1日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比461ドル68セント安の3万4022ドル04セントと2カ月ぶりの安値で終えた。
前日のダウ平均は、オミクロン株感染拡大への懸念や、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が量的緩和縮小の加速を示唆したことを受け、652ドル安と大幅下落した。1日は、前日の反動から値ごろ感が出た銘柄を中心に買いが先行。エネルギーや金融、通信などの上昇がけん引し、一時500ドル超上昇した。
ただ、流れが変わったのは午後。バイデン米政権のファウチ首席医療顧問が、オミクロン型の感染者が米国で初めて確認されたと明らかにした。感染拡大を警戒した売りが出て、ダウ平均は急速に伸び悩み、下げに転じた。米疾病対策センター(CDC)が1日、米国に入国する旅行客への水際対策の強化を表明し、行動制限が強まるとの懸念も売りを誘った。
旅客数が減り、航空機の受注にも響くとの見方からボーイングが5%下げた。朝方は上昇が目立っていた娯楽・映画のウォルト・ディズニーも下げて終えた。前日夕に決算と併せて発表した業績予想が市場の期待を下回った顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムは12%安となり、1銘柄でダウ平均を200ドルあまり押し下げた。
半面、投資家のリスク回避姿勢が強まり、ディフェンシブ株が買われた。バイオ製薬のアムジェンや医薬品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が上げた。
投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は前日比14%上昇して31.12で終えた。1月29日以来、10カ月ぶりの高水準。不安心理が高まった状態とされる20も大幅に上回った。目先の一段の株安を警戒する投資家が増えている。
ナスダック総合株価指数も続落し、前日比283.639ポイント(1.8%)安の1万5254.052で終えた。電気自動車のテスラが4%安で終えた。半導体のエヌビディアとアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も下げが目立った。
NYダウ工業株30種(ドル)
34,022.04-461.68
S&P500種
4,513.04-53.96
ナスダック
15,254.052-283.639
NY金(ドル/トロイオンス)
1,784.30+7.80
NY原油(ドル/バレル)
65.71-0.47
円・ドル
112.76 – 112.78-0.65
【シカゴ日本株先物概況】
1日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比255円安の2万7420円で引けた。
大阪取引所の終値を760円下回った。
新型コロナウイルス変異型「オミクロン型」の感染者が米国でも確認されたことで、国内での感染拡大への懸念が高まり、続落した。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27420 ( -760 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27430 ( -750 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7168.68(+109.23)
1日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ109.23ポイント(1.55%)高の7168.68で引けた。前日の下げの反動で、値ごろ感から買い戻された。新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン型」の拡大に伴うリスク回避ムードは後退し、全面高となった。構成銘柄の約9割が上昇した。
商品相場の上昇を背景に資源株が買われ、銀行株の上昇とともに株価指数に大きく影響した。
個別では、通信のBTグループが5%近く上昇し目立った。投資会社のインターミディエイト・キャピタル・グループ(4.6%高)も大幅高だった。包装資材大手モンディ(4.2%高)も大きく値上がりした。
一方、オンライン食品販売オカド・グループ(3.1%安)や特殊化学品大手クローダ・インターナショナル(3.0%安)は売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15472.67(+372.54)
1日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて372.54ポイント(2.47%)高の1万5472.67だった。前日の下げの反動で買い戻され、午後には一段高となった。
個別では、半導体のインフィニオンテクノロジーズと重電のシーメンスの上昇が目立った。食材・レシピ宅配のハローフレッシュは売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6881.87(+160.71)
