NYダウ続落39ドル安、コロナ感染「第2波」を警戒

 
18日のNYダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比39ドル51セント安の2万6080ドル10セントで終えた。
新型コロナウイルスの感染「第2波」への懸念が重荷だった。週間の米新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったのも売りを誘った。ただ、米景気が回復に向かうとの見方までは崩れておらず、下値は堅かった。
 
米国の南部や西部など一部の州で、新型コロナの新規感染者が増加。中国・北京でも集団感染が確認され、航空便の欠航などが相次いだ。感染再拡大が景気回復の妨げになることへの懸念から、ダウ平均は前日に続いて軟調に推移した。
 
今週はテキサス州やアリゾナ州などで新型コロナの感染者数や入院者数の増加が顕著となり、感染再拡大への懸念が株売りを誘った。米ジョンズ・ホプキンス大学によると、18日夕時点で米国の感染者数の合計は217万人を超えた。
 
また、この日発表された経済指標はまちまちな内容だった。最新週の米新規失業保険申請は150万8000件と、11週連続で前週を下回ったが、市場予想の130万件は上回った。
市場では「労働市況の改善が行き詰まりつつあるのかもしれない」との見方があった。
 
景気敏感株は売り優勢だった。クレジットカードのアメリカン・エキスプレス(アメックス)や建機のキャタピラーの下げが目立った。長期金利の低下を受け、利ざや悪化懸念から金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースも下落した。
 
ただ、一方的に売られる展開にはならず、相場の下値は堅かった。ダウ平均は朝方に270ドルあまり下げたが、売り一巡後は下げ渋り、午前の中ごろに小幅高に転じる場面もあった。その後は一進一退となり方向感を欠いた。16日発表の小売売上高が過去最大の伸びとなるなど、米景気の回復が続いているとの見方は崩れていない。米政府の経済対策や米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和が相場を支えるとの期待もあり、下値では押し目買いが入った。
 
コロナ感染の拡大が業績の逆風とならないソフトウエアのマイクロソフトやネット通販のアマゾン・ドット・コム、動画配信のネットフリックスなどハイテク株の一角が買われた。市場では「逆境下でも長期的な成長期待が高い銘柄には買いが続きやすい」との声がも聞かれた。
 
セクター別では、不動産の下げが目立った一方で、エネルギー、ソフトウェア・サービスは上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は5日続伸し、前日比32.52ポイント(0.3%)高の9943.05で終えた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,080.10-39.51
S&P500種
3,115.34+1.85
ナスダック
9,943.051+32.519
NY金(ドル/トロイオンス)
1,731.10-4.50
NY原油(ドル/バレル)
38.86+0.02
円・ドル
106.98 – 106.99+0.02

 


【シカゴ日本株先物概況】

18日のシカゴ日経平均先物は反落した。9月物は前日比110円安の2万2350円で引け、18日の大取終値を150円上回った。
新型コロナウイルスの感染拡大で景気回復が遅れるとの警戒感が広がり、日経平均先物は売られた。フロリダやカリフォルニアなど複数州で新規感染者数が過去最高になったと報じられた。18日発表の週間の新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったことも売り材料視された。NYダウ平均は39.51ドル安の26080.10ドル、ナスダックは32.52ポイント高の9943.05ポイントで取引を終了した。
 
この日の9月物安値は2万2055円、高値は2万2485円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22350 ( +150 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22420 ( +220 )
( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6224.07(-29.18)
18日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ29.18ポイント安の6224.07で引けた。
新型コロナウイルスの感染「第2波」の懸念が広がっているのに加え、米新規失業保険申請件数も高止まりしている。これらを背景に投資家のリスク回避姿勢が強まった。
英イングランド銀行(中央銀行)は18日、政策金利の据え置きと量的緩和の拡大を決めた。市場予想に沿った内容で、株式市場の反応は限定的だった。指数構成銘柄全体の約7割が下落した。
 
個別銘柄では、住宅大手テイラー・ウィンペイが6%安で下落率トップ。高級衣料バーバリーは2.2%安と軟調。製薬大手アストラゼネカも2.2%安とさえなかった。資源大手リオ・ティント(1.8%安)など資源株も下げが目立った。
 
半面、賭け屋大手フラッター・エンターテインメントが3.8%高と堅調だった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12281.53(-100.61)
18日のドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反落した。終値は前日と比べて100.61ポイント(0.8%)安の1万2281.53だった。新型コロナウイルスの感染再拡大を警戒した売りが出た。小売や食料・飲料セクターを中心に買いが入っている。
個別では、オンライン決済サービスのワイヤーカードは62%安と急落した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4958.75(-37.22)
 

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