2日のNYダウ工業株30種平均は反発した。前営業日の2023年12月29日に比べ25ドル50セント(0.06%)高の3万7715ドル04セントと、23年12月28日以来の最高値で終えた。
この日は米主要経済指標の発表に乏しく手掛かり難の状況。ダウ平均はハイテク株主導で売りが優勢となり、弱含みで今年初の取引をスタートした。インテル、アップルなどに売りがかさみ、終日上値が重い展開となったが、米製薬大手メルク、アムジェンなどが買われる中、引け間際にプラス圏に浮上して取引を終えた。
週末の雇用統計待ちムードが強く、ダウは方向感に欠けたが、ナスダックは終日軟調で1.6%超安で引けた。この日の長期金利上昇もハイテク株の弱材料となっており、市場では「昨年末にかけて利下げ期待が高まり過ぎていたが、これが(やや)剥落したことが一因」(市場関係者)との指摘が聞かれた。
このところ出遅れていたディフェンシブ株が上昇し、相場を押し上げた。半面、スマートフォンのアップルが下落し、ハイテク株全般に売りが及んだのは重荷だった。
ダウ平均の上げ幅は100ドルを超える場面があった。製薬のメルクやバイオ製薬のアムジェン、通信のベライゾン・コミュニケーションズなどディフェンシブ株が買われた。米連邦準備理事会(FRB)が24年前半に利下げするとの期待が高まる中で買われてきたハイテク株や景気敏感株の一角に売りが出るなか、ディフェンシブ株が資金の受け皿となった。
ただ、相場の上値は重く、ダウ平均は下げる場面もあった。アップルが4%弱下げた。バークレイズが投資判断を引き下げ、iPhone15の販売が苦戦していると指摘した。アップル株安が投資家心理を冷やし、他のハイテク株にも売りが及んだ。ダウ平均の構成銘柄では顧客情報管理のセールスフォースとソフトウエアのマイクロソフトの下げが目立った。
米長期金利が3.9%台前半と前年末の終値(3.87%)を上回って推移。高PER(株価収益率)のハイテク株の相対的な割高感が意識されたのも米株相場の重荷だった。
ナスダック総合株価指数は3日続落した。前営業日比245.412ポイント(1.63%)安の1万4765.940で終えた。半導体のエヌビディアや交流サイトのメタプラットフォームズなど主力ハイテク株の下げが目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
2日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は連休前の2023年12月29日と比べ255円安の3万3010円で引けた。1日に石川県能登地方で最大震度7の地震が発生し、日本の企業活動への影響を警戒した売りが出た。2日の米株式市場でハイテク株を中心に売りが出たことも、日経平均先物の重荷となった。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
連休明け2日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前営業日にあたる2023年12月29日の終値に比べ11.72ポイント(0.15%)安の7721.52で終えた。2日に発表された23年12月の英国の製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は46.2だった。好不況の境目とされる50を下回る水準で、速報値(46.4)から下方修正されたことが嫌気された。欧米の金利上昇も、投資家心理の重荷だった。
信用調査のエクスペリアンなど商業・専門サービスの関連銘柄が売られた。建機・産業機器レンタルのアシュテッド・グループ、保険のプルデンシャルやベンチャー・キャピタルの3iグループの下げも目立った。半面、製薬株やエネルギー株の上昇は、相場を下支えした。
FTSEの構成銘柄では、産金大手フレスニロが3.94%安、生命科学分野などの専門的商品・サービスを提供するディプロマが3.69%安、保険会社セント・ジェームズ・プレイスが3.63%安だった。一方、製薬大手のGSKとアストラゼネカはそれぞれ2.04%高と1.77%高、通信大手ボーダフォンは1.75%高だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
連休明け2日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前営業日の2023年12月29日終値と比べて17.72ポイント(0.10%)高の1万6769.36で終えた。高値圏で推移しているとあって上値は重く、下げに転じる場面もあるなど明確な方向感には乏しかった。独防衛大手ラインメタルの株価上昇が目立った。銀行株、自動車株も買われた。一方、テクノロジー関連の銘柄には売りが出た。
では、防衛大手ラインメタル(4.25%高)や製薬大手サルトリアス(3.63%高)、ヘルスケア大手フレゼニウス(3.38%高)が買われた半面、通販大手ザランド(2.28%安)や半導体大手インフィニオン・テクノロジーズ(1.96%安)などが売られた。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.16%安だった。ユーロ圏や英国の国債利回りが上昇する中下落した。
