27日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比23ドル87セント(0.1%)高の2万8645ドル26セントと過去最高値を更新して終えた。
取引参加者が少なく、新規の材料に欠ける中、好調な年末商戦への安心感が引き続き相場を支えた。クレジットカード大手マスターカードやインターネット通販最大手アマゾン・ドット・コムが前日発表した商戦関連のデータでは、米経済のけん引役である個人消費の堅調ぶりが示された。買いが先行し、ダウ平均は80ドル程度上昇する場面があった。
ダウ平均ではスポーツ用品のナイキに加え、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や飲料のコカ・コーラ、マクドナルドなど消費関連銘柄の上げが目立った。
米中が貿易協議の第1段階の合意について2020年1月中の調印に向けた手続きを進めていると報じられており、貿易問題への楽観が引き続き相場を押し上げた。
中国国家統計局が27日に発表した11月の工業部門利益が4カ月ぶりにプラスに転じ、8カ月ぶりの高い伸びとなったことも地合いを強めた。
引けにかけて急速に上げ幅を縮小した。クリスマスや年末で休暇中の市場参加者が多いうえ、週末だったこともあって買いが続かなかった。午前中は上昇していたスマートフォンのアップルが下落に転じたことも影響した。
セクター別では家庭用品・パーソナル用品や食品・飲料・タバコが上昇する一方で、エネルギーや銀行が軟調推移となった。
ナスダック総合株価指数は12営業日ぶりに反落し、同15.774ポイント安の9006.617で終えた。最近、上げが目立っていた半導体関連や大型ハイテク株の一角に利益確定の売りが出た。
NYダウ工業株30種(ドル)
28,645.26+23.87
S&P500種
3,240.02+0.11
ナスダック
9,006.617-15.774
NY金(ドル/トロイオンス)
1,518.10+3.70
NY原油(ドル/バレル)
61.72+0.04
円・ドル
109.41 – 109.42-0.147
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反落した。
3月物は前日比155円安の2万3770円で引け、同日の大取終値を70円下回った。
円相場の反発に加え、米株式市場でナスダック総合株価指数が12営業日ぶりに反落し、日経平均先物は売りが優勢になった。年末を控え市場参加者は少なく取引は低調だった。
この日の3月物安値は2万3745円、高値は2万3930円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
23770 ( -70 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
23795 ( -45 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
連休明け27日のFTSE100種総合株価指数は11日続伸した。前営業日の24日終値に比べ12.66ポイント高の7644.90と7月下旬以来、約5カ月ぶりの高値(終値ベース)で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。FT指数は週間では0.8%高。
朝方から高値圏で推移。午後には石油株の売りなどで下げに転じる場面もあったが、押し目買いが入って持ち直した。鉱業と医薬品株の上昇が株価指数を押し上げた。
個別銘柄では、外食デリバリーサービスのジャスト・イートが2.4%高、衣料小売りのネクストは2.2%高と上昇が目立った。水道サービス会社ユナイテッド・ユーティリティーズ・グループとスイス資源大手グレンコア、産金・産銀会社ポリメタル・インターナショナルは各1.7%高だった。
一方、前週から売り買いが交錯している総合ヘルスケアのNMCヘルスは2.6%安とこの日売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
連休明け27日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。
終値は前営業日の23日と比べて36.13ポイント(0.27%)高の13337.11だった。
米中貿易協議の進展期待に加え、良好な中国経済指標が買い材料となった。
個別では、透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアと航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズが買われた。一方、医薬・農薬大手のバイエルとミュンヘン再保険は下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)6,037.39 +7.84
