NYダウ続伸53ドル高、ハイテク株売りで上値重く

15日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比53ドル79セント高の3万4987ドル02セントで終えた。
好材料が出たり、市場予想を上回る決算を発表したりした一部の銘柄が買われ、ダウ平均を押し上げた。足元で上昇が目立っていた主要ハイテク株は利益確定売りで下げ、相場の重荷となった。
 
ダウ平均は、前日まで長期金利低下や業績期待から買われていたハイテク株が利益確定売りに押され、下落して取引が始まった。アップル、マイクロソフトが0.5%安、インテルが1.3%安、ツイッターが3.1%安、フェイスブックが0.9%安などと売られ、相場の重荷となった。原油安を受け、シェブロンなど石油株も総じて安い。
 
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は同日の議会証言で、インフレ率の上昇は「一時的」との見方を改めて示し、金融緩和を継続する姿勢を強調した。ただ、インフレ率が想定を大きく超えれば、緩和縮小などの対応をする構えを示した。市場でインフレの長期化への懸念がくすぶる中、ダウ平均は下げ足をやや早める場面もあった。
 
一方、機械のハネウェル・インターナショナルの上げが目立った。14日夕に21日から米株価指数「ナスダック100」へ組み入れが明らかになり、指数連動型投信からの買いが期待された。15日朝に発表した2021年4~6月期決算で1株利益などが市場予想を上回った医療保険のユナイテッドヘルス・グループも買われた。2銘柄でダウ平均を70ドル程度押し上げた。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比101.819ポイント(0.7%)安の1万4543.133で終えた。今週に上場来高値を付けたネット通販のアマゾン・ドット・コムやネット検索のアルファベットが売りに押された。
 
半導体のインテルやエヌビディアも安い。半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)が15日発表した21年4~6月期決算で純利益が市場予想を下回り、半導体株全般の売りを誘った。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,987.02+53.79
S&P500種
4,360.03-14.27
ナスダック
14,543.133-101.819
NY金(ドル/トロイオンス)
1,829.00+4.00
NY原油(ドル/バレル)
71.44-0.21
円・ドル
109.83 – 109.84+0.06
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

15日のシカゴ日経平均先物は続落した。9月物は前日比425円安の2万8090円で引け、15日の大取終値を130円下回った。
円高進行に加え、15日の米株式市場は、市場予想を上回る決算発表が続いたものの、総じて利益確定売りが優勢の展開。緩和縮小の条件達成は程遠いとの見解を繰り返すと上昇に転じ、NYダウは終日底堅い展開となった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が続落したため、売りに押された。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
28090 ( -130 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
28105 ( -115 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7012.02(-79.17)
15日のFTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日の終値に比べ79.17ポイント安の7012.02で引けた。新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から売りが優勢となり、構成銘柄の9割近くが下落した。
小動きで推移した後、英中銀の金融政策委員であるソーンダース氏が、かなり早期に金融刺激策をある程度解除する必要があるかもしれないと語ったことを受けて、売り圧力が強まった。原油安を背景に石油株が売られ、医薬品株の下げとともに株価指数の下落に大きく影響した。
 
個別銘柄では、2021年1~6月期の業績を示した料理宅配のジャスト・イート・テイクアウェー・ドットコムは9%下落した。薬品のアストラゼネカの下げも目立った。
衣類小売ネクストが5.0%安、製薬大手アストラゼネカが3.7%安、住宅大手テイラー・ウィンペイと小売大手JDスポーツファッションが3.6%安、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が3.3%安と売られた。
 
一方、セキュリティー対策ソフト大手のアバストは18%急伸した。同社が14日、米国の同業ノートンライフロックとの合併に向けて交渉中だと明らかにしたことが材料となった。信用調査のエクスペリアンは22年3月期通期の売上高見通しを引き上げたことが好感され買われた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15629.66(-159.32)
15日のドイツ株式指数(DAX)は3日続落した。終値は前日と比べて159.32ポイント(1.0%)安の1万5629.66だった。
 
個別では、エネルギー関連のシーメンス・エナジーは11%急落した。風力発電機部門の業績不振で、グループ全体の2021年9月期通期の業績目標を達成しそうにないとの見通しを示したことが売り材料となった。半導体のインフィニオンテクノロジーズも下げた。上昇したのは電力のエーオンを含む4銘柄だけだった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6493.36(-65.02)

株ちゃんofficial xはこちら!
目次