NYダウ急反発1173ドル高、バイデン氏躍進を好感

4日のNYダウ工業株30種平均は前日比1173ドル45セント(4.5%)高の2万7090ドル86セント急反発した。
ダウ平均の上げ幅は、過去最大だった2日(1293ドル96セント)に次ぐ大きさとなった。
 
米大統領選の民主党候補者争いで3日、14州の予備選などが集中する序盤戦最大のヤマ場「スーパーチューズデー」の投開票が行われた。バイデン氏は9州での勝利を確実にした一方、「反ビジネス」の姿勢を打ち出す急進左派のサンダース上院議員が勝利を確保したのは3州にとどまった。市場はこれを歓迎し、恩恵を受けるヘルスケア関連を中心に幅広い銘柄に買いが膨らんだ。
 
ダウ平均の構成銘柄では医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループが11%上昇し、1銘柄でダウ平均を190ドル押し上げた。製薬のファイザーやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスも大幅高。
 
4日発表の好調な米経済指標も買いを促した。米ADPが発表した2月の全米雇用リポートは民間雇用が前月比18.3万人増え、市場予想(15.5万人)を上回った。2月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数は前月から1.8ポイント上昇の57.3と1年ぶりの高水準となり、市場予想(55.0)以上だった。新型コロナウイルスによる米景気下振れが懸念されていただけに、株の買い安心感につながった。
 
午後に入り、上げ幅はさらに拡大。米下院が4日にも採決する新型コロナ対策の緊急予算が80億ドル(約8600億円)規模に達すると報じられ、買いを促した。
 
セクター別ではヘルスケア機器・サービス、公益事業の上昇が目立った一方、エネルギー、銀行の上昇は限定的となった。
 
ナスダック総合株価指数は前日比333.998ポイント(3.8%)高の9018.088で終えた。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフト、アップルなど主力ハイテク株が軒並み上昇した。半導体株も総じて上げた。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,090.86+1,173.45
S&P500種
3,130.12+126.75
ナスダック
9,018.088+333.998
NY金(ドル/トロイオンス)
1,643.00-1.40
NY原油(ドル/バレル)
47.20+0.02
円・ドル
107.52 – 107.53±0.00
 


【シカゴ日本株先物概況】

4日のシカゴ日経平均先物は米株式の急反発を好感し反発した。
11月の米大統領選に向けての民主党候補選びで左派を抑え中道派のバイデン氏が優勢になり、投資家心理が上向いた。
3日に民主党の大統領選候補を選ぶ予備選・党員集会が集中する「スーパーチューズデー」が開かれ、国民皆保険を訴えるサンダース氏を抑えてバイデン氏が予想以上の勝利を収めた。
3月物は前日比510円高の2万1390円で引け、4日の大取終値を260円上回った。この日の3月物高値は2万1435円、安値は2万0785円
 

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
21390 ( +260 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
21395 ( +265 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6815.59(+97.39)
4日のFTSE100種総合株価指数は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて英イングランド銀行(中央銀行)が金融緩和策に乗り出すとの期待から3日続伸した。前日の終値に比べ97.39ポイント高の6815.59で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
 
新型コロナウイルスの感染拡大で世界景気の後退懸念が強まる中、各国の中銀と政府が景気刺激策に動き出すとの思惑が広がった。医薬品株の上昇が株価指数の上げに大きく影響した。
 
個別銘柄では、医薬品のアストラゼネカは4%近く、グラクソ・スミスクラインは3%超、それぞれ上げた。アナリストが株価目標を引き上げた総合公益会社のユナイテッド・ユーティリティーズ・グループの上げも目立った。日用品のレキットベンキーザーは3.5%高と大幅高だった。
 
一方、3日に買い戻された旅行関連株は下落した。航空のインターナショナル・エアラインズ・グループとイージージェットが売られた。旅行のTUIは、アナリストによる株価目標引き下げも響いて4%超下げた。航空機エンジンのロールス・ロイスの下落も大きくなった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12127.69(+142.30)
4日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて142.30ポイント(1.19%)高の12127.69だった。
新型コロナウイルスの感染拡大で世界景気の下振れが懸念される中、各国の中銀と政府が景気刺激策に動き出すとの観測が広がった。
 
個別銘柄では、医薬・農薬大手のバイエルは、アナリストが投資判断を引き上げたことなどが好感され上昇した。不動産のボノビアと電力のエーオンも上げた。オンライン決済サービスのワイヤーカードとタイヤのコンチネンタルは売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5464.89(+71.72)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて1%超、上昇した。
 

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