27日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前週末比358ドル51セント(1.5%)高の2万4133ドル78セントで終えた。米国で段階的に経済活動を再開させる動きが広がっており、米景気が回復に向かい始めると期待した買いが優勢だった。
感染がもっとも深刻なニューヨーク州は、業種や地域ごとに段階的に外出制限などを緩和していく計画を示している。複数の州が徐々に規制を解除していく方針で、ジョージア州は一部の経済活動を再開させた。こうした動きを市場は好感し、幅広い銘柄が買われ、ダウ平均は続伸した。
米国では前週に新型コロナ対応としては4800億ドル規模の追加の経済対策が成立した。米連邦準備理事会(FRB)も28~29日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で積極的な金融緩和を続ける方針を示すとみられる。財政・金融政策が米景気を支えると見方も買いを後押しし、ダウ平均は一時430ドル高まで上げ幅を広げた。
テーマパーク事業の業績懸念から足元で売りが目立っていた映画・娯楽のウォルト・ディズニーが大幅高となり、ダウ平均を押し上げた。金利上昇を受けてJPモルガン・チェースなど金融株も高い。事務製品・工業用品のスリーエム(3M)や化学のダウなど景気敏感株にも買われた。
ダウ平均は朝方には伸び悩む場面もあった。米原油先物市場でWTIの期近物が一時30%下げた。エネルギー産業が一段と低迷し、米景気の重荷となることが懸念された。エクソンモービルなどの石油株が下げる場面があった。
セクター別では銀行や自動車・自動車部品が大きく上昇した一方、家庭パーソナル用品が唯一下落した。
ナスダック総合株価指数は続伸し、同95.64ポイント高の8730.16と3月上旬以来の高値で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,133.78+358.51
S&P500種
2,878.48+41.74
ナスダック
8,730.164+95.644
NY金(ドル/トロイオンス)
1,723.80-11.80
NY原油(ドル/バレル)
12.93-4.01
円・ドル
107.23 – 107.27+0.01
【シカゴ日本株先物概況】
27日のシカゴ日経平均先物は続伸した。
6月物は前週末比360円高の1万9790円で引け、27日の大取終値を70円上回った。
日本銀行が予想通り追加緩和に踏み切り、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で大規模緩和が維持されるとの見方や、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和観測が支援材料となり引けにかけて大きく上げ幅を拡大、経済再開に向けた期待が広がり日経平均先物は米株とともに買われた。
この日の6月物高値は1万9835円、安値は1万9340円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
19790 ( +70 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
19850 ( +130 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5846.79(+94.56)
27日のFTSE100種総合株価指数は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、株価は反発した。
前週末の終値に比べ94.56ポイント(1.6%)高い5846.79で引けた。
ドイツやオーストリアに続き、イタリアやスペインなどでも5月以降に外出制限が緩和される見通しとなった。米国でもニューヨーク州が経済活動を段階的に再開する方針を示し、世界経済の先行き警戒感がやや後退した。指数採用銘柄の約8割が値上がりした。
個別銘柄では、旅行大手カーニバルが8.6%高。建機レンタルのアシュテッド・グループは8.5%高、英ホテル大手インターコンチネンタルホテルズグループは7.1%高など旅行関連株が上昇した。
一方、不動産大手バークレー・グループは4.0%安、同業パーシモンは2.9%安、英水道会社ペノングループは2.5%安、英小売りJDスポーツファッションは2.4%安、英住宅大手テイラー・ウィンペイは1.9%安とふるわなかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10659.99(+323.90)
27日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前週末と比べて323.90ポイント(3.1%)高の10659.99だった。
先週末の米株高やアジア株高の流れを引き継ぎ、買いが先行。全てのセクターが上昇し、特に銀行セクターの上昇が際立っている。
ドイツやオーストリアなどに続き、南欧諸国の一部でも5月から外出制限の緩和が始まる見通しとなり、欧州経済の先行き不安がやや後退した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4505.26(+111.94)
