15日のNYダウ工業株30種平均は前週末比157ドル62セント高の2万5763ドル16セントは続伸で終えた。
中国・北京市で食品卸売市場が感染源とみられる新型コロナウイルスの集団感染が拡大したほか、米国でも南部のフロリダ州やテキサス州など早期に経済活動を再開した州を中心に新規患者が急増し、感染拡大「第2波」への警戒感が台頭。朝方のダウは売りが先行し、一時760ドル超安まで下落した。6月のニューヨーク州製造業景況指数が前月から大幅に改善したことを受け、その後は下げ幅を削ったものの、午前中はマイナス圏での取引が続いた。
午後になって米連邦準備理事会(FRB)が5月に開始した社債の上場投資信託(ETF)の購入に加え、個別企業の社債の買い取りも始めると表明した。
FRBは同時に中小・中堅企業向けの「メインストリート融資制度(MSLP)」を通じ、資本市場で資金を調達できない企業向けの融資も開始したと発表した。米企業への資金支援を通じて米経済を支える姿勢を改めて示し、好感した買いでダウ平均は一時280ドルあまり上昇した。
ただ、その後は不安定な値動きが続き、終盤に再びマイナス圏に沈む場面もあった。
航空・防衛のレイセオン・テクノロジーズや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)など景気敏感株の一角が買われた。航空機のボーイングや映画・娯楽のウォルト・ディズニー、ゴールドマン・サックスなどの金融株も上げて終えた。スマートフォンのアップルなど主要ハイテク株にも買いが向かった。
新型コロナの感染第2波への懸念から売りが先行し、ダウ平均は寄り付き直後には760ドルあまり下げる場面があった。感染が収束したとみられていた中国の北京で新規感染者数が増加した。米国では経済再開で先行したフロリダ州やカリフォルニア州で感染増が顕著になり、テキサス州では1日当たりの入院患者が過去最高になった。
セクター別では、保険・耐久消費財・アパレルが上昇、一方で、医薬品・バイオテクが下落した。
ナスダック総合株価指数は同137.21ポイント高の9726.02で終えた。新型コロナの感染拡大リスクが意識され、巣ごもり消費銘柄とされる動画配信のネットフリックスやネット通販のアマゾン・ドット・コムなどが買われた。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,763.16+157.62
S&P500種
3,066.59+25.28
ナスダック
9,726.023+137.215
NY金(ドル/トロイオンス)
1,727.20-10.10
NY原油(ドル/バレル)
37.07+0.81
円・ドル
107.37 – 107.41+0.02
【シカゴ日本株先物概況】
15日のシカゴ日経平均先物は反落した。9月物は前週末比235円安の2万1915円で引け、15日の大取終値を565円上回った。
朝方に新型コロナウイルスの感染「第2波」への懸念から米株とともに売られた。その後、ハイテク株が持ち直したほか、米連邦準備理事会(FRB)が景気支援策である社債購入の開始を発表し投資家心理が改善、上昇に転じた。
この日の9月物安値は2万1305円、高値は2万2180円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21915 ( +565 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21990 ( +640 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6064.70(-40.48)
15日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前週末の終値に比べ40.48ポイント(0.7%)安の6064.70で引けた。
新型コロナウイルスの米中での感染「第2波」への懸念が広がった。終日マイナス圏での取引だった。ただ、寄り付きでは一時節目の6000を下回ったが、引けにかけて下げ渋った。
指数構成銘柄全体の約7割が下落した。資源株の下げが目立った。
石油大手のBPは2%安で引けた。同社が15日、原油需要の長期的な停滞を想定し、2020年4~6月期に最大175億ドル(約1兆9千億円)の減損損失を計上する見通しだと発表したのが嫌気された。
主な個別銘柄では、産金大手フレスニーヨが5.9%安、同業のポリメタル・インターナショナルも3.7%安とそれぞれ軟調。資源大手BHPビリトン(3.3%安)、鉱業大手アングロ・アメリカン(2.9%安)なども軒並み売られた。中国関連では高級衣料バーバリーも2.8%安とさえなかった。
半面、流通・アウトソーシング会社ブンズルが約10%の大幅高。新型コロナワクチンで先行する製薬大手アストラゼネカも1%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11911.35(-37.93)
15日のドイツ株式指数(DAX)は6日続落した。終値は前週末と比べて37.93ポイント(0.3%)安い1万1911.35だった。
米国など主要国で新型コロナウイルス感染者が再び増加し、感染再拡大への警戒が強まっている。投資マインドが悪化し、低調な動きをみせている。経済再開の遅れを警戒した売りが出た。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4815.72(-23.54)
