21日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比123ドル69セント高の3万4207ドル84セントで終えた。欧米の企業景況感が改善し、景気敏感株を中心に買いが優勢だった。上げ幅は一時300ドルを超えた。
ただ、暗号資産(仮想通貨)のビットコインの価格が下落するとハイテク株は売り優勢となり、ダウ平均も午後に掛けて伸び悩んだ。
IHSマークイットが午前に発表した5月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値は61.5に上昇。市場予想を上回り、過去最高となった。前日発表された週間失業保険申請件数も減少傾向を維持した。長期金利の上昇が一服する中、景気回復が継続していることを好感し、株式の買いが先行した。
個別銘柄では景気敏感株への買いが目立った。航空機のボーイングや金融のゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェース、建機のキャタピラー、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが高い。米原油先物相場が上昇し、石油のシェブロンも買われた。
ダウ平均は午後に掛けて上げ幅を縮めた。中国政府がビットコインのマイニング(採掘)への取り締まりを強化すると発表し、4万1000ドル台で推移していたビットコイン価格が3万5000ドル台に下げる場面があった。今週は仮想通貨の動向が市場心理に影響しやすくなっており、投資家が運用リスクを取る動きがやや後退した。
ビットコイン急落で、株価指標面で割高感があるグロース(成長)株が売り優勢に転じた。スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトが下げ、ダウ平均の重荷となった。
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比64.746ポイント(0.5%)安の1万3470.993で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムと交流サイトのフェイスブックが安い。半導体関連の一角も売られた。一方、株式分割を発表した画像処理半導体のエヌビディアは3%近く上げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
34,207.84+123.69
S&P500種
4,155.86-3.26
ナスダック
13,470.993-64.746
NY金(ドル/トロイオンス)
1,876.70-5.20
NY原油(ドル/バレル)
63.88+1.94
円・ドル
108.93 – 108.95-0.04
【シカゴ日本株先物概況】
21日の日経平均先物は上昇した。6月物は前日比150円高の2万8380円で引け、21日の大取終値を30円上回った。
IHSマークイットが午前に発表した5月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値は61.5に上昇。市場予想を上回り、過去最高となった。前日発表された週間失業保険申請件数も減少傾向を維持した。長期金利の上昇が一服する中、景気回復が継続していることを好感しNYダウ工業株30種平均が上昇し、日経平均先物に買いが波及した。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
21日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反落した。前日の終値に比べ1.74ポイント安の7018.05で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。
午前は、週末を控えて利益確定を目的とした売りに押されたが、午後には一部買い戻され小動きで推移した。
銅価格の下落で鉱業株が売られ、時価総額の大きい酒類のディアジオや食品・日用品のユニリーバの下げとともに株価指数を押し下げた。原油高による石油株の上昇が指数の下値を支えた。
個別銘柄では英ホームセンター大手キングフィッシャーが4.4%安、不動産大手ブリティッシュ・ランドが3.3%安、英不動産サイト大手ライトムーブが2.0%安、オンライン食品デリバリー大手ジャストイート・テークアウェイが1.8%安とさえなかった。
一方、通信のBTグループは、アナリストによる株価目標引き上げなどが好感され上昇した。
賭け屋大手フラッター・エンターテインメントが2.1%高、英航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが1.9%高と堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
21日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて67.25ポイント高の1万5437.51だった。
21日に発表された5月のユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI)が製造業とサービス業を合わせた総合指数で改善し、3年3カ月ぶりの高水準となった。景気回復への期待から買いが広がった。
個別では、ドイツ銀行は、アナリストによる株価目標引き上げなどが好感され買われた。タイヤのコンチネンタルの上昇も目立った。料理宅配大手のデリバリーヒーローは下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)6,386.41 +42.83
