NYダウ反落403ドル安、大幅利上げに伴う景気懸念

14日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比403ドル89セント(1.3%)安の2万9634ドル83セントで終えた。

インフレ加速で米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの観測から長期金利が上昇し、株式相場の重荷となった。前日に大幅高となった反動で、目先の利益を確定する売りも出やすかった。

午前にミシガン大が発表した10月の期待インフレ率(暫定値)が、1年先、5年先ともに9月の確報値から上昇した。1年先の期待インフレ率は、3月以来7カ月ぶりに上昇に転じた。市場予想を上回る伸びを示した前日の9月の米消費者物価指数(CPI)に続き、根強いインフレ圧力が確認された。FRBがインフレ抑制のために大幅利上げを続け、景気悪化を招くことへの懸念が株価を下押した。
米長期金利が上昇し、4%を上回って推移したことも、ハイテク株や成長株を圧迫した。

朝方には金融大手が相次ぎ決算を発表し、JPモルガン・チェースは売上高と1株利益が市場予想を上回った。業績への過度な警戒が和らぎ、取引開始直後は金融株を中心に買いが先行した。ただ、買い一巡後は程なくして相場は下げに転じた。前日にダウ平均が800ドルあまり上昇した後で目先の利益を確定する売りも出やすかった。

スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフト、建機のキャタピラーが売られた。一方、市場予想を上回る決算を発表した医療保険のユナイテッドヘルス・グループは上昇した。

ナスダック総合株価指数は反落した。前日比327.764ポイント(3.1%)安の1万0321.388で終え、12日に付けた年初来安値を更新した。電気自動車のテスラや半導体のエヌビディア、ネット通販のアマゾン・ドット・コムの下げが大きかった。


【シカゴ日本株先物概況】

14日のシカゴ日経平均先物は反落した。12月物は前日比165円安の2万6625円で引けた。

 
米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利上げ継続に伴う景気悪化懸念が重しとなり、反落した。同日の米株式相場が下落し、日経平均先物に売りが波及した。
 
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
26625 ( -425 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
26620 ( -430 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
14日のFTSE100種総合株価指数は小幅に続伸した。前日に比べ8.52ポイント(0.12%)高の6858.79で引けた。トラス英首相が大規模減税策の一部だった法人減税の撤回を表明したのを好感し、買いが優勢だった。半面、減税策は部分的な撤回にとどまったため、財政への懸念は残り、上値は重かった。

FTSEでは、オンライン食品販売オカド・グループが4.8%と、前日に続き上昇率トップ。消費関連株が上げを主導した。商品相場の下落を受け、産金大手フレスニロ(3.6%安)や石油大手シェル(1.4%安)など資源関連株は売られた。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
14日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前日に比べ82.23ポイント(0.67%)高の1万2437.81で終えた。ドイツ長期金利の上昇一服を好感し、金利動向に敏感な不動産株や公益事業株、ハイテク株が買われた。

DAXでは、不動産大手ボノビア(6.5%高)やエネルギー大手エーオン(3.3%高)が買われた。
 

■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.90%高高だった。

世界的な景気後退懸念が和らぎ、買いが優勢となった。
 

 

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