2日のNYダウ工業株30種平均は前日比475ドル57セント高の3万0687ドル48セントと米追加経済対策への期待などに支えられ、続伸した。
バイデン米大統領が掲げる総額1兆9000億ドルの追加経済対策をめぐり、与党民主党では、野党共和党の賛成を必要とせずに上院で対策を成立させる「財政調整措置」を準備する動きが出ている。対策の早期成立への期待が引き続き相場を支えた。これに対し、共和党の穏健派議員は、6180億ドルに減額した案を提示していた。
米国の新型コロナウイルスの新規感染者数や死亡者数が減少しつつあり、行動制限が緩和されるとの期待も強まった。経済が正常化するにつれ、景気が持ち直すとの見方が買いを促した。
また、ここ最近の一部銘柄や銀先物相場の急伸につながった個人投資家らによる資金の流入が落ち着きを見せていることも、買い安心感につながった。
ゲームストップ株は60%安となり、映画館運営のAMCエンターテインメント・ホールディングスは40%超下げた。ネット証券のロビンフッド・マーケッツは一部銘柄に対する一定の購入制限を維持している。投機的な取引が弱まるとの見方が広がり、投資家心理がやや上向いた。追加の米経済対策への期待も根強く、景気敏感株を中心に買いが優勢となった。
国債増発の観測などから米債券市場で長期金利が上昇し、利ざや拡大の見方からゴールドマン・サックスが4%上げた。景気敏感株は総じて買われ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス、建機のキャタピラーや化学のダウが高い。
ナスダック総合株価指数は前日比209.383ポイント(1.6%)高の1万3612.777で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムやスマートフォンのアップルなど主力ハイテク株やインテルなど半導体株も上げた。アナリストが目標株価を引き上げた電気自動車のテスラは4%上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
30,687.48+475.57
S&P500種
3,826.31+52.45
ナスダック
13,612.777+209.383
NY金(ドル/トロイオンス)
1,863.90+13.60
NY原油(ドル/バレル)
55.03+1.48
円・ドル
104.94 – 104.98-0.04
【シカゴ日本株先物概況】
2日のシカゴ日経平均先物は続伸した。
3月物は前日比180円高の2万8475円で引け、2日の大取終値を115円上回った。
投機的な売買による市場混乱が収束に向かうとの見方が広がり、寄り付きから上昇した。引け後に大型ハイテク企業の決算を控え、市場の関心は企業業績に移った。追加経済対策が進展するとの期待や、新型コロナワクチン普及が加速していることなども後押しし、引けにかけて上げ幅を拡大した。円安進行に加え、バイデン政権の大型経済対策を民主党が単独で成立させるとの期待も支援材料になった。
この日の3月物高値は2万8510円、安値は2万8075円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28475 ( +115 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28490 ( +130 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6516.65(+50.23)
2日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日の終値に比べ50.23ポイント高の6516.65で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
アジアや米国の株高などを背景に、株価指数は堅調に推移した。ただ、指数構成銘柄の中で鉱業株が占める割合が大きいため、英国株は他の欧州と比べて上昇幅は小幅だった。
英国で新型コロナウイルスワクチンの接種が順調に進んでいることも投資家心理の改善につながった。
金融株が相場の上昇をけん引した。銀行株と保険株はそれぞれ全銘柄が上昇した。英国などの長期金利上昇を背景に利ざや拡大を見込んだ買いが入った。
個別銘柄では、インターコンチネンタル・ホテルズ・グループや航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)、レジャー・外食のウイットブレッドなど旅行関連株の上げが目立った。金融大手バークレイズ(4%高)などの銀行株も買われた。酒類のディアジオやたばこ株も堅調だった。
半面、石油のBPが大幅安。2日発表の2020年12月期決算で最終損益が赤字となり、赤字幅も過去最悪となったことを受けて売りが膨らんだ。主力の鉱業株は、利益確定の売りで下落した。なかでも前日に大幅上昇したフレスニージョが安かった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13835.16(+213.14)
2日のドイツ株式指数(DAX)は大幅続伸した。終値は前日と比べて213.14ポイント(1.6%)高の1万3835.16だった。下落したのは3銘柄だけだった。
2日のアジア株高を受けて朝方から買いが優勢。午後になって米株式相場も大幅上昇して始まり、幅広い銘柄が買われた。
個別では、航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズや、フォルクスワーゲンを筆頭に自動車株が高かった。透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアは10%超安と急落した。2021年の減収見通しを示し、アナリストが目標株価を引き下げたことが材料になった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5563.11(+101.43)
