NYダウ小幅続落3ドル安、ナスダックは大幅続落

24日のNYダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比3ドル09セント安の3万2420ドル06セントで終えた。
 
ダウ平均はエネルギー株がけん引し、終盤までプラス圏で推移した。エジプトのスエズ運河で大型コンテナ船が座礁し、原油供給への懸念が広がったため、米原油先物相場は急反発。エネルギー株もこれに連れ高となった。新型コロナウイルスの流行による打撃からの景気回復を見越し、素材や金融、資本財などの景気敏感株も買われた。
 
半面、コロナ禍に伴う巣ごもり需要に支えられてきたハイテク株は、終日軟調に推移。終盤に売りが加速し、相場の足を引っ張った。
 
米国ではコロナワクチンの接種拡大や、追加経済対策による個人消費の押し上げへの期待が根強い。24日は資本財や消費関連などを中心に買いが戻った。前日に売りが目立った化学のダウや機械のハネウェル・インターナショナルが2%高となった。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスや建機のキャタピラーも高い。米原油先物相場が大幅に上昇したのを受け、石油のシェブロンは3%高で終えた。
 
ダウ平均は上げ幅を364ドルに広げる場面があったが、その後は伸び悩んだ。ハイテクなどグロース(成長)株に売り圧力が強まり、相場の重荷となった。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムは3%安、スマートフォンのアップルは2%安で終えた。四半期末が近づき「持ち高調整でハイテク株売りが勢いづいた可能性がある」との指摘もあった。
 
前日夕に米国の新工場建設を発表した半導体のインテルは、投資負担が利益を圧迫するとの見方から2%安で終えた。
 
朝方発表された米経済指標は総じて弱い内容。2月の米耐久財受注額は、市場予想に反して10カ月ぶりにマイナスに転じた。また、調査会社IHSマークイット発表の3月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)は市場予想を下回った一方、サービス業PMIは市場予想と一致した。
 
ナスダック総合株価指数は大幅続落し、前日比265.807ポイント(2.0%)安の1万2961.890で終えた。主力株では交流サイトのフェイスブックが3%安、ネット通販のアマゾン・ドット・コムが2%安となった。電気自動車のテスラは5%安で終えた。インテル株が下げ幅を広げるにつれ、他の半導体株にも売りが広がった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
32,420.06-3.09
S&P500種
3,889.14-21.38
ナスダック
12,961.890-265.807
NY金(ドル/トロイオンス)
1,733.20+8.10
NY原油(ドル/バレル
60.74-0.44
円・ドル
108.73 – 108.74+0.13

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
24日のシカゴ日経平均先物は続落した。6月物は前日比345円安の2万8335円で引け、24日の大取終値を145円上回った。ハイテク株から景気循環株への移行が続き、ナスダック総合指数は終日軟調推移。引けにかけて米株がハイテク株主導で下げ、日経平均先物にも売りが波及した。
24日はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長とイエレン米財務長官が議会で証言したが、市場の反応は限られた。
 
この日の6月物安値は2万8105円、高値は2万8685円。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28335 ( +145 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28360 ( +170 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6712.89(+13.70)
24日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反発した。前日の終値に比べ13.70ポイント高の6712.89で引けた。上昇と下落銘柄数は拮抗した。
売りが優勢で始まったが、原油相場の急騰を受けて石油株や鉱業株が買われ、上昇に転じた。
 
個別銘柄では、午前は売りに押されていた銀行株にも買いが入り、HSBCホールディングスを除いて上昇して引けた。航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が大幅高となった。下落が続いていたことから割安感に着目した買いが入った。航空機エンジンのロールス・ロイスも上げた。DIYチェーンのキングフィッシャーも高い。
 
一方、英住宅大手テイラー・ウィンペイは3.1%安、オランダのオンライン食品デリバリー大手ジャストイート・テークアウェイは2.9%安、アストラゼネカをはじめ医薬品株は全銘柄が下落した。たばこ株や食品・日用品のユニリーバも売られた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14610.39(-51.63)
24日のフランクフルト株式市場で、ドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反落した。終値は前日と比べて51.63ポイント(0.4%)安の1万4610.39だった。
大陸欧州の新型コロナ「第3波」に対する警戒感が根強く、欧州連合(EU)でワクチンの普及が遅れていることも投資家心理の重荷になった。自動車株を中心に利益確定の売りが優勢だった。
 
個別では、自動車ではフォルクスワーゲン(VW)の下げが目立った。前日に上昇した料理宅配大手のデリバリーヒーローや不動産株も安かった。
半面、」ハイデルベルクセメントと化学のBASFは高かった。米市場でのハイテク株上昇に連れ高し、半導体のインフィニオンテクノロジーズは小幅高だった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5947.29(+1.99)

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