NYダウ続伸306ドル高、景気敏感株に買い

 
8日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比306ドル14セン高の2万1802ドル44セントで終えた。
追加の米経済対策が近く成立するとの期待から景気敏感株に買いが優勢となった。
米議会上院は先週末、総額1兆9000億ドル規模の経済対策法案を可決。14日までにバイデン大統領が署名し、成立する見通しとなった。1人当たり最大1400ドルの現金給付なども含んでおり、景気押し上げ効果への期待から株式の買いが先行。ダウ平均は一時650ドル超上昇し、取引時間中の史上最高値を更新した。
米疾病対策センター(CDC)が、新型コロナウイルスのワクチン接種した人同士であれば、マスクなしで小規模な会合が可能になるとの見解を表明。経済活動の正常化が進むとの見方も株価上昇につながった。
 
経済活動の再開の恩恵を受けやすい銘柄が買われた。カリフォルニア州が5日にテーマパークの営業制限の緩和を発表、「ディズニーランド」が近く再開するとの見方から映画・娯楽のウォルト・ディズニーが6%高。クレジットカードのビザや、経済対策が業績を押し上げるとアナリストが指摘したホームセンターのホーム・デポも高い。
 
景気回復を見込み、8日の米債券市場では長期金利が一時1.6%台に上昇した。これを好感して、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株も総じて高かった。ダウ平均の上げ幅は一時651ドルに達し、2月に付けた過去最高値を上回った。
 
週後半に重要指標の発表を控え、市場では様子見姿勢も広がっている。翌3日は2月のADP全米雇用報告や米ISMサービス業購買担当者景況指数(PMI)、週末5日は2月の米雇用統計が発表される。日系証券関係者は「指標の内容によっては、長期金利の上昇圧力が再び強まる」と指摘。目先、金利のさらなる上昇が株価の重しとなる状況が続く可能性があると説明した。
 
ナスダック総合株価指数は反落し、前週末比310.987ポイント(2.4%)安の1万2609.161で終えた。朝方は高くなる場面もあったが、米長期金利の上昇を受けて高PER(株価収益率)のハイテク株の持ち高を整理する目的の売りが午後に加速した。スマートフォンのアップルが4%下げ、ソフトウエアのマイクロソフトは2%近く下げた。半導体のエヌビディアが7%安、電気自動車のテスラは6%安となった。
 
在宅勤務や巣ごもり消費が追い風だった銘柄への売りも目立った。ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズは8%下げた。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
31,802.44+306.14
S&P500種
3,821.35-20.59
ナスダック
12,609.161-310.987
NY金(ドル/トロイオンス)
1,698.50-2.20
NY原油(ドル/バレル)
64.68-1.41
円・ドル
108.88 – 108.93+0.38
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

 
8日のシカゴ日経平均先物は反落した。3月物は前週末比350円安の2万8830円で引け、8日の大取終値を70円上回った。
 
経済活動の再開が進んでいるほか、バイデン大統領が提示した1.9兆ドル規模の新型コロナウイルス追加経済対策法案を上院が可決したため速やかに成立し回復をさらに支援するとの期待に寄り付き後、大きく上昇した。特に景気循環株を押し上げ、ダウは日中取引で史上最高値を更新。米株とともに買われる場面もあった。一方、金利高を警戒したハイテク株の売りは加速した。
この日の3月物高値は2万9475円、安値は2万8565円。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28830 ( +70 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28835 ( +75 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6719.13(+88.61)
8日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前週末の終値に比べ88.61ポイント(1.3%)高の6719.13で引けた。構成銘柄の6割超が上昇した。
序盤は軟調で、6600を試す展開となった。しかし、午後に入って米株価が高寄りするとジリ高に転じ、引け際に3週間ぶり高値となる6726.40まで買われた。
時価総額の大きい金融株と鉱業株が指数をけん引した。銀行株には米長期金利の上昇を背景に利ざや改善を見込んだ買いも入った。
 
個別銘柄では教育事業のピアソンが大幅高となった。コロナ禍で好調だったデジタル教育事業を学校関連以外にも拡大する計画が好感された。航空機エンジンのロールス・ロイスも大幅に上げた。
買いが優勢で始まった石油株は、原油相場の下落に伴い売りに押された。ロンドン証券取引所(LSE)グループは続落した。複数のアナリストが目標株価を引き下げたことが響いた。同社は買収コスト増の懸念から前週末に急落していた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14380.91(+460.22)
8日のドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに大幅に反発した。終値は前週末と比べて460.22ポイント(3.3%)高の1万4380.91と、2月に付けた過去最高値(終値ベース)を更新した。1日の上昇幅としては2020年11月上旬以来の大きさだった。
米国の追加経済対策による景気回復への期待感などから、輸出株を中心に幅広い銘柄が買われた。
 
個別では、工業用ガスのリンデやタイヤのコンチネンタル、BMWなど自動車関連株の値上がりが目立った。下落したのは料理宅配大手のデリバリーヒーローなど3銘柄だけだった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5902.99(+120.34)
フランスやイタリアなど欧州の主要株式相場も軒並み大幅高となり、いずれも約1年ぶりの高水準で引けた。
 
 

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