NYダウ続落68ドル安、経済対策を見極め

14日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比68ドル95セント(0.2%)安の3万0991ドル52セントで終えた。
 
バイデン次期米大統領は14日夜、包括経済対策の基本方針を発表する。大型財政出動への期待が強まる中、ダウとナスダックはともに取引時間中の史上最高値を更新。ほぼ終日プラス圏を維持したが、取引後半に売りが徐々に膨らみ、終盤にマイナス圏に沈んだ。
この日は対策の内容を見極めたいとのムードが広がる中、比較的狭いレンジでの値動きが続いた。
 
朝方発表された最新週の新規失業保険申請件数は前週比18万1000件増の96万5000件に悪化。市場予想(ロイター通信調べ)の79万5000件を大幅に上回り、厳しい雇用情勢が示されたが、市場への影響は限られた。
 
バイデン氏の経済対策は数兆ドル規模の見通しで、家計への現金給付の増額や失業保険の増額措置の延長などを含むとみられる。新型コロナウイルスによる米経済への打撃を和らげると期待されている。ただ、共和党の反対なども予想され「内容と実現の可能性を見極めたい」との声もあり、買い一巡後は様子見ムードが広がった。
 
主要株価指数が過去最高値圏で推移する中、15日の大手銀行を皮切りに決算発表シーズンが始まる。決算を確認したい投資家が多く、午後の買い控えにつながったとの指摘もあった。
 
前日まで上昇が一服していた米長期金利が14日は再び上昇した。一時は前日比0.05%高い1.13%を付けた。長期金利が上昇すると高PER(株価収益率)銘柄のハイテク株は割高感が意識されやすく、スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフト、交流サイトのフェイスブック、ネット通販のアマゾン・ドット・コムなど主力ハイテク株が軒並み売られた。
 
取引時間の終盤を除けば、ダウ平均は前日終値を上回って推移した。追加経済対策やコロナワクチンの普及期待で、航空機のボーイングやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど景気敏感株が買われた。原油高を受け、石油のシェブロンも高い。長期金利上昇で金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースも買われた。アナリストの投資判断の引き上げが相次いだ半導体のインテルも高い。
 
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落し、前日比16.313ポイント(0.1%)安の1万3112.638で終えた。主力株への売りが重荷となった。半面、半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)が14日に発表した好決算を受け、アプライドマテリアルズやラムリサーチなど半導体製造装置株が大幅高となった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
30,991.52-68.95
S&P500種
3,795.54-14.30
ナスダック
13,112.638-16.313
NY金(ドル/トロイオンス)
1,854.90+10.70
NY原油(ドル/バレル)
53.72+0.81
円・ドル
103.74 – 103.80-0.29

 


【シカゴ日本株先物概況】

14日のシカゴ日経平均先物は続伸した。3月物は前日比405円高の2万8850円で引け、14日の大取終値を40円上回った。
バイデン次期大統領が14日夜に発表する追加経済対策への期待から買いが先行した。引けにかけては経済対策の詳細を見極めたいとの向きが多いなかダウ平均が下げに転じ、伸び悩んだ。14日発表の週間の米失業保険新規申請件数は前週比で急増したが、反応は限られた。
 
この日の3月物高値は2万8965円、安値は2万8385円。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28850 ( +40 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28875 ( +65 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6801.96(+56.44)
14日のFTSE100種総合株価指数は4日ぶりに反発した。前日の終値に比べ56.44ポイント(0.8%)高の6801.96で引けた。構成銘柄の6割超が上昇した。
バイデン次期米大統領の経済対策の発表を控えて様子見気分が強かったが、期待感も広がった。英国で新型コロナウイルスワクチンの接種が加速したことなどが投資家心理を後押しした。日中を通して買いが優勢だった。
指数に占める割合の多い鉱業株や石油株、銀行株に買いが集まった。時価総額の大きい医薬品株とたばこ株は、それぞれ全銘柄が上昇した。
 
個別銘柄では、航空のインターナショナル・エアラインズ・グループも大幅高となった。レジャー・外食のウイットブレッドの上げも目立った。新型コロナウイルスの影響による人員削減数が想定よりも少なかったことを好感した。資源大手BHPビリトン(3.8%高)を筆頭に、同業のグレンコア(2.8%高)、アングロ・アメリカン(3.2%高)などの資源株が堅調。石油大手BPと同ロイヤル・ダッチ・シェルA株、B株はいずれも1.8%高と締まった。
 
半面、オンライン食品デリバリー大手ジャストイートが4.6%安と軟調だった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13988.70(+48.99)
14日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて48.99ポイント(0.4%)高の1万3988.70だった。
 
個別では、ドイツ銀行は、アナリストによる目標株価の引き上げを手掛かりに大幅に上昇した。フォルクスワーゲン(VW)も高かった。他の自動車株にも買いが広がった。半導体のインフィニオンテクノロジーズとIT(情報技術)のSAPは安かった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5681.14(+18.47)
 
 

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