20日のNYダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比6ドル38セント安の2万5058ドル12セントで終えた。
トランプ米大統領は20日早朝に放映された米CNBCのインタビューで、中国から輸入する5000億ドル(約56兆円)相当の製品に制裁関税を課す可能性について「用意がある」と発言。米中貿易摩擦が一段とエスカレートするとの不安から、米株式市場は売り優勢でスタートした。ダウ平均は寄り付き直後に一時78ドル下落した。
ただ、米主要企業の2018年4~6月期決算の発表が佳境を迎える中、好業績企業には買いが入り、ダウの下値は限定的だった。
マイクロソフトが上場来高値を更新し、指数を押し上げた。前日夕発表の18年4~6月期決算が市場予想を上回り、20日はアナリストによる目標株価の引き上げが相次いだ。
20日は機械のハネウェル・インターナショナルも4~6月期決算が市場予想を上回り、株価が大きく上げた。主力企業の業績拡大が続いているとの見方が次第に投資家心理の悪化を和らげた。米長期金利が上昇し、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど銀行株が買われたことも相場の支えだった。
ナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比5.098ポイント安の7820.198で終えた。
セクター別では、食品・飲料・タバコや銀行が上昇する一方でメディアや不動産が下落した。
個別では、運動靴メーカーのスケッチャーズUSA(SKX)は、決算内容が嫌気され、20%を超す大幅下落。複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)は、決算でガスタービンなどの需要低迷を背景にパワー事業の低迷が明らかとなり、4.5%安と軟調推移した。
一方で、ソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)は好決算を発表し、1.8%高と上昇。複合企業のハネウェル・インターナショナル(HON)は、通期の利益見通しを引き上げ、堅調推移となった。
カジノ・ホテル運営のMGMリゾート・インターナショナル(MGM)は、日本でカジノ整備法が成立したことを受けて、業績拡大への期待感から上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,058.12-6.38
S&P500種
2,801.83-2.66
ナスダック
7,820.198-5.098
米10年債利回り(%)
2.895 +0.048
米2年債利回り(%)
2.5952 +0
NY金(ドル/トロイオンス)
1,231.10+7.10
NY原油(ドル/バレル)
68.16-0.10
円・ドル
111.48 – 111.49-0.96
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続落した。9月物は前日比180円安の2万2525円で引け、同日の大取終値を195円下回った。円高進行や米株安を嫌気した。
この日にトランプ米大統領がツイートで米連邦準備理事会(FRB)の利上げ政策やドル高をけん制し、円高が進んだ。同大統領の中国向け関税対象の引き上げ検討発言も投資家心理を悪化させた。
この日の9月物安値は2万2485円、高値は2万2850円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22525 ( -195 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22545 ( -175 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7678.79(-5.18)
FTSE100種総合株価指数は小幅ながら4日ぶりに反落した。英国の欧州連合(EU)離脱交渉への懸念や英通貨ポンド高が重しとなり、4日ぶりに小反落した。英FT100種平均株価指数は前日終値比5.18ポイント安の7678.79で終了した。構成銘柄の約6割が下落した。
株価は高値でスタートしたものの、午前中にメイ首相のEU側に譲歩を要求する内容の演説が嫌気されて値を消すと、午後にはトランプ米大統領のツイッター投稿を手掛かりとしたドル安・ポンド高に伴って一段安となった。引けに掛けては買い戻しが入り、下げ渋った。
個別銘柄では、英害虫駆除会社レントキル・イニシャルが1.9%安で下落率トップ。米中貿易摩擦への懸念から、スイス資源大手グレンコア(1.6%安)、南ア鉱業大手アングロ・アメリカン(1.4%安)、英・豪鉱業大手BHPビリトン(1.5%安)など、資源株が総じて軟調、英グラクソ・スミスクライン(0.5%安)、アイルランドのシャイアー(1.4%安)などの製薬株が下落した。
半面、スタンダードチャータード銀行や銀行のバークレイズ、保険のセント・ジェームズ・プレイス、金関連株のフレスニージョとランドゴールド・リソーシズが上昇に転じた。ギャンブル事業のGVCホールディングスは、上期のオンラインゲーム事業が大幅増収となり、通年の業績見通しも予想と一致するとの見方を示したことを好感した買いで高くなった。英包装資材DSスミスが3.0%高とネット専業スーパーのオカドの上げが目立った
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12561.42(-124.87)
ドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日19日と比べて124.87ポイント安の12561.42だった。
米中の貿易摩擦激化の懸念が再燃し、午後にかけて輸出企業銘柄を中心に売りが広がり、構成銘柄の約8割が下落した。
個別銘柄では、鉄鋼のティッセン・クルップが大幅安となった。自動車株は全面安。タイヤのコンチネンタルも安くなった。
一方、電力のRWEや日用品のバイヤースドルフなどが上げた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5398.32(-18.75)
