NYダウ続落、利益確定売り ナスダックは最高値

 
25日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前週末比36ドル98セント(0.1%)安の3万0960ドル00セントで終えた。
この日は米主要経済指標の発表もなく、材料難の中でダウは終日軟調に推移。先週の史上最高値更新を受け、利食い売りが優勢だったほか、バイデン米大統領が掲げる大型経済対策をめぐる協議の先行きに悲観的な見方も出て、売りが誘われた。
 
製薬大手のメルクが25日、コロナワクチンの開発を中止すると発表した。米国ではファイザーやモデルナが開発したワクチンの接種を始めている。今後は他社製品も出回って接種ペースが速まるとの観測があったが、メルクの開発中止で修正を迫られた形だ。
 
また、26、27の両日に開かれる連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策会合の結果を見極めたいとのムードも広がった。
 
経済正常化の期待を背景に昨秋以降に買われていた景気敏感株が安い。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが4%安、建機のキャタピラーや航空機のボーイングの下げも目立つ。米長期金利が低下し、金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースへの売りも目立った。
 
ダウ平均は午前中に下げ幅を一時400ドル超に広げたが、午後にかけて下げ渋る展開。今週以降に2020年10~12月期決算を発表するハイテク株への買いが勢いを増し、相場を下支えした。27日に決算を発表するスマートフォンのアップルは3%高、26日発表のソフトウエアのマイクロソフトは2%高で終えた。
 
ナスダック総合株価指数は5日続伸し、前週末比92.930ポイント(0.7%)高の1万3635.992と過去最高値を更新した。アナリストが目標株価を引き上げた電気自動車のテスラが4%高だった。SNS(交流サイト)のフェイスブックなど主力株の一角や、バイオ製薬株も買われた。テスラとフェイスブックはともに27日に決算発表を予定する。
 
S&P500種株価指数は反発し、前週末比13.89ポイント(0.4)高の3855.36と過去最高値で終えた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
30,960.00-36.98
S&P500種
3,855.36+13.89
ナスダック
13,635.992+92.930
NY金(ドル/トロイオンス)
1,856.20-9.70
NY原油(ドル/バレル)
52.87+0.60
円・ドル
103.73 – 103.77+0.03
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

25日のシカゴ日経平均先物は反発した。
3月物は前週末比215円高の2万8825円で引け、25日の大取終値を45円上回った。
バイデン大統領が提示した1.9兆ドルの追加経済対策の行方に不透明感がくすぶったほか、ワクチンの普及の遅れや欧米での入国規制強化で世界経済の見通しが悪化し寄り付きから下落した。引けにかけてハイテク株主導で米株が上げに転じ、日経平均先物に買いが波及した。
ナスダック総合株価指数は続伸し過去最高値をつけた。朝方は製薬大手のメルクがコロナワクチンの開発中止を発表し、ワクチン普及の遅れを懸念する売りが先行した。
 
この日の3月物高値は2万8840円、安値は2万8460円。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28825 ( +45 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28840 ( +60 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6638.85(-56.22)
25日のFTSE100種総合株価指数は新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた制限措置の強化をめぐって懸念が広がり、株価は3営業日続落した。前週末の終値に比べ56.22ポイント(0.8%)安の6638.85で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。
 
小幅安で推移した後、午後に下げ幅を広げた。ドイツなど欧州市場で株安が進み、英国市場にも売りが及んだ。新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウン(都市封鎖)の長期化で経済活動が停滞するとの警戒感が根強く、景気敏感株を中心に売り基調が続いた。
午前に買いが先行していた主力の鉱業株が午後に下落に転じ、相場の下げ圧力になった。石油株や銀行株など金融株にも売りが膨らんだ。
 
個別銘柄では、ブリティッシュ・エアウェイズを傘下に持つ航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が大幅に下落した。英政府がコロナ変異種の拡大を抑制するため、水際対策の強化を検討しているとの報道が投資家心理を冷やした。
 
一方、景気動向に左右されにくいとされるディフェンシブ銘柄の医薬品株や公益株は買われた。英生活用品大手レキット・ベンキーザーは4.5%高、英オンライン食品販売オカド・グループは2.4%高、水道大手セバーントレントは2.2%高と買われた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13643.95(-230.02)
25日のドイツ株式指数(DAX)は大幅に続落した。終値は前週末と比べて230.02ポイント(1.7%)安の1万3643.95だった。
25日発表の1月の独Ifo企業景況感指数の悪化を受けて、朝方から売りが優勢だった。引けにかけて売りが加速し、終値では約1カ月ぶりの安値水準となった。
 
欧州で新型コロナウイルス変異種の感染が拡大しており、各国が行動制限の強化や国境封鎖に動いている。経済の正常化が遠のくとの懸念がふたたび強まった。欧州でコロナワクチンの供給に遅れが生じていることを嫌気した売りも出た。
 
個別銘柄では、航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズをはじめ、自動車など景気動向に敏感な輸出銘柄への売りが目立った。一方、不動産のボノビアと医薬・化学大手のメルクが高かった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5472.36(-87.21)

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