NYダウ続落、208ドル安 ウイルス感染者急増が重し

 
19日のNYダウ工業株30種平均は3日続落した。前日比208ドル64セント(0.8%)安の2万5871ドル46セントで終えた。
 
この日のNYダウは、中国が米国産農産品の購入を増やすとの米ブルームバーグ通信の報道を好感し、反発して取引を開始した。米中関係の緊張緩和への期待から、景気動向に敏感なエネルギーや素材などの銘柄を中心に買われ、ダウの上げ幅は寄り付き直後に一時370ドルを超えた。
ただ、米南部や西部を中心に新型コロナウイルスの感染が再拡大し、米経済の正常化が遅れるとの懸念が次第に強まった。ダウ平均は午後に下げに転じた。
 
アリゾナ州やカリフォルニア州などで新型コロナの新規感染者数が過去最高を更新した。感染急増を受け、スマートフォンのアップルが4つの州の一部店舗を再閉鎖すると19日昼ごろ伝わり、市場心理を冷やした。クルーズ船の業界団体、クルーズライン国際協会は同日、米国を出港する航路の運航停止を9月15日まで延長すると発表した。
 
アップルは朝方に上場来高値を更新したが、午後に下げに転じた。カーニバルが5%安となるなど、クルーズ船株は軒並み売られた。ダウはマイナス圏に転落、一時320ドル安まで値を下げた。
 
業績がコロナ感染の影響を受けやすい銘柄や、景気敏感株は午後にかけて売りが強まった。航空機のボーイングや映画・娯楽のウォルト・ディズニー、銀行のJPモルガン・チェースなどの下げが目立った。空運株も軒並み安い。
 
セクター別では、公益事業の下げが目立った一方で、医薬品バイオテクは上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は小幅に6日続伸し、前日比3.07ポイント高の9946.12で終えた。コロナ感染が拡大しても業績を伸ばせるネット通販のアマゾン・ドット・コムや動画配信のネットフリックスが上昇した。バイオ製薬株も買いが優勢だった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,871.46-208.64
S&P500種
3,097.74-17.60
ナスダック
9,946.123+3.072
NY金(ドル/トロイオンス)
1,753.00+21.90
NY原油(ドル/バレル)
39.43+0.59
円・ドル
106.84 – 106.86-0.12

 


【シカゴ日本株先物概況】

19日のシカゴ日経平均先物は小幅続落した。9月物は前日比60円安の2万2290円で引け、19日の大取終値を220円下回った。
新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感から売られた。
フロリダ州やカリフォルニア州などのウイルス感染者数の連日急増が伝えられると経済回復の遅れを見込む売りが出た。朝方は米中関係の改善期待から買いが入った。中国は米中貿易協議の第1段階合意の達成に向け「米農産物の購入を増やす」と米メディアが報じた。
 
この日の9月物安値は2万2280円、高値は2万2660円。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
 22290 ( -220 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22350 ( -160 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

19日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日比68.53ポイント高の6292.60で引けた。
19日に発表された5月の英小売売上高は前月比12.0%増と市場予想を上回り、景気の回復を期待した買いが入った。
米中貿易摩擦の緩和期待を背景に、投資家の買い安心感が広がった。米ブルームバーグ通信が、中国が米国産農産品の購入を加速させると報じたことがきっかけとなった。欧州連合(EU)の首脳会議は景気対策の巨額基金の詳細で合意に至らず、7月に結論を持ち越したが、株式市場の反応は限定的だった。指数構成銘柄全体の約8割が上昇した。
個別銘柄では、金融大手HSBCホールディングスが2.6%高と堅調。広告大手WPP(3%高)、酒造大手ディアジオ(3.4%高)なども買われた。石油大手BPは2.1%高と上伸した。
 
半面、金融大手バークレイズは1.7%安とさえなかった。格安航空大手イージージェットも0.6%安と売られた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

19日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日比49.23ポイント高の1万2330.76だった。景気回復への期待を背景にアジア株が上昇し、欧州株にも買い優勢の展開。
 
オンライン決済サービスのワイヤーカードの下落率は3割を超えた。同社は18日に監査法人から19億ユーロ(約2280億円)の現金が口座にあることを確認できないとの通告を受けたと発表、引き続き売りが膨らんだ。

■フランス・パリ株価指数

 CAC40(仏)4,979.45 +20.70

 

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