24日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比70ドル04セント(0.2%)高の3万0199ドル87セントで終えた。
英国と欧州連合(EU)は24日、新たな自由貿易協定(FTA)の交渉で合意した。英国のEU離脱を巡る不透明感が後退し、投資家心理が改善した。
この日はクリスマスの休日を翌日に控え、午後1時までの短縮取引。市場参加者も減り、株価は方向感に欠ける展開となったが、おおむねプラス圏を維持した。日系証券関係者は「英国とEUの合意が投資家心理を支えた」と指摘した。
一方、米議会下院が追加の新型コロナウイルス経済対策法案の修正に失敗したことで、法案の成立時期がやや不透明化。また、連邦政府予算案が失効する来週に、政府機関の一部閉鎖に陥る可能性があることも、株価の上値を抑えた。
相場の上値は重く、ダウ平均は前日終値を小幅に下回る場面もあった。米議会の追加経済対策の協議を巡り、下院共和党は24日に民主党が提案していた現金給付を1人2000ドルに引き上げる提案の採決を阻止した。追加経済対策の成立に不透明感が強まったうえ、同時に協議されていた2021会計年度予算案の合意も難しくなり、政府機関が一時閉鎖されるとの懸念が高まった。
セクター別では自動車・自動車部品が上昇した一方で、エネルギー、銀行が下落した。
クレジットカードのビザやマスターカードが買われた。半導体のインテルも高い。スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトも上げた。一方で、航空機のボーイングは売られた。長期金利の低下を受け、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスも安い。シェブロンなど石油株も利益確定売りに押され軟調だった。
中国の電子商取引最大手、アリババ集団の米預託証券(ADR)が13%安と急落した。中国の規制当局が24日、同社を独占禁止法違反の疑いで調査を始めたと発表した。政府による統制を懸念した売りが出た。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比33.620ポイント高の1万2804.734で終えた。主力ハイテク株の一角に加え、電気自動車のテスラが買われた。半導体株も総じて堅調だった。
NYダウ工業株30種(ドル)
30,199.87+70.04
S&P500種
3,703.06+13.05
ナスダック
12,804.734+33.620
NY金(ドル/トロイオンス)
1,883.20+5.10
NY原油(ドル/バレル)
48.30+0.18
円・ドル
103.59 – 103.64+0.03
【シカゴ日本株先物概況】
24日のシカゴ日経平均先物は小幅に反落した。
3月物は前日比50円安の2万6605円で引け、24日の大取終値を45円下回った。25日のクリスマス休日を前に持ち高調整の売りに押された。
朝方は、英国と欧州連合(EU)が24日、新たな自由貿易協定(FTA)などで合意したため買いが先行した。この日は取引時間が短縮され、日経平均先物は動意薄の展開になった。3月物安値は2万6540円、高値は2万6695円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26605 ( -45 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26635 ( -15 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6502.11(+6.36)
24日のFTSE100種総合株価指数は小幅ながら3日続伸した。前日の終値に比べ6.36ポイント高の6502.11で引けた。構成銘柄の6割近くが上昇した。
この日はクリスマスイブで短縮取引。FT指数は英国と欧州連合(EU)の貿易合意を期待して高寄りしたが、妥結の知らせが遅れ、上げ幅を削っていった。合意は取引終了後に発表された。
休暇に入っている投資家が多く市場は閑散とし、商いは薄かった。一時は利益確定の売りで下落する局面もあったが、英国と欧州連合(EU)の将来を巡る交渉の合意期待が相場を支えた。
個別銘柄では、ロイズ・バンキング・グループを筆頭に銀行株は全銘柄が上昇し、指数の上げをけん引した。投資会社のメルローズ・インダストリーズも高かった。引けにかけて、スーパーマーケットのテスコをはじめ食品関連の小売株にも買いが集まった。
一方、原油と金属相場の下落で石油株と鉱業株は売られた。外国為替市場のポンド高を背景に、為替変動の動向が業績に響きやすい酒類のディアジオや医薬品株といった多国籍企業も下げた。
ロンドン市場はクリスマス休暇で28日まで休場。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
休場
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5522.01(-5.58)
