NYダウ続伸55ドル高、米中協議の期待

 
26日のNYダウ工業株30種平均は前日比55ドル21セント高の2万8121ドル68セントと3日続伸、連日で過去最高値を更新した。S&P500種株価指数も連日で最高値を更新した。
 
中国商務省はこの日、米中が閣僚級の電話会談を行い、貿易協議の「第1段階の合意」をめぐる重要問題の解決で共通認識に達したと発表した。今後は残る課題について意思疎通を続けるとも明らかにしたが、具体的な内容には触れなかった。トランプ大統領やコンウェイ米大統領顧問も、第1段階の合意に近づいているとの見方を示した。市場では両国が歩み寄り最終的に合意するとの期待が高まった。
 
米中の貿易協議の進展への期待が引き続き相場を押し上げた。相次いだ小売企業の好決算を受けて年末商戦での個人消費が堅調になるとの見方が強まったことも投資家心理の改善につながった。
 
12日に始めた動画配信サービスの利用者数が順調に増えていると報じられた映画・娯楽のウォルト・ディズニーが上場来高値を更新した。外食のマクドナルドやホームセンターのホーム・デポなど小売関連株の上昇も目立った。家電量販店のベストバイやスポーツ用品販売のディックス・スポーティング・グッズが四半期決算と同時に通期の見通しの引き上げを発表。ともに株価が急伸し、個人消費の堅調さが意識された。
 
ただ、米中協議では合意に向けた具体的な動きは限られているうえ、相場の過熱感も意識されている。足元で上昇が目立ったスマートフォンのアップルや画像処理半導体(GPU)のエヌビディアなどに利益確定売りが出て、相場の上値は重かった。米長期金利の低下を受けてゴールドマン・サックス(GS)など金融株の一角にも売りが出た。
 
午前に民間調査会社コンファレンス・ボードが発表した11月の消費者景気信頼感指数は前月や市場予想を下回ったが、大きく材料視されなかった。
 
セクター別では、商業・専門サービスや不動産が上昇する一方でエネルギーやテクノロジー・ハード・機器が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は同15.445ポイント高の8647.934と連日で最高値で終えた。アマゾン・ドット・コムなど主力株の一角が上昇した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
28,121.68+55.21
S&P500種
3,140.52+6.88
ナスダック
8,647.934+15.445
NY金(ドル/トロイオンス)
1,456.90-6.70
NY原油(ドル/バレル)
58.31+0.30
円・ドル
109.06 – 109.07+0.11

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅続伸した。
12月物は前日比15円高の2万3440円で引け、26日の大取終値を60円上回った。
この日のメディア報道を手掛かりに米中貿易協議の進展期待が広がった。
トランプ大統領が米中協議で両国が合意に向けた取り組みを続けていると述べ、投資家心理の改善から上昇した、
この日の12月物高値は2万3615円、安値は2万3310円。
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23440 ( +60 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23440 ( +60 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7403.14(+6.85)
FTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日の終値に比べ6.85ポイント高の7403.14で引けた。この日のFT指数は、米中貿易協議の進展期待から寄り付きで7421.30と、約3週間ぶり高値を付けた。その後は7400近辺に水準を下げ、方向感なく横ばいとなった。
構成銘柄の約6割が上昇した。
ポンド相場の下落で通貨安が業績に好影響を与える多国籍企業銘柄が買われ、株価指数を押し上げた。一方で、石油株の下落が上値を抑えた。
 
個別銘柄では、ポンド安の恩恵を受けて、酒類のディアジオや食品・日用品のユニリーバ、医薬品株が上昇した。鉱業株も堅調だった。金価格の上昇を背景に、関連のフレスニージョは6%超上がった。建設資材のCRHは、第3四半期の増益に加え、通期の業績も良好との見通しを示し買われた。アナリストが投資判断を引き上げた保険のヒスコックスも大幅高となった。
 
一方、英給食サービス大手コンパス・グループは7.5%安、欧州の見通しに警戒感を示したことが売り材料となった。スポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッションは2.4%安と売られた。英通信大手BTはいずれも1.4%安とふるわなかった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13236.42(-10.03)
ドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに反落した。終値は前日と比べて10.03ポイント安の13236.42だった。米中貿易協議の先行き不透明感から、欧州の主要株式相場はまちまちだった。
 
個別では、ドイツ銀行と化学のBASFが下落した。日用品のバイヤースドルフと不動産のボノビアは買われた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5929.62(+4.76)

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