2日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比69ドル25セント高の2万6786ドル68セントと過去最高値を付けた2018年10月3日以来の高値で終えた。
前週末の米中首脳会談での対中追加関税見送りと貿易協議再開合意を受けて高まったリスク選好姿勢は、この日も継続した。ただ、原油安に伴うエネルギー株の下落が上値を抑え、株価は総じてマイナス圏で推移した。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場はこの日、世界的な需要減退懸念に押され、前日比4.8%安と大幅反落した
このほか、米通商代表部(USTR)は1日、欧州連合(EU)への発動を検討している追加関税の210億ドル分の対象品目に、40億ドル分の上積みを検討すると発表した。米中に続き、米欧の貿易摩擦への警戒感は残り、地合いが悪化、ダウ平均は前日終値を下回る場面が目立った。
米クリーブランド連邦準備銀行のメスター総裁がこの日の講演で、利下げをめぐる判断は「時期尚早」と述べたことも上値を重くした。利下げをめぐる判断は「時期尚早」と述べたことも上値を重くした。相場は過去最高値圏にあり、利益確定売りが出やすかった。
S&P500種株価指数は4日続伸し、8.68ポイント高の2973.01と連日で過去最高値を更新した。公益事業や不動産、生活必需品といった相対的に景気変動の影響を受けにくいとされる「ディフェンシブ株」が買われ、指数を押し上げた。
ナスダック総合株価指数は5日続伸し、前日比17.929ポイント高の8109.092と5月上旬以来の高値で終えた。アルファベットやフェイスブックといった主力株の一角が買われた。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,786.68+69.25
S&P500種
2,973.01+8.68
ナスダック
8,109.092+17.929
NY金(ドル/トロイオンス)
1,408.00+18.70
NY原油(ドル/バレル)
56.60+0.35
円・ドル
107.83 – 107.84-0.43
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅ながら5日続伸した。
9月物は前日比15円高の2万1695円で終え、大阪取引所の終値を25円下回った。米中貿易協議の再開を好感した買いは一巡したものの、世界的な金融緩和期待が相場を支えた。一方で米政権が欧州連合(EU)への発動を検討している追加関税の対象規模を拡大したため、世界景気の先行き警戒感から売りも出て上値は重かった。
高値は2万1750円、安値は2万1565円だった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21695 ( -25 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21710 ( -10 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7559.19(+61.69)
FTSE100種総合株価指数は軟調な英通貨ポンド相場を好感して3営業日続伸した。前日の終値に比べ61.69ポイント高の7559.19となり、2018年8月下旬以来、約10カ月ぶりの高値水準で引けた。構成銘柄の8割近くが上昇した。午後にかけて買いが広がった。
午前は利益確定の売りに押されていた銀行株は全銘柄が上昇した。保険株も上げた。一部米国で保険料の増収が見込まれるとのアナリストのリポートが買い材料になった。
ポンド安の恩恵を受けやすい多国籍企業のたばこ株や医薬品株、酒類のディアジオなどに買いが広がった。売りが先行していた住宅建設株と鉱業株は買い戻された。
個別銘柄では、配管・暖房流通大手ファーガソン(旧ウルズリー)が3.4%高。英生活用品大手レキット・ベンキーザーは3.3%高、英送電大手ナショナル・グリッドは2.8%高、水道大手セバーントレントは2.7%高、英たばこ大手インペリアル・ブランズは2.6%高だった。
半面、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルは4.0%安と大幅安で引けた。アナリストが投資判断や目標株価を引き下げたことが響いた。総合ヘルスケアのNMCヘルスは利益確定の売りで下げた。産銅大手アントファガスタは2.8%安、英中古車販売サイトのオートトレーダー・グループは2.5%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12526.72(+5.34)
ドイツ株式指数(DAX)は小幅ながら4日続伸した。終値は前日と比べて5.34ポイント高の12526.72だった。
個別では、消費財のヘンケルの上げが目立った。一方で鉄鋼のティッセン・クルップは利益確定の売りで下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5576.82(+8.91)
