NYダウ反落42ドル安、雇用統計控え様子見

5日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比42ドル45セント(0.1%)安の3万0273ドル87セントで終えた。

 
米民間雇用サービス会社ADPがこの日発表した9月の全米雇用報告では、非農業部門の就業者数が前月比20万8000人増加した。市場予想を上回り、労働市場の逼迫(ひっぱく)が続いていることを示した。
米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑制のためには、労働市場の減速が必要との認識を示している。市場では、前日に強まった利上げペース鈍化への期待がしぼみ、米長期金利が上昇。株式市場では売りが先行して取引が始まった。ダウ平均が前日までの2日間で1600ドル近く上昇した反動から、利益確定の売りにも押された。
 
米長期金利が3.7%台と前日終値(3.63%)から上昇し、株式の相対的な割高感を意識した売りも誘った。ダウ平均は午前に400ドルあまり下げる場面があった。
 
取引終了にかけては下げ渋った。ダウ平均が3万ドルを下回った場面では、値ごろ感があるとみた買いも入り、指数は一時、上昇に転じた。もっとも、9月の米雇用統計の発表を見極めたい投資家は多く、積極的に株の買い持ちを積み増す動きは限られた。
 
前日に大幅高となった景気敏感株が売られ、金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェース、航空機のボーイングの下げが目立った。一方、原油先物相場の上昇で石油のシェブロンが上昇。スポーツ用品のナイキも高かった。
 
ナスダック総合株価指数も3営業日ぶりに反落し、前日比27.768ポイント(0.2%)安の1万1148.638で終えた。電気自動車のテスラが大幅に下落した。前日に最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏がSNS(交流サイト)大手のツイッターを買収すると伝わり、テスラの経営にも影響が及びかねないとの懸念が広がった。
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

5日のシカゴ日経平均先物は反落した。12月物は前日比150円安の2万7020円で引けた。
NYダウは、米雇用統計の発表を控え、様子見姿勢が広がる中、米長期金利上昇を嫌気し、小幅反落した。
同日の米株式相場が3営業日ぶりに反落し、日経平均先物にも売りが波及した。

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27020 ( -60 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27035 ( -45 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7052.62(-33.84)

5日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日に比べ33.84ポイント(0.48%)安の7052.62で引けた。インフレや主要中央銀行の金融引き締めが継続するとの観測は根強く、英景気への悪影響を懸念した売りが出た。
FTSEでは、指数構成銘柄の8割超が下落。オンライン食品販売オカド・グループが10.0%安と急落したほか、衣料小売り大手ネクストが5.3%安、保険会社セントジェームズ・プレイスも4.9%安と売られた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12517.18(-153.30)

5日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反落した。前日に比べ153.30ポイント(1.21%)安の1万2517.18で終えた。インフレや金融引き締め継続の観測からドイツ国債利回りが上昇しており、金利上昇を嫌気した売りが出た。前日まで大幅に3日続伸していたため、目先の利益を確定する目的の売りも出やすかった。DAXでは、エネルギー大手シーメンス・エナジーと自動車部品大手コンチネンタルが5.6%安、通販大手ザランドが5.3%安、医療サービス大手フレゼニウス・メディカルケアが4.8%安となった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 5985.46(-54.23)

フランスCAC40種指数は0.90%安だった。
米連邦準備制度理事会(FRB)など各国の中央銀行が利上げペースを落とすとの見方が後退。前日までのリスク資産買いの流れが反転し、株式を売る動きが広がった。
 

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