26日のNYダウ工業株30種平均は5日続落した。前日比123ドル77セント安の2万6957ドル59セントで終え、昨年10月下旬以来の2万7000ドル割れとなった。
ダウ平均は前2営業日に計約1900ドル下落していたため、値頃感に着目した買いが先行した。ダウ平均は午前中に461ドル上げる場面があった。アップルやマイクロソフト、フェイスブックなどの成長期待の大きいハイテク大手や、半導体株を中心に安値を拾う動きが見られた。
ただ、新型ウイルスへの感染が発生地の中国以外で急拡大していることへの懸念は根強く、徐々に買いが失速。ダウ平均は中盤でマイナス圏に沈んだ。
26日はブラジルで新型コロナの感染者が初めて見つかり、米国でも感染が拡大しつつある。「感染が収束に向かう時期や経済的な影響が全く予測できない」との見方が買い手控えにつながった。
投資家心理を測る指標の変動性指数(VIX)も28台で推移する場面が目立った。不安心理が高まった状態とされる20を大幅に上回った。一段安を警戒し、投資家は萎縮しているようだ。
前日夕にボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)の退任を発表した映画・娯楽大手のウォルト・ディズニーが大幅安で終えた。原油安を受けてエクソンモービルなど石油株も下げた。
セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や医薬品・バイオテクノロジーが上昇する一方でエネルギーや消費者・サービスが下落した。
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反発し、同15.162ポイント高の8980.775で終えた。アップルなどのほか、動画配信のネットフリックスの上昇が目立った。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,957.59-123.77
S&P500種
3,116.39-11.82
ナスダック
8,980.775+15.162
NY金(ドル/トロイオンス)
1,650.00-26.60
NY原油(ドル/バレル)
48.65-1.25
円・ドル
110.37 – 110.38-0.10
【シカゴ日本株先物概況】
26日のシカゴ日経平均先物は5営業日ぶりに反発した。
前日まで急速に下げた反動で米株とともに日経平均先物は買い先行で始まった。朝方は一時2万2500円まで上げ、この日の高値をつけた。その後は新型コロナウイルスへの警戒感が根強く、上げ幅を縮めた。
3月物は前日比140円高の2万2205円で引け、26日の大取終値を125円下回った。
この日の安値は2万1990円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
22205 ( -125 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
22220 ( -110 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7042.47(+24.59)
26日のFTSE100種総合株価指数は5営業日ぶりに反発した。前日の終値に比べ24.59ポイント高の7042.47で引けた。
新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を背景に安値スタートとなり、一時は節目の7000を割り込んだが、米国株の寄り付きの堅調を眺めて引け間際に切り返した。指数構成銘柄全体のうち、上昇は約半分にとどまった。銀行と医薬品株の上昇が株価指数を押し上げた。
個別銘柄では、銀行のHSBCホールディングスと医薬品のグラクソ・スミスクラインの上昇が目立った。不安定な値動きが続く総合ヘルスケアのNMCヘルスは6%超上げた。ロンドン証券取引所(LSE)グループは、リフィニティブ買収をめぐり規制当局の精査長期化の可能性が報じられ、一時は6%超下げる場面もあったが、午後には小幅高に転じた。
半面、住宅建設のテイラー・ウィンピーは3%下落した。2019年通期の減益を発表したことが嫌気された。アナリストが株価目標を引き下げたクルーズ運航のカーニバルも下げた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12774.88(-15.61)
26日のドイツ株式指数(DAX)は5日続落し、終値は前日と比べて15.61ポイント安の12774.88と連日でおよそ4カ月ぶりの安値となった。新型コロナウイルスを背景に景気下振れ懸念から売りが優勢だった。
個別銘柄では、航空のルフトハンザが下げた。同社は26日、新型コロナが業績に与える悪影響を抑えるため、新規採用の停止など経費削減プログラムを発表した。航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズは、アナリストによる株価目標引き下げなどが響いて下落した。自動車のダイムラーとタイヤのコンチネンタルは買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5684.55(+4.87)
