NYダウ小幅続伸 20ドル高、ナスダックは3日続落

 
6日のNYダウ工業株30種平均が小幅に続伸し、前日比20ドル88セント高の2万5995ドル87セントで終えた。
 
前日に再開した北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉をめぐるカナダとの協議も先行きが見通せず、通商問題への警戒感からダウは午前中に一時94ドル安まで下げた。
 
その後、ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁が討論会で「米経済は力強く雇用拡大も順調だが、インフレ圧力が弱いため利上げをさらに急ぐ必要はない」と発言。市場では利上げペースが加速することへの警戒感が後退し、ダウは午後に入ってプラス圏に浮上した。
 
航空機のボーイングが上げ、ダウ平均を押し上げた。割安感などからディフェンシブ銘柄や資本財関連などへの選別物色も続いた。
フランスのエンジン大手サフランがボーイングやエアバスへの航空機エンジンの出荷を加速する見通しを示したと伝わった。航空機の出荷増につながるとしてボーイングが上昇し、ダウ平均を30ドルあまり押し上げた。
 
一方、ダウ平均は下げに転じる場面があった。業績不透明感からマイクロン・テクノロジーなど半導体関連株の一角に売りが広がった。フェイスブックなど主要IT(情報技術)株の下げも続き、ダウ平均ではアップルやインテルなどの下げが指数の重荷となった。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、同72.447ポイント安の7922.726で終えた。アマゾン・ドット・コムやフェイスブックなど、大型ハイテク株全般に持ち高調整や利益確定を目的とした売りが出た。
 
セクター別では、電気通信サービスや食品・飲料・タバコが上昇する一方で半導体・半導体製造装置やエネルギーが下落した。
 
 
個別では、複数アナリストがメモリー市場の業績悪化を予想し、マイクロン・テクノロジー(MU)、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)、アプライド・マテリアルズ(AMAT)など半導体関連株が軒並み下落した。時価総額上位の携帯端末のアップル(AAPL)やオンライン小売のアマゾン(AMZN)も軟調推移となった。原油相場の下落で、エネルギー会社のチェサピーク・エナジー(CHK)や深海油田開発のトランスオーシャン(RIG)などエネルギー銘柄が軟調推移した。書店のバーンズ・アンド・ノーブル(BKS)は決算内容が嫌気され、下落した。
一方で、DKNYブランドなどを保有するアパレルのG-IIIアパレルグループ(GIII)は決算内容が好感され上昇した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,995.87+20.88
S&P500種
2,878.05-10.55
ナスダック
7,922.726-72.447
 
米10年債利回り(%)
2.8731 -0.029
米2年債利回り(%)
2.633 -0.02
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,204.30+3.00
NY原油(ドル/バレル)
67.89+0.12
円・ドル
110.66 – 110.67-0.65

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は3日続落した。
9月物は前日比125円安の2万2405円で終え、大阪取引所の終値を75円下回った。
米国による対中制裁関税の発動への警戒感などを背景に円高が進み、相場を下押しした。北海道地震が日本経済の先行きに与える影響を懸念した売りも出た。
この日の9月物の安値は2万2360円、高値は2万2560円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22405 ( -75 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22410 ( -70 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7318.96(-64.32)
FTSE100種総合株価指数は食品株や資源株の主導で3日続落した。
前日5日の終値に比べ64.32ポイント安の7318.96と、終値ベースで4月中旬以来の安値で引けた。指数採用銘柄の約6割が値下がりした。
この日のFT指数は7300台の半ばから後半で方向感なく推移。しかし、終盤は米株価の下落局面を眺め、急速に値を消した。
 
原油相場が午後遅くに下げに転じたことにともない、ロイヤル・ダッチ・シェルなど石油株の下げ幅が広がった。鉱業関連株も軒並み売られた。銀行株も軟調だった。HSBCホールディングスは、アナリストが投資判断を引き下げたことなどが響いた。
 
個別銘柄では、鉱業のBHPビリトンは4.5%安、資源商社のグレンコア2.6%安、不動産投資信託(REIT)のランド・セキュリティーズはそれぞれ配当権利落ちで下げ幅が大きくなった。外食デリバリーサービスのジャスト・イートは5%超下がった。
 
半面、携帯電話サービスのボーダフォン・グループは、アナリストによる投資判断の引き上げが好感され買われた。ガス供給・販売のセントリカは約5%高。英規制当局が提案した公正取引のためのエネルギー価格の上限が市場予想を下回ったことが買い材料となった。投資会社のメルローズ・インダストリーズは3.3%高、業績が会社の通期予想通りに進行していると明らかにし上昇した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11955.25(-85.21)
ドイツ株式指数(DAX)は6日続落した。終値は前日5日と比べて85.21ポイント安の11955.25と、終値ベースで3月下旬以来の安値で引けた。新興国の金融市場の低迷と米中の貿易摩擦への警戒感から、売りが広がった。
 
個別では、アナリストが株価目標を引き下げた医薬・農薬大手のバイエルの下げが目立った。素材メーカーのコベストロとコメルツ銀行も売られた。
一方で、電力のRWEとドイツポストは上昇した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5243.84(-16.38)

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