NYダウ最高値更新243ドル高、ナスダックは安い

29日のNYダウ工業株30種平均は反発した。前日比243ドル63セント(0.59%)高の4万1335ドル05セントで終え、2日ぶりに最高値を更新した。米経済が底堅さを保っているとの見方から景気敏感株が上昇し、ダウ平均を支えた。足元で売られていたハイテク株の一角にも見直し買いが入った。
 
米商務省が朝方発表した4~6月期の実質GDP改定値は、季節調整済み年率換算で前期比3.0%増となり、速報値(2.8%増)から上方修正されたほか、市場予想も上回った。
さらに、米労働省が発表した最新週の新規失業保険申請(季節調整済み)は、前週比2000件減の23万1000件となった。ダウは堅調な米経済指標を受けて、過度な景気後退(リセッション)懸念が和らぎ、買い安心感が広がる中、一時480ドル超上昇した。
 
ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアが6%あまり下げた。前日夕に発表した2024年5〜7月期決算や8〜10月期の売上高見通しは市場予想を上回った。ただ、業績期待で株価が上昇していたこともあって決算を受けて売りに押された。半導体株などの一部にはエヌビディアに連れ安する銘柄があった。
 
一方、エヌビディアの決算説明会での幹部コメントなどからは企業が依然として人工知能(AI)の開発や活用に積極的で、顧客のAI投資の収益化が早いことなども分かった。エヌビディア以外の半導体株やハイテク株を物色する動きもみられた。
 
ダウ平均ではAI分野でのIBMとの提携を発表したインテルが高い。ビザやゴールドマン・サックスも上げた。アップルやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトなども上昇した。一方、ベライゾン・コミュニケーションズやホーム・デポが安い。前日夕に決算とあわせて最高財務責任者(CFO)の退任を発表したセールスフォースも下げて終えた。
 
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比39.596ポイント(0.22%)安の1万7516.431で終えた。エヌビディアの下げが指数の重荷となった。一方、28日夕に四半期決算を発表したサイバーセキュリティーのクラウドストライク・ホールディングスが高かった。
 
 
NYダウ 41335.05 ( +243.63 )
S&P500 5591.96 ( -0.22 )
NASDAQ 17516.43 ( -39.59 )
米10年債利回り 3.862 ( +0.025 )
 
NY(WTI)原油 75.91 ( +1.39 )
NY金 2560.3 ( +22.5 )
VIX指数 15.65 ( -1.46 )
 
 
 
 
 
 
 
 
 

【シカゴ日本株先物概況】

 
29日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比145円高の3万8285円で終えた。この日はNYダウ工業株30種平均が最高値を更新した。投資家心理が上向き、シカゴ市場の日経平均先物に買いが優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
38285 ( -65 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38305 ( -45 )
 
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 

■イギリス・ロンドン株価指数
 FTSE100 8379.64(+35.79)
 
29日のFTSE100種総合株価指数は上昇し、前日比35.79ポイント(0.42%)高の8379.64と5月下旬以来、約3カ月ぶりの高値で終えた。29日発表の米経済指標を受け、米経済が底堅さを保っているとの見方が広がった。米株式市場で主要な3指数が上昇して始まり、ロンドン市場では主力株に買いが優勢となった。

外国為替市場でポンド安・ドル高が進み、英国外での売上比率が高い日用品大手ユニリーバや英アストラゼネカといった医薬品株が上昇した。

FTSEの構成銘柄では、蒸気システム大手スパイラックス・サーコが3.91%高、ホテル大手ウィットブレッドが3.71%高、流通大手バンズルが2.72%高と上昇を主導した。一方、不動産投資信託会社ロンドンメトリック・プロパティーは3.45%安、物流施設大手セグロは1.92%安、学生向け住宅の開発・運営を手掛けるユナイト・グループは1.87%安となった。

 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18912.57(+130.28)

29日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日比130.28ポイント(0.69%)高の1万8912.57と5月中旬以来、約3カ月半ぶりに最高値を更新した。29日に発表されたドイツの物価指標が同国での物価上昇圧力が弱まっている様子を示した。欧州中央銀行(ECB)が追加利下げに動きやすくなるとの見方が投資家心理を支えた。

個別では、スポーツ用品大手アディダスが2.03%高、業務用ソフトウエア大手SAPが1.96%高、医療機器のザルトリウスが1.76%高と買われた半面、不動産大手ボノビアは1.73%安、エネルギー大手イーオンは1.17%安、ハノーバー再保険は0.97%安で取引を終えた。

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7640.95(+63.28)

フランスの株価指数CAC40は続伸し、前日比0.83%高と7月中旬以来の高値で終えた。半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(スイス)などハイテク株が買われた。中国が欧州連合(EU)から輸入するブランデーについて、追加関税などの措置を見送ると伝わったのを材料に、酒類大手の仏ペルノ・リカールが上昇した。

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