26日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比223ドル92セント高の2万6616ドル71セントで終えた。
10-12月期GDP速報値が概ね堅調な内容となり、12月耐久財受注も予想を大幅に上振れ、買いが先行した。トランプ大統領がダボス会議での演説で米経済の好調さを強調し、環太平洋連携協定(TPP)の復帰を示唆したほか、為替相場でのドル安進行が好感され、終日堅調推移となった。ナスダック総合株価指数、S&P500種株価指数の主要3指数がそろって過去最高値を更新した。
ダウ平均は取引終盤にかけて上げ幅を広げ、この日の最高値で終えた。構成銘柄では半導体大手のインテルと工業製品・事務用品のスリーエム(3M)が大幅高となり、2銘柄で指数を76ドル超押し上げた。
インテルは前日夕発表の決算で売上高と1株利益が市場予想を上回り、2018年12月期の売上高見通しも予想を上回った。株価は10%超上昇した。3Mは25日朝発表の四半期決算と増配を好感した買いが続いた。
製薬のファイザーや医療保険のユナイテッドヘルス・グループなどヘルスケア関連株も軒並み買われ、相場上昇に寄与した。
米商務省が朝方発表した17年10~12月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率の伸び率が市場予想を下回ったが、個人消費が6四半期ぶりの伸びとなるなど力強い景気拡大の継続を示したと受け止められた。ファンダメンタルズへの安心感も相場を支えた。
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日比94.608ポイント高い7505.772で終えた。最高値の更新は23日以来3日ぶり。大手証券による目標株価の引き上げが伝わったアマゾン・ドット・コムが上昇。マイクロソフトや画像用半導体(GPU)のエヌビディアなど主力株への買いが目立った。
セクター別では、半導体・半導体製造装置や医薬品・バイオテクノロジーが上昇する一方で家庭用品・パーソナル用品や消費者・サービスが下落した。
個別では、バイオ製薬のアッヴィが急伸した。朝方発表した17年10~12月期決算で売上高や1株利益が市場予想を上回った。税制改革などの影響を考慮して18年12月期の利益見通しを引き上げたのも好感された。
短文投稿サイトのツイッター(TWTR)はクラウドベースの顧客管理ソフトなどのセールス・フォース(CRM)による買収観測が浮上し、急騰した。
仮想化技術開発のヴイエムウェアは大幅高。米デルが株式を再上場し、同社の買収を検討していると伝わった。バイオジェンやギリアド・サイエンシズなどバイオ製薬の上げも目立った。
一方、コーヒーチェーンのスターバックス(SBUX)は既存店売上高が予想を下振れ、軟調推移となった。日用品のコルゲート・パルモリーブが急落した。手術システム・機器を手掛けるイントゥイティブ・サージカルが安い。カジノ・ホテル運営のウィン・リゾーツ(WYNN)は、創業者でもあるスティーブ・ウィンCEOがセクシャルハラスメントで複数の訴えを受けていることが明らかとなり、大幅下落した。
VIX指数は11.08と低下(前営業日11.58)。米株は上昇して寄り付き、プラス圏を維持して堅調だった。VIX指数は前日のレンジを下回り、11.08まで低下した。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,616.71+223.92
S&P500種
2,872.87+33.62
ナスダック
7,505.772+94.608
米10年債利回り(%)
2.6599 +0.039
米2年債利回り(%)
2.1203 +0.036
NY金(ドル/トロイオンス)
1,352.10-10.80
NY原油(ドル/バレル)
66.24+0.73
円・ドル
108.75 – 108.76 -0.27
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。3月物は前日比120円高の2万3725円で取引を終え、大阪取引所の終値を95円上回った。米株高を好感した買いが入った。
好調な景気指標などを背景に、NYダウ平均など主要3指数が軒並み過去最高値を更新した。
一方、日銀の黒田東彦総裁の発言を手がかりに円高が進み、上値を抑えた。この日の3月物の高値は2万3785円、安値は2万3535円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
23725 ( +95 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
23745 ( +115 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反発した。
前日25日の終値に比べ49.70ポイント高の7665.54で引けた。構成銘柄の約8割が上昇した。
2017年10~12月期の英実質国内総生産(GDP)速報値の伸びが市場予想を上回ったことをきっかけに、ポンドがやや買い戻され、株価指数がやや伸び悩む場面もあった。
ただ、その後のポンド売りを受けて再び上げ幅を拡大した。ポンド安で業績に好影響を受ける多国籍企業の銘柄中心に買われ、医薬品株とたばこ株の上げが株価指数を押し上げた。
個別では、医薬品株が買われ、なかでも肺疾患向け吸入器の臨床試験で好結果が示されたアストラゼネカの上げが目立った。たばこのインペリアル・ブランズとブリティッシュ・アメリカン・タバコも上がった。航空株も堅調だった。イージージェットは、アナリストによる株価目標引き上げなどが好感され、上げが大きくなった。
半面、医療のメディクリニック・インターナショナルと、日用品のレキットベンキーザー、鉱業のランドゴールド・リソーシズの下げが目立った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反発した。終値は前日25日に比べて41.81ポイント高の13340.17だった。
鉄鋼のティッセン・クルップと、透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケア、消費財のヘンケルの上げが目立った。一方で、重電のシーメンスとドイツ銀行は下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,529.15+47.94
