26日のNYダウ工業株30種平均は続落した。前日比469ドル64セント安の3万0932ドル37セントと3週間ぶりの安値で終えた。
前日の株式相場は、景気の早期回復への期待を背景にした長期金利の急上昇を嫌気し、割高感の強まっていたハイテク株を中心に大きく売られた。この日は、長期金利の上昇には一服感がみられたものの、1.4%台前半から1.5%台前半の高い水準で大きく変動。ダウ平均は一時プラス圏に浮上した一方、約490ドル下落した場面もあり、神経質な展開となった。ハイテク株は、前日大きく下げた反動で買いが先行し、相場を支えた。
ダウ平均の構成銘柄は幅広く売られた。前日夕に発表した2022年1月期通期の1株利益見通しが市場予想を下回った顧客情報管理(CRM)大手のセールスフォース・ドットコムは6%超下げた。化学のダウや金融のJPモルガン・チェースなど景気敏感株のほか、医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)や日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などディフェンシブ株も総じて安い。原油安を受けシェブロンなど石油関連株も売られた。
26日の米債券市場で長期金利の指標となる10年物国債利回りは1.40%前半まで低下。前日に付けた約1年ぶりの高水準(1.61%)から、上昇が一服したことで、足元で大きく売られていた主力ハイテク株は買い直された。スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトが上昇した。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比72.914ポイント高の1万3192.345で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや交流サイトのフェイスブックなどが買われた。インテルなど半導体株も総じて上げた。
ナスダック指数の週間下落率は4.9%と、昨年10月26~30日(5.5%)以来の大きさだった。一方、2月は月間では0.9%上げ、4カ月連続で上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
30,932.37-469.64
S&P500種
3,811.15-18.19
ナスダック
13,192.345+72.914
NY金(ドル/トロイオンス)
1,728.80-46.60
NY原油(ドル/バレル)
61.66-1.87
円・ドル
106.56 – 106.58+0.56
【シカゴ日本株先物概況】
26日のシカゴ日経平均先物は続落した。
3月物は前日比335円安の2万9285円で引け、26日の大取終値を35円上回った。
長期金利上昇への警戒から、寄り付き後、下落した。月末でヘッジファンドなどが損失確定のための持ち高解消に動いたなどとの憶測も重しとなり、ダウは終日軟調米景気の回復が進みインフレが加速するとの警戒感が根強いなか、持ち高調整などの売りが優勢だった。
前日に1年ぶりの高水準をつけた米長期金利の上昇が一服し、日経平均先物は米株とともに買われる場面もあった。26日発表の1月の米個人消費支出は11カ月ぶりの上昇率の大きさとなり、景気回復を示した。
この日の3月物安値は2万8980円、高値は2万9670円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
29285 ( +35 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
29285 ( +35 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
26日のFTSE100種総合株価指数は米長期金利の上昇や米株安を眺めて大幅に続落した。前日の終値に比べ168.53ポイント安の6483.43で引けた。構成銘柄の9割超が下落した。
26日のアジア株安が波及し、日中を通して売りが優勢だった。午後に週末を控えて、主力の資源株を中心に持ち高調整の売りが出て下げ幅を広げた。
鉱業株と石油株は利益確定の売りで下落した。なかでもアングロ・アメリカンが大幅安となった。医薬品株やたばこ株は続落した。
個別銘柄ではオンライン不動産のライトムーブが6.8%安と不動産投資信託(REIT)のブリティッシュ・ランドは5.1%安と下げが目立った。
一方、上昇したのは3銘柄だけとなった。航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が高かった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
26日のドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日と比べて93.04ポイント(0.7%)安の1万3786.29だった。
26日のアジア株安が欧州市場にも波及した。週末を控えて持ち高調整の売りも出やすかった。
前日上昇したドイツ銀行と素材メーカーのコベストロは、利益確定の売りで安かった。
半面、半導体のインフィニオンテクノロジーズが高かった。米国市場でのハイテク株上昇に連れ高した。フォルクスワーゲン(VW)の上げも目立った。2021年12月通期の売上高が前年比で大幅増加するとの見通しを示したことが材料になった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,703.22 -80.67
