド外相が、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉をめぐり米国と「建設的な」協議を続けていると発言したことを受け、交渉の先行き不透明感が後退。ダウはプラス圏に転じたものの、買いの勢いは続かず、終盤まで前日終値を挟んで小動きに推移した。
 
ハイテク株が売られた半面、出遅れていた資本財や食品・医薬品株などが買われて相場を下支えした。
建機のキャタピラーはアナリストが投資判断を「買い」で調査を再開し、買いを誘った。日用品・医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)や工業製品・事務用品のスリーエム(3M)も上昇が目立ち、ダウ平均を押し上げた。
 
ナスダック総合株価指数は続落し、前日比96.073ポイント安の7995.173で終えた。SNS(交流サイト)の選挙への影響を巡り経営幹部が米議会証言に臨んだツイッターやフェイスブックが売られ、IT(情報技術)関連全般に売りが広がった。
 
セクター別では、食品・飲料・タバコや公益事業が上昇する一方でソフトウェア・サービスや小売が下落した。
 
セッションズ米司法長官が、ハイテク大手が公正な競争を阻害していないか近く調査する考えだと5日に伝わった。政府規制の強化を警戒した売りも出たようだ。アップルは10営業日ぶり、アマゾン・ドット・コムが8営業日ぶりに下落。動画配信のネットフリックスは6%下げた。
 
個別では、ツイッターやフェイスブックだけでなく、検索大手のアルファベット(GOOGL)、ソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)、ネット小売のアマゾン(AMZN)、動画ストリーミングのネットフリックス(NFLX)など、これまで相場の牽引役となっていた大手ハイテク銘柄が軒並み売られた。中国電子商取引のJDドットコム(JD)は、CEOが性的暴行容疑で逮捕され大幅下落。クラウドアプリケーションを手掛けるワークデイ(WDAY)は、決算内容が予想を下振れ大幅下落。複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)は、UBSによる目標株価引き下げを受け売られた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,974.99+22.51
S&P500種
2,888.60-8.12
ナスダック
7,995.173-96.073
NY金(ドル/トロイオンス)
1,201.30+2.20   
 
米10年債利回り(%)
2.904 +0.002
米2年債利回り(%)
2.6533 -0.004
 
NY原油(ドル/バレル)
68.65-0.07
円・ドル
111.50 – 111.51+0.05

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
シカゴ日経平均先物は続落した。
9月物は前日比180円安の2万2530円で引け、同日の大取終値を30円下回った。
米ハイテク株安に加え、米国と中国・カナダとの貿易交渉の先行き警戒感が広がり、上値の重い展開になった。
この日の9月物安値は2万2485円、高値は2万2740円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22530 ( -30 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22530 ( -30 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7383.28(-74.58)
FTSE100種総合株価指数は新興市場をめぐる懸念を背景にリスク回避の動きが広がり、株価は続落した。前日4日の終値に比べ74.58ポイント安の7383.28と、終値ベースで4月下旬以来の安値で引けた。構成銘柄の約8割が下落した。
 
米国発の世界的な貿易摩擦への警戒感に加え、新興国経済の先行き懸念もリスク資産への買い意欲を弱め、朝方から売りが広がった。午後にポンドが急伸すると、通貨高で悪影響を受けるとみられる多国籍企業銘柄を中心に売りが強まり、英国株は下げ幅を広げた。石油株と医薬品株の値下がりが株価指数を押し下げた。
 
個別銘柄では、ロイヤル・ダッチ・シェルは、米モルガン・スタンレーによる株価目標の引き下げも響いた。グローバルに事業を展開する医薬品株とたばこ株も下落した。前日に引き続き広告のWPPグループは4.1%安とこの日も大幅安となった。ファッションのバーバリー・グループは3.8%安と飲料のコカ・コーラ・ヘレニック・ボトリングは3.6%安など下げが目立った。
 
半面、住宅建設株は上昇した。バークリー・グループは5日に5~8月のロンドンと南東部の住宅価格と需要が引き続き堅調だと指摘した。通期決算で増益を発表したバラット・ディベロップメンツの上げも大きくなった。新たに54の支店閉鎖と258人の人員削減を発表した銀行のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の値上がりも目立った。郵便大手のロイヤル・メールも1.9%高と買われた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12040.46(-169.75)
ドイツ株式指数(DAX)は5日続落した。終値は前日4日と比べて169.75ポイント安の12040.46と、終値ベースで4月上旬以来の安値で引けた。貿易摩擦が激しくなるとの懸念に加え、新興国経済の先行き懸念で欧州各国の株式相場が下落した。
 
ドイツでは、電力のRWEとITのSAP、半導体のインフィニオンテクノロジーズが下落した。上昇したのは、コメルツ銀行とドイツ銀行、不動産のボノビア、自動車のダイムラーの4銘柄だけだった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5260.22(-82.48)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて1%以上下落し、終値ベースで4月上旬以来の安値で引けた。

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