NYダウ続伸122ドル高、経済対策期待

 
8日のNYダウ工業株30種平均は前日比122ドル05セント高の2万8425ドル51セントと続伸した。9月2日以来、1カ月ぶりの高値で終えた。追加の経済対策への期待から引き続き買いが入り、相場を押し上げた。
 
トランプ米大統領は8日、協議停止を表明した新型コロナウイルスの追加経済対策をめぐり、交渉再開を明言。航空会社への雇用維持支援策、現金給付策について「何かできる可能性は非常に高い」と述べた。この発言を受けて支援策実現に期待が広がる中、リスク選好の動きが強まり、取引序盤から買いが先行した。
 
ダウ平均は下落に転じる場面もあった。民主党のペロシ下院議長はトランプ氏が提案する個別の追加経済対策を支持しない方針と伝わると、相場は急速に伸び悩んだ。ペロシ氏は「より大規模な経済対策なしに、個別の支援策は実施しない」と記者団に対して述べ、与野党協議の難航が嫌気された。
ダウ平均は一時マイナス圏に沈む場面もあった。だが、すぐにプラス圏に浮上し、取引終盤まで堅調な値動きが続いた。この日発表された最新週の新規失業保険申請件数は市場予想を上回り、労働市場の低調さが示されたが、相場にはさほど響かなかった。
 
トランプ米大統領は6日夜、空運会社や中小企業向けに個別の経済対策を承認するよう議会に求めた。8日朝の米メディアのインタビューでは、「(与野党は)空運会社への支援より大きな案件について協議している。家計への1200ドルの現金給付やそのほかの支援についても話し合っている」と述べたと伝わった。追加対策が成立すれば、景気回復の勢いが増すとの楽観が広がった。
 
非中核事業の分離を発表したIT(情報技術)大手のIBMが6%高となった。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスと金融のゴールドマン・サックスも高い。化学のダウや航空機のボーイングなど景気敏感株も上昇した。
 
セクター別ではエネルギー、公益事業が上昇した一方で、電気通信サービスが下落した。
 
ナスダック総合株価指数も続伸し、前日比56.38ポイント(0.5%)高の1万1420.98で終えた。SNS(交流サイト)のフェイスブックや検索大手グーグルの親会社アルファベットなど主力ハイテク株の一角が上げた。バイオ製薬のリジェネロン・ファーマシューティカルズも上昇した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
28,425.51+122.05
S&P500種
3,446.83+27.38
ナスダック
11,420.980+56.381
NY金(ドル/トロイオンス)
1,895.10+4.30
NY原油(ドル/バレル)
41.33+0.14
円・ドル
106.01 – 106.03+0.03

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
8日のシカゴ日経平均先物は続伸した。
米追加経済対策への期待から米株が続伸し、日経平均先物に買いが波及した。
12月物は前日比120円高の2万3615円で引け、8日の大取終値を15円下回った。
この日の12月物高値は2万3685円、安値は2万3460円。
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23615 ( -15 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23660 ( +30 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5978.03(+31.78)
8日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ31.78ポイント高の5978.03で引けた。指数構成銘柄全体の約6割が上昇した。
 
英国内で新型コロナウイルスの感染が急増しており、スコットランドに続き、イングランドでも一段と厳しい制限が導入される見通しとなった。ただ、イングランド銀行のベイリー総裁が追加の景気刺激策を示唆し、投資家はこれを好感した。
朝方はやや売りが先行していたが、航空機エンジンのロールス・ロイスが20%超高と急伸し、相場全体を押し上げた。
 
個別銘柄では、ロールス・ロイスの株価は新型コロナウイルスの影響で大幅に下落していこともあり、前週末から買い戻す動きが続いている。トランプ米大統領が6日夜に空運会社などへの支援策の実施を議会に求めたことを受けて、米経済支援策の一部が実現するとの期待も買い材料視された。航空のインターナショナル・エアラインズ・グループも高かった。原油高を追い風に石油株は上昇した。
 
半面、住宅建設株も上げた。包装のDSスミスや製紙のモンディなど紙材関連銘柄の売りが目立った。ファイナンシャル・サービスのハーグリーブス・ランズダウンが安かった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13042.21(+113.64)
8日のドイツ株式指数(DAX)は4日続伸した。終値は前日と比べて113.64ポイント高の1万3042.21だった。終値で1万3000台を付けたのは9月中旬以来、ほぼ3週間ぶりとなる。
個別では、ハイデルベルクセメントとミュンヘン再保険が高かった。それぞれアナリストが目標株価を引き上げたことを手掛かりに上げた。半面、料理宅配大手のデリバリーヒーローは安かった。自動車株も売りに押された。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4911.94(+29.94)

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