NYダウ続落、72ドル安 米中協議の楽観的ムードが後退

 
27日のNYダウ工業株30種平均は続落した。前日比72ドル82セント安の2万5985ドル16セントで終えた。
 
インドとパキスタンを巡る地政学リスクへの警戒感から売りが先行した。また、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表はこの日、下院歳入委員会の公聴会に出席し、中国との貿易協議について、合意に至るまでには「やるべきことがまだ多くある」などと発言。
市場では両国が近く合意に達するとの楽観的なムードが後退し、ダウ平均は180ドル安まで下げ幅を広げる場面があった。
 
ヘルスケア株への売りも相場の重荷だった。民主党議員が「メディケア・フォー・オール」(国民皆健康保険制度)の法案を提出し、材料視した売りが広がった。ダウ平均の構成銘柄では医療保険のユナイテッドヘルス・グループが大幅に下げ、1銘柄でダウ平均を87ドルあまり押し下げた。
 
ダウ平均は午後にかけて下げ幅を縮めた。パウエルFRB議長は下院金融サービス委員会で「資産縮小を年内に停止する方向で検討している。近く公表する」と述べた。金融政策の引き締めが終了に向かうとの見方を誘った。原油先物相場が上昇し、エクソンモービルなどエネルギー株が買われたのも相場を支えた。
 
セクター別では、資本財や銀行が上昇する一方でヘルスケア機器・サービスや半導体・半導体製造装置が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は小反発し、前日比5.211ポイント高の7554.509で終えた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,985.16-72.82
S&P500種
2,792.38-1.52
ナスダック
7,554.509+5.211
NY金(ドル/トロイオンス)
1,321.20-7.30
NY原油(ドル/バレル)
56.98+1.48
円・ドル
110.96 – 110.97+0.59

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅反発した。
3月物は前日比30円高の2万1560円で引け、27日の大取終値と並んだ。円安やハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数の上昇が相場を支えた。
一方で米中貿易協議の進展期待が薄れ、相場の上値を抑えた。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は27日の議会証言で、米中貿易協議について「やるべき事が多い」と述べ、合意は近いとみる楽観的な見方をけん制した。
この日の3月物高値は2万1600円、安値は2万1450円。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
21560 ( 0 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
21565 ( +5 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7107.20(-43.92)
FTSE100種総合株価指数は続落となり前日終値比43.92ポイント安の7107.20で終了した。
英国の欧州連合(EU)からの離脱が延期となる公算が強まったが、株価は続落。外為相場でポンド高が進んだことで、為替に敏感な銘柄を中心に売りが先行した。
指数構成銘柄全体の7割以上が下落した。
 
ポンド相場の上昇が続くなか、通貨高が業績に悪影響を及ぼす多国籍企業銘柄を中心に売られた。石油やたばこ株の下げに加え、時価総額の大きい食品・日用品のユニリーバや携帯電話サービスのボーダフォン・グループ、酒類のディアジオの値下がりも株価指数を押し下げた。
 
個別では、小売りのマークス・アンド・スペンサー(M&S)は12%急落した。同社はネット専業スーパーのオカド・グループとの国内小売りの合弁事業を立ち上げるため、資金調達のために株主割当増資を実施する方針を示した。一方、ネット専業スーパーのオカド・グループは3%近く上がった。
 
通期決算を発表した保険のセント・ジェームズ・プレイスも大幅安。メディアのITVも通期の1株当たり利益が減少し、下げが大きくなった。
 
半面、住宅大手テイラー・ウィンピーは、通期税引き前利益が増加したほか、年初の住宅需要が引き続き堅調だったと、3.5%高と大幅高となった。同パーシモンは2.3%高となるなど、住宅関連株も前日に続いて買われた。鉱業のリオ・ティントは、通期決算で市場予想を上回る利益と特別配当を発表し、上昇した。銀行株も買われた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11487.33(-53.46)
ドイツ株式指数(DAX)は7営業日ぶりに反落した。終値は前日と比べて53.46ポイント安の11487.33だった。
 
個別銘柄では、日用品のバイヤースドルフは9%超下落した。2019年の増収率と営業利益率がともに前年を下回るとの見通しを示したことが嫌気された。医薬・化学大手の独メルクも大幅安。同社は、米産業ガスのヴェルサムマテリアルズに買収提案をした。電力のRWEの下げも目立った。
 
一方、医薬・農薬大手のバイエルは4%超上昇した。第4四半期の利益が市場予想を上回ったことなどが好感された。ドイツ銀行の値上がりも目立った。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5225.35(-13.37)
 

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