11日のNYダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反落し、前日比14ドル17セント安の2万6048ドル51セントで終えた。
この日は中国による新たな景気刺激の動きを好感し、続伸して寄り付いた。中国国営メディアは、中国国務院(内閣)が地方政府に対し、特別債で調達した資金をインフラ投資などに充てるよう求めたと報道。トランプ米政権が前週末に発表した対メキシコ関税の発動見送りや、米利下げ期待を背景としたリスク選好意欲の高まりも引き続き株価を支え、建機のキャタピラーなど中国売上高比率の高い銘柄を中心に買われダウは一時180ドル超上昇した。
ただ、買いの勢いは長く続かず、取引中盤以降は前日終値を挟んで小動きとなった。
ダウ平均は前日までの6営業日で1247ドル上げており、目先の利益を確定する目的の売りが優勢になった。前日に発表した防衛のレイセオンとの合併を巡る不透明感から、航空機・機械関連のユナイテッド・テクノロジーズが大幅に下げたこともダウ平均の重荷となった。
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や電気通信サービスが上昇する一方で資本財や商業・専門サービスが下落した。
ナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに小反落し、同0.603ポイント安の7822.566で終えた。証券会社が投資判断を引き上げたフェイスブックが買われた。前日に軒並み上昇した半導体株はまちまちだった。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,048.51-14.17
S&P500種
2,885.72-1.01
ナスダック
7,822.566-0.603
NY金(ドル/トロイオンス)
1,331.20+1.90
NY原油(ドル/バレル)
52.86-0.41
円・ドル
108.52 – 108.53-0.08
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は7営業日続伸した。
6月物は前日比70円高の2万1190円で引け、11日の大取終値を20円下回った。中国の投資促進策を好感し、米株とともに買い先行で始まった。
買い一巡後は、米株の伸び悩みを背景に先週からの上げ相場に対する高値警戒感が強まり伸び悩んだ。
この日の6月物高値は2万1330円、安値は2万1070円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21190 ( -20 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21190 ( -20 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7398.45(+22.91)
FTSE100種総合株価指数は7日続伸した。前日の終値に比べ22.91ポイント高の7398.45で引けた。構成銘柄の7割近くが上昇した。
中国政府は10日、インフラ投資を目的にした地方債の使途制限を緩和し、地方政府の投資を促進する方針を示した。これが中国景気を下支えするとの見方から、買いが広がった。ただ、午後にはやや伸び悩んだ。景気に敏感な鉱業株が買われ、株価指数の上昇に大きく影響した。
中国での需要増が期待され銅価格が上昇。これを受けて鉱業株が堅調となった。
個別銘柄では、好決算を発表した医療・安全装置メーカーのハルマが4.1%高。通期の税引き前利益が大幅に増加したことが好感された。外食デリバリーサービスのジャスト・イートも4%近く上がった。 産銅大手アントファガスタは2.9%高。鉱業大手アングロ・アメリカンと英・豪系資源大手リオ・ティントは各2.4%高。同業BHPビリトンは2.3%高だった。
半面、英ガス・電力大手セントリカと英資産運用会社ハーグリーブズ・ランズダウンはそれぞれ1.8%安と値下がりも目立った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12155.81(+110.43)
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前営業日の7日と比べて110.43ポイント高の12155.81だった。
中国の投資促進策を受けて中国景気が下支えされ、世界景気にも好影響があるとの見方から、買いが広がった。
個別では、鉄鋼のティッセン・クルップとドイツ銀行の値上がりが大きくなった。値下がりしたのは、電力のRWEとアディダスを含む6銘柄だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5408.45(+25.95)
